眠り薬と赤い水

ノイギーア 〜海と風の鼓動〜スーパーファミコン|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

短めRPG特集その4

更科みどりこ

じゃー最後はもろみね。
どれにするか決めきれないって言うから最後にしてあげたけど、もう準備は出来てる?

肴倉もろみ

はい、直前までどっちにするか悩んでたんですが決めました。 スーパーファミコンから『ノイギーア 〜海と風の鼓動〜』です。 アクションRPGなのでちょっと反則かもしれないんですけどね。

紫手織ガマズミ

あら、ウルフ・チームの製作ね。

ピータン

ウルフ・チームか…。 同じスーファミソフトでは累計100万本以上を売り上げた『テイルズ・オブ・ファンタジア』がよく知られているかな。

更科みどりこ

あ、テイルズを作った下請けメーカーなんだっけ。それなら期待できる感じ?

肴倉もろみ

ええと、ウルフ・チームは質の高い映像と音楽を軸に多くの名作を輩出したメーカーです。なんですが…。

紫手織ガマズミ

開発を短期間で行っていたせいかシステム面で不備があることも多くて、品質面で当たり外れが大きいの。 ユーザー側としては何かと翻弄されていたんじゃないかしら。もちろん売る側としてもだけどね。

ピータン

すると、こいつはどっちに転んだんだ?

操作性

肴倉もろみ

本作はいわゆるトップビュー型の探索アクションRPGです。 得意の剣で敵を打ち倒し、高低差のあるマップを時にはジャンプで渡り、時には謎を解いて道を開きつつ進んでいきます。

更科みどりこ

当時としてはよくあるタイプね。 あ、動かしやすーい♪(^^)

紫手織ガマズミ

ボタンを押したときの反応は軽やかで操作性は良好よ。 だけどマップの構成上の問題で、足場の高さが見た目にちょっと判り辛くてね。

ピータン

ジャンプで飛び移る移動がやりにくいんだな。 みどりこがさっきから飛び移れずに落ちまくってるのはそういうわけか(´Д`;)

一見すると簡単に飛び移れそうだが、実際にやると難しい。

更科みどりこ

ぐぬぬ…奥行きどうなってるのこれ!(`皿´;)

肴倉もろみ

まあまあ、それは練習してもらうしかないです(^^;) でも操作性は良いので、慣れるとスピーディーに進めることができて爽快なんですよ。

ピータン

ふむ…スピーディーに、か。どうやらそこに短さの理由がありそうだ。

クリアタイム

肴倉もろみ

では本作のリザルト画面に表示されたクリアタイムを見ていただきましょう。

クリア後に表示されるリザルト画面。

更科みどりこ

25時間30分?短いどころかスーファミにしたら長いと思うけど?

ピータン

いや待て…こいつは違うぞ!

紫手織ガマズミ

よく見なさいな、25分30秒よ。

更科みどりこ

に、25分!?Σ(゜Д゜;)
嘘でしょ!いくら腕前次第で速解きができるアクションRPGだからって、25分は短すぎるわ!

肴倉もろみ

もちろん、この記録を出せたのは内容をある程度覚えてたからこそです。 初めての時はマップの探索や謎解きもありましたので2時間くらいはかかったと記憶しています。

紫手織ガマズミ

リザルト画面の下にランクが表示されているのがわかるかしら。 これはクリアタイムに連動していて1〜19まであるの。 タイムが短いほど数字が小さくなるわ。

ピータン

もろみの25分は十分速いと思ったが、これでランク5ということはもっと短縮できるってことなんだな…。

肴倉もろみ

ではでは、実際のランク分けをご覧ください。

ピータン

これが開発者が想定したプレイ時間ってことだな。 見たところ、だいたい2〜3時間くらいを平均として想定しているようだ。

更科みどりこ

じゃあもろみが言ってた2時間は想定どおりなのね。 初めからそれしか遊ばせる気がなかったってこと!? だけどランク1の19分未満なんて、本当にできるのかしら。

肴倉もろみ

マップを覚え、ミスなく攻略できればなんとか可能ですね。 かくいう私もかつて1度だけ到達したことがあります。

紫手織ガマズミ

あら、やるじゃない。

肴倉もろみ

でもですよ! このコストパフォーマンスのよくないゲームを少しでも長く遊ぼうと思って頑張ってランク1を目指したのに、 その称号が『GOKUTSUBUSHI』(穀潰し)なんてひどくないですか!?(TДT)

更科みどりこ

普通にひどいと思うわあ(´Д`;)

ストーリー

肴倉もろみ

それでも、初めからこういうゲームだと思えば納得がいくんです。 極限まで効率化を突き詰めたタイムアタックもそれはそれで楽しいものですから。 ですが、このような遊び方をするゲームだということは本作のどこにも書かれていないんです。

紫手織ガマズミ

パッケージや取説に書かれているのは壮大さを感じさせるストーリ―の断片と、外部クリエイターの紹介くらいなのよね。

◆ストーリー◆

 ここ数か月、ノイギーア領海内を航行する輸送船が行方不明になるという、原因不明の事件が相次いでいた。
 主人公デュークは旅人の身なりをしているが、実は2年前にノイギーアを追放された王子であり、城主のただ一人の子供である。 自由奔放な旅を望んだために父から離れたデュークだったが、異変のうわさを聞きつけノイギーアへ帰ろうとする。
 そして…………。

(取扱説明書より)
肴倉もろみ

ストーリーは廃嫡された王子のデュークが故郷の異変を知り帰郷するところから始まります。 そこまでは良かったのですが、乗った船が魔女に襲われて沈没し、漂着した浜辺の洞窟を抜けたらそこはもう自分のお城。 そこで魔女が操られていたことを知り元凶を探して倒すと、そこでもうエンディングを迎えてしまうんです(−−;)

ピータン

大作感溢れる導入だったのに、中身はずいぶんアッサリしているんだな。 期待されるであろう内容とのギャップが大きすぎる(´Д`;)

更科みどりこ

このストーリーを持ってきて短時間でクリアさせようってのは、どう考えた結果なのか理解しかねるわ(´Д`;) それで、外部クリエイターって?

超豪華クリエイター陣

肴倉もろみ

これこそ私が本作に興味を持った理由なのですが、本作の制作には業界に名だたる一流クリエイターの方々が参加されているんです。

ピータン

すげえ・・・本当に業界の重鎮ばっかりだ。

紫手織ガマズミ

この人達の名誉のために言うと、関わったと思われる部分はよく出来てるのよ。 音楽やデザイン周りは文句なく上質だし、ストーリーだって大半をセリフだけで説明しちゃう演出不足のせいで物足りなくなってるけどそれ自体は面白いわ。

更科みどりこ

確かに素材はいいのよね。だからこそ壮大さを期待しちゃうんだけど(^^;)

肴倉もろみ

いくら上質な材料を揃えても、肝心なのは料理の腕です。 ウルフ・チームはいつも良い材料を用意しますが、あまり活かしきれないことも多いですね(^^;)

ピータン

アクションRPGとしては無難に遊べるが、ボリュームの面で難有りというのが結論か。 繰り返し遊ぶことを想定しても定価9,800円という価格はなかなか厳しい(´Д`;) 値下げ前提なら十分元は取れそうだがな。

紫手織ガマズミ

中古品でもいいけど、2019年現在は『プロジェクトEGG』で800円で配信中よ。 だいぶ手を出しやすくなったから試してみるのもいいんじゃない。

初稿:2019年3月10日

最終更新:----年--月--日

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