◆ストーリー◆
主人公デュークは旅人の身なりをしているが、実は2年前にノイギーアを追放された王子であり、城主のただ一人の子供である。 自由奔放な旅を望んだために父から離れたデュークだったが、異変のうわさを聞きつけノイギーアへ帰ろうとする。
そして…………。
(取扱説明書より)
じゃー最後はもろみね。
どれにするか決めきれないって言うから最後にしてあげたけど、もう準備は出来てる?
はい、直前までどっちにするか悩んでたんですが決めました。 スーパーファミコンから『ノイギーア 〜海と風の鼓動〜』です。 アクションRPGなのでちょっと反則かもしれないんですけどね。
あら、ウルフ・チームの製作ね。
ウルフ・チームか…。 同じスーファミソフトでは累計100万本以上を売り上げた『テイルズ・オブ・ファンタジア』がよく知られているかな。
あ、テイルズを作った下請けメーカーなんだっけ。それなら期待できる感じ?
ええと、ウルフ・チームは質の高い映像と音楽を軸に多くの名作を輩出したメーカーです。なんですが…。
開発を短期間で行っていたせいかシステム面で不備があることも多くて、品質面で当たり外れが大きいの。 ユーザー側としては何かと翻弄されていたんじゃないかしら。もちろん売る側としてもだけどね。
すると、こいつはどっちに転んだんだ?
本作はいわゆるトップビュー型の探索アクションRPGです。 得意の剣で敵を打ち倒し、高低差のあるマップを時にはジャンプで渡り、時には謎を解いて道を開きつつ進んでいきます。
当時としてはよくあるタイプね。 あ、動かしやすーい♪(^^)
ボタンを押したときの反応は軽やかで操作性は良好よ。 だけどマップの構成上の問題で、足場の高さが見た目にちょっと判り辛くてね。
ジャンプで飛び移る移動がやりにくいんだな。 みどりこがさっきから飛び移れずに落ちまくってるのはそういうわけか(´Д`;)
一見すると簡単に飛び移れそうだが、実際にやると難しい。
ぐぬぬ…奥行きどうなってるのこれ!(`皿´;)
まあまあ、それは練習してもらうしかないです(^^;) でも操作性は良いので、慣れるとスピーディーに進めることができて爽快なんですよ。
ふむ…スピーディーに、か。どうやらそこに短さの理由がありそうだ。
では本作のリザルト画面に表示されたクリアタイムを見ていただきましょう。
クリア後に表示されるリザルト画面。
25時間30分?短いどころかスーファミにしたら長いと思うけど?
いや待て…こいつは違うぞ!
よく見なさいな、25分30秒よ。
に、25分!?Σ(゜Д゜;)
嘘でしょ!いくら腕前次第で速解きができるアクションRPGだからって、25分は短すぎるわ!
もちろん、この記録を出せたのは内容をある程度覚えてたからこそです。 初めての時はマップの探索や謎解きもありましたので2時間くらいはかかったと記憶しています。
リザルト画面の下にランクが表示されているのがわかるかしら。 これはクリアタイムに連動していて1〜19まであるの。 タイムが短いほど数字が小さくなるわ。
もろみの25分は十分速いと思ったが、これでランク5ということはもっと短縮できるってことなんだな…。
ではでは、実際のランク分けをご覧ください。
これが開発者が想定したプレイ時間ってことだな。 見たところ、だいたい2〜3時間くらいを平均として想定しているようだ。
じゃあもろみが言ってた2時間は想定どおりなのね。 初めからそれしか遊ばせる気がなかったってこと!? だけどランク1の19分未満なんて、本当にできるのかしら。
マップを覚え、ミスなく攻略できればなんとか可能ですね。 かくいう私もかつて1度だけ到達したことがあります。
あら、やるじゃない。
でもですよ! このコストパフォーマンスのよくないゲームを少しでも長く遊ぼうと思って頑張ってランク1を目指したのに、 その称号が『GOKUTSUBUSHI』(穀潰し)なんてひどくないですか!?(TДT)
普通にひどいと思うわあ(´Д`;)
それでも、初めからこういうゲームだと思えば納得がいくんです。 極限まで効率化を突き詰めたタイムアタックもそれはそれで楽しいものですから。 ですが、このような遊び方をするゲームだということは本作のどこにも書かれていないんです。
パッケージや取説に書かれているのは壮大さを感じさせるストーリ―の断片と、外部クリエイターの紹介くらいなのよね。
◆ストーリー◆
ストーリーは廃嫡された王子のデュークが故郷の異変を知り帰郷するところから始まります。 そこまでは良かったのですが、乗った船が魔女に襲われて沈没し、漂着した浜辺の洞窟を抜けたらそこはもう自分のお城。 そこで魔女が操られていたことを知り元凶を探して倒すと、そこでもうエンディングを迎えてしまうんです(−−;)
大作感溢れる導入だったのに、中身はずいぶんアッサリしているんだな。 期待されるであろう内容とのギャップが大きすぎる(´Д`;)
このストーリーを持ってきて短時間でクリアさせようってのは、どう考えた結果なのか理解しかねるわ(´Д`;) それで、外部クリエイターって?
これこそ私が本作に興味を持った理由なのですが、本作の制作には業界に名だたる一流クリエイターの方々が参加されているんです。
すげえ・・・本当に業界の重鎮ばっかりだ。
この人達の名誉のために言うと、関わったと思われる部分はよく出来てるのよ。 音楽やデザイン周りは文句なく上質だし、ストーリーだって大半をセリフだけで説明しちゃう演出不足のせいで物足りなくなってるけどそれ自体は面白いわ。
確かに素材はいいのよね。だからこそ壮大さを期待しちゃうんだけど(^^;)
いくら上質な材料を揃えても、肝心なのは料理の腕です。 ウルフ・チームはいつも良い材料を用意しますが、あまり活かしきれないことも多いですね(^^;)
アクションRPGとしては無難に遊べるが、ボリュームの面で難有りというのが結論か。 繰り返し遊ぶことを想定しても定価9,800円という価格はなかなか厳しい(´Д`;) 値下げ前提なら十分元は取れそうだがな。
中古品でもいいけど、2019年現在は『プロジェクトEGG』で800円で配信中よ。 だいぶ手を出しやすくなったから試してみるのもいいんじゃない。
初稿:2019年3月10日
最終更新:----年--月--日