MSXから始まったキネティックコネクションの直系を継いだのは『きね子』だけじゃないわ。 今回持ってきたのはゲームギア用ソフト、その名も『キネティックコネクション』よ。
あら、ゲームギア版なんて出てたの?
まるで知らなかったわあ。
てかタイトル先祖返りした?
本作の発売元はプラットフォーマーのセガ・エンタープライゼスです。 きね子はアイレムのタイトルでしたので、権利問題で使えなかったのかもしれません。
だけどソニー版と同じタイトルを使っているし、このあたりの真相はよくわからないところね。
MSX、ディスクシステム、ゲームギアとそれぞれハードもメーカーも異なるが、全てに開発者として種子田定登さんという方が関っている。 そのためこれらが正当なシリーズ作と位置付けられているんだ。
種子田定登さんのコピーライト表記もあります。
ゲームギア版はシリーズ最終作ではあるが、ハード性能の都合からボリューム面ではややスケールダウンしている。
ステージ数は全部で7つになり、前作にはあった24ピースや48ピースのモードもカットされて16ピースのみになりました。
選べるステージは7つ。
そりゃまたずいぶんと減っちゃったわね(^^;)
ただでさえ容量を使うアニメーションを分割させて動かすのは大変なのよ。 ファミコンでもディスクシステムだからできたけど、当時のROMカセットでは実現できなかったでしょうね。
ですが後発ならではの工夫もあります。
数少ない欠点だった操作性に改善が施され、格段に遊びやすくなりました(^^)
本作では3つの操作方法を選択することができるわ。 一つ目はスワップ方式。任意のピースを入れ替えることができるのよ。
あ、それ便利。 前作まではいっぺんどかしてからじゃないと別のピースを置きなおせなかったのよね。
と、先に言い忘れたが本作ではピースはあらかじめフレームの中にすべて収まっている。 ゲームギアの小さな画面で出来るだけ大きく見せるための仕様変更だな。
小さい画面をフル活用した画面構成。
なるほど、フレームの外にどかすことがそもそもできなくなったのね。 だけど入れ替えられるようになったのは嬉しいわ。これで遊びやすくなるわよ。
任意の位置のパネルを抜いた15パズルにチャレンジだ。
2つ目はスライドパズルのように操作する15パズル方式だ。 任意の箇所のピースを抜いてからスタートできる。 ピースの取り外しや入れ替えは当然できない。
むずっΣ(´Д`;)
私スライドパズルは得意な方だけど、このシステムだとやりづらいわあ。
先に上下左右の向きをなるべく合わせておきたいわね。
縦横1列まるごとスライド。
3つ目はルービック・パズル方式です。 ピース単位での移動はできません。 縦軸、横軸ごとにピースをスライドさせて揃えていきます。
更にむずっΣ(´Д`;)
いやあ、ひとくちにピースを揃えるといってもいろんなやり方があるものだわ!
まるで違うゲームをプレイしているようなものね。 この仕様のおかげでステージの少なさを多少補うことができているわ。
それと発売元がセガということで、ちょっとしたサービス要素があるわね。
『ファンタジーゾーン』よりゲスト出演。
あ、オパオパだわ。可愛い(^^)
セガの名作シューティング、『ファンタジーゾーン』からのゲスト出演です(^^) このような有名キャラクターを使ったステージはこれまでありませんでしたね。
他にもこんなステージがあるの?
残念ながらこれだけだ。 セガにはソニックやアレックスキッド等の名のあるキャラが多いのだから、もっとやってくれたら宣伝にもなったと思うのだがな…。
ハードパワーの問題があったかもしれません。 このオパオパのステージもそうですが、本作のアニメは小さいものが細かく動くタイプのものが多いんです。 大きく動かすことは難しかったのでしょう。
セガとしても本当はもっとやりたかったんだと思うわ。 本作ではないけど、メガドライブの方でキャラクターを押し出した試みをしていたのよ。 あなたたち、『ゲーム図書館』のことは知っているかしら。
メガドラのゲーム配信サービスでしょ?
使ったことはないけど聞いたことくらいあるわ。
ゲーム図書館では電話回線を通じてゲームソフトをダウンロードすることができた。 毎月800円の定額を支払うことで一か月間好きなだけダウンロードできたが、高額の専用モデムが必要で通信にかかる電話料金が別にかかる欠点もあった。
実はそのゲーム図書館で『きねちっく こねくしょん』というタイトルが配信されていたのよ。 ステージの中には『ファンタシースターU』のネイが登場するものがあったわ。
メガドライブ『ファンタシースターU』よりネイ。
ネイはメガドラユーザーにとって屈指の人気キャラよね。 やってみたいけど、ゲーム図書館じゃもうどうにもならないわ(^^;)
メガドライブにはハードディスクがないのでダウンロードしたゲームを保存することができませんでした。 この作品を今からプレイすることは完全に不可能ですね(^^;)
そういえば当時、何度もダウンロードするのは大変だからっていつも飽きるまで電源をつけっぱなしにしていたな…(´Д`;) あまりにも時代を先取りした…しすぎたサービスだった。
だからステージ画像も用意できなかったわ。 ファンタシースターシリーズはたびたび復刻されるけど、さすがにこんなところまではフォローできてないのよね。
ファンでも知っている人は少ない幻のゲームですね。 いつかまた日の目を見ることを願います。
ステージ1:『コックピット』
話を本作に戻してステージ紹介に移ろう。ステージ1は『コックピット』だ。 一見すると計器が多くて難しそうだが、よく見ると計器の形が全部違うな。最初に完成図を頭に叩き込んでおくといい。
ステージ2:『オパオパ』
ステージ2は先ほども少し紹介した『オパオパ』です。 オパオパ達は並んで移動するので向きは一定です。まず向きを合わせてしまいましょう。 それからオパオパの移動量を見ながら調整していく感じです。それにしてもかわいいですね(^^)
ステージ3:『ペンタン』
ステージ3『ペンタン』は2羽の青いペンギンと1羽の赤いペンギンが歩き回るステージよ。 これも先に上下の向きを合わせるといいわ。ペンギンが画面外に出ていく時、消えた瞬間が映るピースが画面端よ。地道に見極めていきなさい。
ステージ4:『クライマー』
ステージ4は『クライマー』。 男の人たちが柱を延々とよじ登ってるシュールな画だわ(^^;) 柱の陰影で横の向き、登る方向で縦の向きを調整するといいわね。
ステージ5:『パイプライン』
ステージ5は『パイプライン』。 入り組んだ配管の上を青とオレンジの玉が沿っていく。 どの配管にどの色の玉が通るかは決まっているため、これもあらかじめ覚えておくといいだろう。
ステージ6:『キューブ』
ステージ6はこちらの『キューブ』。 2つの立方体がそれぞれ左向きと右向きに回転しています。 しかしどちらも同じ形のため、どちらの立方体のピースなのか判別するのが難しいですね(^^;) 微妙に高さが違うことを確認しながら当てはめていきます。
ステージ7:『モノリス』
最後のステージ7は『モノリス』よ。 赤緑2枚ずつの石板がくるくる回りながら流れていくわ。 石板は必ず左から右に流れるというところ、そして右向きの矢印が描かれているところが大きなヒントね。
こんなところで紹介は終わりね。 最後に聞くけど、シリーズ内の他作品と比べてどう思ったかしら?
ステージ数は減りアニメも簡素になったが、新しい操作性を取り入れて更なる面白さを打ち出した意欲作。というのが主だった評価になるかな。
これがシリーズ最終作なんでしょ? ここまで続けてきたノウハウあっての進化なわけだし、これで終わっちゃうのはもったいないわね。
シリーズとしては最後になるけど、同様のシステムを使ったゲームは後に他社からも多く作られているわ。 探せばいろいろ出てくるわよ。
後に出たものはもっと派手にアニメしたりストーリーを付けたりして楽しめる工夫を凝らしているものも多いです。 それでもキネティックコネクションの先駆者としての価値が変わることはありませんね(^^)
初稿:2019年6月27日
最終更新:----年--月--日