ハローキティのビーズ工房ゲームボーイ|ゲームレビュー
パッケージ表
パッケージ裏
ROMカートリッジ
タイトル画面
キティと既視感
◆ストーリー◆
キティちゃんは誕生日のプレゼントにパパから不思議なビンをもらいました。
ビンの中にはキラキラピカピカ。
キレイなビーズがいっぱいつまってます。
ビンのフタを開けてみると…あとからあとからビーズがいっぱい!
「これでアクセサリーを作ったらきっとステキ」
キティちゃんのアクセサリーづくりのはじまり、はじまり…
今度のキティちゃんはビーズアクセサリー作りにチャレンジ。
ココロをこめて大切な人たちへのプレゼントを作ります。
がんばってステキなアクセサリーを完成させましょう!
(取扱説明書より)
1999年はハローキティ生誕25周年。
以前はそれを祝した記念作『ハローキティのマジカルミュージアム』を紹介しましたが、この年に出たハローキティのゲームはそれだけではありません。
今回取り上げるのはそのうちの1本『ハローキティのビーズ工房』です。
もろみは偏執的にサンリオ好きだから…。
そういえばサンリオのゲームは最近取り上げてなかったわね。
さては禁断症状でも出たかしら?
それは知らないけど、わざわざ今回これを持ってきた理由は別にあるはずよ。
ええ、まずはこちらの画面を見ていただきたいのですが…。
5×5のフィールドに敷かれたビーズ。この画面構成はどこかで…?
言い知れぬ既視感があるわ…。
てかヨッシーのクッキーでしょこれ!?
はい、本作は正式に任天堂からライセンスを得て開発されたリメイク作なんです。
前回までヨッシーのクッキーを連続で取り上げたので、最後にこちらも紹介したいと思いまして(^^)
キティとビーズ集め
ゲームを始めるとキティが作りたいアクセサリーを決めるわ。
その材料になるビーズを集めようってわけ。
ラウンド1では『ハートと星のリング』を作ります。
必要なビーズは星型が2個とハート型が1個ですね。
これから説明するパズルゲームをプレイして、1ステージごとに1個ずつ手に入れられるようになっています。
どのステージでどのビーズが手に入るかは決まってるので、開始時の指示を見逃さないようにしてくださいね。
ステージ1-1が星型、ステージ1-2がハート型、ステージ1-3がまた星型なのね。
キティとスライドパズル
ではルール説明の時間です(^^)
左上のパズルエリアにビーズが5×5敷き詰められています。
これをスライドさせて並べ替え、同じ模様のビーズを一列に揃えましょう。
揃えたビーズが綺麗に消滅したな。
ビーズが消えた後はすぐに新しいのが補充されている。
選んだビーズにカーソルに合わせて、Aボタンを押したまま十字キーを入れればその方向に列ごとスライドするのね。
このあたりはヨッシーのクッキーと一緒だわ。
同じ列の両端のビーズは隣同士として扱うわ。
例えば最上段のビーズをさらに上に動かすと最下段に、右端のビーズを右に動かすと左端に現れるわけ。
右下にあるゲージがビーズを消した数を表しています。
いずれかのビーズを5回消せばゲージが貯まり、ステージクリアとなって次のステージに移行します。
キティとビーズ&ビーズ
おやちょっと待て。
今『いずれか』のビーズと言わなかったか?
それだと規定のビーズじゃないものを5つ揃えてもクリアになるように聞こえるんだが。
いいところに気が付きましたね(^^)
結論から言えばクリア扱いにはなりますが、この場合ビーズは手に入りません。
取り損ねたビーズを獲得するためにはラウンドの最後に『ビーズ&ビーズ』というミニゲームに挑戦することになるんです。
ビーズ&ビーズはトランプの神経衰弱のようなルールよ。
最初に数秒間だけ全てのビーズを見せてくれるから目当てのビーズがある場所を覚えて、マスクした状態から制限時間内にペアを揃えるの。
⇒
最初のうちはこれに頼ってもいいのですが、後半のラウンドになるとステージ数が増えてきて難易度も上がってきます。
出来るだけ規定のビーズを揃える方がいいですね。
キティとキティビーズ
でもさ、規定のビーズを揃えるって言っても、それが出来るかどうかは補充されるビーズ次第じゃない?
だって欲しいものが補充されなかったら嫌でも他のを消すしかないわよね。
これまた鋭い指摘です。
この一見不可解にも見えるルールを成立させるため、本作にはひとつ面白い要素を組み込んでいます。
それはキティの顔を模した『キティビーズ』よ。
キティビーズはどれか1列消すたびに1個供給される特別なビーズで、どの種類のビーズとも組み合わせて消すことができるのよ。
目当てのビーズが多少足りなくても、そのキティビーズでカバーすればいいってこと?
いえ、それがそうではないんです。
この使い方が面白いところなんですが、キティビーズを含んだ状態で1列消しても、『右下のゲージが貯まらない』んですよ。
貯まらない…?
そうか!つまり規定のビーズを揃える時はキティビーズを混ぜないようにして、その他のビーズの時は混ぜて消せばいいんだな!
ああなるほどね、やっと腑に落ちたわ!
欲しいビーズと要らないビーズを区別して、それぞれ消し方を変えないといけないのね。
この手のオールマイティーなアイテムは『ヨッシーのクッキー』ではトランプのジョーカー的なポジションで使いどころが大事なものでしたが、本作ではこのように積極的に使っていかないとクリアできないようになっています。
だから見た目は似ていてもプレイした印象は別物に近いと思うわ。
ルールを少し捻っただけで新しい面白さが生まれているわね。
待ちの時間が発生しないのが『ヨッシーのクッキー』と違うところね。
その分急いで消さなきゃいけないから少し慌ただしいんだけど、これはこれで楽しいわ。
しかし目当てのビーズにうっかりキティビーズを混ぜてしまうた時は何とも言えない切なさがあるな…(´Д`;)
キティとプリントスタジオ
ラウンドをクリアしてアクセサリーが完成すると、おまけのアニメーションと写真を見ることができます。
この写真は作ったアクセサリーを皆にプレゼントしているところだな。さすがに芸が細かい。
これまで集めたアクセサリや写真はプリントスタジオでいつでも見れるし、ポケットプリンタを使えばシールとしてプリントアウトすることもできるのよ。
サンリオのゲームってそういうファンサービスが抜かりないわよね。
ゲームがちょっとくらい難しくても、シール欲しさに頑張れちゃいそうよ。
キティと対戦ゲーム
対戦プレイについても触れておきましょう。
本作ではプレイヤー同士の通信対戦と、キティちゃんの友達を相手にしたCPU戦が楽しめます。
対戦相手はキティの友達。クマのジョーイ、ウサギのキャシー、ネズミのジョーイだ。
20ポイント先取の早消し勝負なんだな。キティビーズを使ったおじゃま攻撃もできるようだ。
ところでさっき話しそびれたのだけど、
『ビーズ&ビーズ』を失敗して必要なビーズを獲得できなかったら、その後はどうなるんだと思う?
なんで急にそんな話…。
さすがにゲームオーバーでやり直しにでもなるんじゃないの?
おそらく違うぞ。なんたって話題の切り替え方があからさますぎる。
これは何かを企んでいる時の表情だ(´Д`;)
ご明察。正解はそのまま次のラウンドに進行するのよ。
もちろんアニメーションや写真は見られないけれどね。
そうなんだ。でもこのゲームは一度クリアしたところはラウンドセレクトできるみたいだし、あとでまたやり直せばいいわよね。
だけどやり直さなくてもアクセサリーが手に入る方法が別にあるとしたらどうかしら?
気になってきたようね。答えは対戦モードの中にあるわ。
あああ、話がおかしな方向に逸れていく予感がします(^^;)
キティとパパの不思議な関係
対戦アクサセリーというゲームモードがあるわ。
これはさっき見てもらったキティの友達との対戦とは別で、キティのパパと戦うことができるのよ。
ここでパパに勝てば、作り損ねたアクセサリーを貰うことができるわ。
…何だって?
すまんがもう一度言ってくれるか(´Д`;)
ええと。パパに勝てば、アクセサリーの現物を1個そのまま貰うことができるんです(^^;)
ええ…このゲームってキティがアクセサリーを作り上げる過程を楽しむものじゃなかったの?(^^;)
いきなり現物をもらえちゃうなんて、ちょっとやりすぎというか興醒めなんじゃない。
もちろんいきなり挑戦できるわけではありません。
ビーズ&ビーズに失敗してアクセサリーを完成できなかったラウンドがある場合だけパパと戦うことができるんです。
つまり、これはビーズを上手く扱えない娘に出した助け舟ということなのか?
だとしたら、これはパパからの愛情って解釈できるわね。
アクセサリーづくりっていう当初の目的からは外れた気もするけど、初心者向けの救済措置というならこれもありなのかしら(^^;)
ここでアクサセリーを貰うと写真も増えるわ。
場合によってはパパからもらったアクセサリーをそのままパパに渡すシーンにもなるのよね。
『パパにあげるアクセサリーが作れない…そうだ、パパから奪えばいい』ってこと?なんなのこの父娘!?Σ(゜Д゜;)
ちなみに、パパは尋常じゃなく強いの。
他のキティの友達なんか歯牙にもかけないくらいにね。
本編でビーズを取れないくらいの実力じゃパパを倒すのはあまりに困難でしょうね。
ということはパパはキティからの略奪に全力で抗っていたのか?(´Д`;)
果たしてこのシステムは必要だったのだろうか…。
キティとブランド力
しかし、『ヨッシーのクッキー』がこんな形でリメイクされているとは驚いた。
キティビーズを使ったアレンジも良かったな。このステージで終わろうと思ってもついその先までプレイしてしまう面白さがある。
本作では常に消し続けられる形でビーズが補充されるものね。
遊び易さが向上しているこちらもまたルールの完成形のひとつと言えるんじゃないかしら。
アレンジは加わってるけど、やっぱり時代を越えて通用するゲームシステムだったのよ。
ファンサービスも充実してるし、キティのファンが買って満足できる内容だと思うわ。
事実、本作はヨッシーのクッキーを知らないキティちゃんのファンにも高く評価されました。
見方を変えれば、オリジナルの枷を外れて単体としての出来栄えが優れているということでもあります。
そうね。まずファンシーで華やかな見た目が心を掴むでしょう。
キティファンは必ずしもゲーム慣れしていないけれど、丁寧なチュートリアルがあるから安心して入って来れるわね。
少し触ればすぐに慣れるでしょうしね。
ゲームの初心者に対して言うならこのわかりやすさは強みだわ。
かといって簡単すぎるわけでもないんだよな。
難易度設定を上げれば上級者でも十分に歯ごたえを感じられる絶妙な調整だ。
大勢の人たちに向き合えることがハローキティというブランドの力なんです。
誰でも安心して楽しくプレイできる本作はその志を見事に体現していると思います(^^)
初稿:2021年9月2日
最終更新:2021年9月3日
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