今回取り上げるのはゲームボーイのブロック崩しゲーム、その名も『ブロックくずしGB』です(^^)
ずいぶんそのまんまなタイトルね!?Σ(゜Д゜;)
ビデオゲーム黎明期の作品であればジャンル名がそのままタイトルとなる作品は珍しくなかった。 わかりやすいうえ、競合するタイトルが他にあるわけでもないからな。しかし…。
本作が発売された1995年の年末になると市場の成熟も進み、各メーカーは自社のゲームが埋もれてしまわないよう個性を立たせることに心を砕いていました。 そんな最中に現れた極めてシンプルなこのタイトルは却って目立ちましたね。
俺も雑誌の発売予定で見た時は仮題だと思って疑わなかったなあ(´Д`;)
ボールを打ち返してブロックを破壊せよ。
ジャンル名をタイトルに冠するくらいだし、画面を見る限りいたってオーソドックスなブロック崩しみたいね。
うむ。自機であるリフレクターを操作して飛び回るボールを跳ね返し、画面内のブロックを全て破壊するとステージクリアとなる。
ボールを打ち返し損ねて画面下に落としてしまうとリフレクターの残機が減ります。 残機は最初は3機あり、スコアが1万になると1UP、その後は2万点増えるごとに1UPします。
リフレクターのどの箇所でボールを受けるかによって跳ね返りの角度が変わる。 中央付近で受けると入射角と反射角が同じになるが、端で受けると反射角が大きくなる。 これを意識してボールの挙動をコントロールするんだ。
文字が書かれたブロックがあったけど、これはアイテムか何か?
アイテムは『I』と書かれたブロックに入っている。 これを破壊すると7種類あるアイテムカプセルのいずれかが現れ、リフレクターでキャッチすれば規定の効果が得られる仕組みだ。
このように便利なものも多いが、中には取らない方がいいものもある。 それぞれの効果をしっかり覚えておこう。
ふむふむ、マルチプルやレーザーは欠かさず取りたいところだわ。 一気に壊せるのは気持ちいいもんね。
せっかくのアイテムですが、ボールが落ちてくるタイミング次第では見逃さなければならないこともあります。 ボールを受け損なったらアイテムの効果も失われてしまうので、すっぱり諦める勇気も必要ですね。
ブロックは『I』だけでなく、他にも違った特殊効果を持っているものがあります。
……こりゃまた多いわね(´Д`;)
一度に覚えようとすれば大変だが、見分けやすく特徴的なものが多いから実際にプレイしてみると覚えるのはさほど苦ではないはずだ。 あまり身構えずに遊んでみるといい。
さて、本作の最大の見どころは何と言ってもストーリーですね。 ステージの合間にビジュアルシーンが挟まれる形で進行していくのですが、メインとなるキャラクターがとても個性的なんですよ。
顔は見せないハードボイルド『ジョン・高橋』。
主人公は賞金稼ぎの『ジョン・高橋』。 ある日彼の前に現れた依頼人はロボットの頭だった。 ロボットは『クワー』と名乗り、奪われた体を取り戻してほしいという。
依頼人のロボット『クワー』。
なんだか独特な世界観ね(^^;) セリフから受けるジョンの印象はハードボイルドで、事務所も現代っぽいのにいきなりとぼけたロボットが出てくるし、どことなく妙だわ。
最初のボスはクラゲの『ヌルー』。
5ステージごとにクワーのパーツを持ったボスが待ち受けており、倒せば取り返すことができます。 ボスには直接ボールをぶつけることでダメージを与えていきます。
ボスたちはリフレクターに向けて攻撃を仕掛けてくるので通常ステージではあまり意識しない避けるという動作も必要になってくる。 気を引き締めて挑もう。
ボスが撃ってくる弾とボールの形が同じなのね。 見分けがつかなくてうっかり自分からあたりに行きそうになるわ…(^^;)
わりとやりがちですね(^^;) 見失わないように注意していないといけません。
タコの『ピエール』とゴーストの『ヒュードロ』。
しかしクラゲやらタコやら幽霊やら…ボスにもいろんなやつがいて、ますます世界観が混迷してきたわ(^^;) こうなると次はどんなのが出てくるか楽しみになっちゃう。早く続きが見たいわね。
そうだ、言い忘れていたが途中セーブやパスワードのような中断機能はないからクリアを目指すならあらかじめそのつもりでな。
えっ、ないの?(´Д`;)
はい、電源を入れるたびに初めからやりなおさないといけないです(^^;) その代わりコンティニューは無限にできますので地道にプレイすればクリアは可能ですよ。
ストーリーモードの他にはエンドレスモードというものもある。 ステージクリアの概念がなく、一定時間ごとに画面上部からブロックが供給され続けるんだ。
徐々に増えていくるブロック。
ゲームオーバーになるまでどれだけスコアを稼げるか、ストイックな自分との勝負となります。
上から新しいブロックがどんどん迫ってきて、だんだん猶予がなくなっていく緊張感が強いわね(^^;)
これ本当に焦るよなあ。 スコアを伸ばすには追い詰められた時でも動じない精神が必要だ。
経験から積み上げた実力がそのままスコアに出るゲームですからね。 次はもっと上手くできるかも…と思って何度でもプレイしちゃいます。
日本においてブロック崩しというジャンルは1970年代後半から1980年代にかけてアーケード市場を席巻しました。 ブロック崩しゲームの製作を通して得た技術と資金を基に会社を拡大させていったメーカーも多いです。
それだけに、ブロック崩しのゲームは有名どころが多数存在する。 ゲームボーイでも任天堂がローンチとして『アレイウェイ』を出していたし、このタイミングであえて『ブロックくずし』というタイトルを名乗ったのには少々驚いたものだ。
原点回帰ってやつかしら? だんだんとタイトルから中身が想像しにくいゲームも増えてたから、あえてこうしたのかもしれないわね。
変に凝ったタイトルをつけるよりストレートに伝わりやすいのは確かですね。 内容も『ブロック崩し』を求めて手に取ったユーザーなら満足できる完成度だと思います。
ゲーム性に大きな特徴はないが手堅い作りとなっており、シンプルなブロック崩しの良さが存分に出ている作品だと言えよう。
本質がオーソドックスな分、世界観で個性を出してきたってことかしら。 主人公のジョン・高橋は格好いいんだけど隙もあるし独白は面白いし、私もなんだかすっかりファンになっちゃったみたい(^^;)
依頼人クワーを巡り深まっていく謎…ジョンが辿り着く結末は如何に。
初稿:2021年5月16日
最終更新:----年--月--日