眠り薬と赤い水

ブロックくずしスーパーファミコン|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

タイトルの秘密

紫手織ガマズミ

前回あなたたちがやっていた『ブロックくずしGB』だけど、どうしてこんなタイトルなんだと思う?

更科みどりこ

え、そりゃゲームボーイのブロック崩しだからでしょ?そのまんまだけど。

ピータン

待て、今更そんな簡単なことを聞いてくるはずがない!

紫手織ガマズミ

もう少し考察を深めてみましょう。 『ブロックくずし』の部分は内容を表してるとして、焦点は『GB』を付けたのはなぜかってこと。

肴倉もろみ

『ゲームボーイ』の略である『GB』をわざわざ付け足したのは意味があるということですね。

ピータン

ハードを明確にして区別する必要があったということだよな。

紫手織ガマズミ

そうよ、スーパーファミコン版とね。

流用

スーパーファミコン版のカセット。

更科みどりこ

スーパーファミコンにもあるのね。 発売はゲームボーイよりちょっと早いけど、ほとんど同時期なんだ。

ピータン

当時のゲームボーイは斜陽気味で、新作ソフトの本数も売り上げも落ち込んでいる時期だった。 後に『ポケットモンスター』の大ヒットにより復権するが、『ブロックくずしGB』の発売はそのポケットモンスターのわずか2か月前だったんだ。

肴倉もろみ

売り上げを気にするなら、他のハードでも出すというのはありうる判断だと思います。

更科みどりこ

ってことは内容は同じなのかしら?

紫手織ガマズミ

いいえ、大きく違うわ。

更科みどりこ

え!?そういう話の流れじゃないの? だってパッケージイラストも全く同じよ?(´Д`;)

比較してみよう。

ピータン

ということはパッケージは単なる使い回しか? これだと勘違いされても仕方ない気がするが…(´Д`;)

ブロックの種類

カラフルな美しい配列。

紫手織ガマズミ

これがスーパーファミコン版の画面よ。 カラフルになって見た目の印象もだいぶ違うでしょう。

更科みどりこ

ほんと、色鮮やかだわ(^^) ブロックの模様も派手になってるわね。

紫手織ガマズミ

ブロックは種類がたくさんあるけど、取説やゲーム内で説明がないものも多いからここでは取説に載ってるものだけ挙げておくわね。

更科みどりこ

これらのブロックはゲームボーイ版にもあったわね。 でも形の特徴が際立って、視認性が良くなったわ。

肴倉もろみ

おや、アイテムブロックはないんでしょうか?

ブロックの種類

アイテムが入っている(かもしれない)ブロック。

紫手織ガマズミ

ゲームボーイ版と違ってアイテムは確定で出現するブロックが存在しないの。 この正方形のブロックを壊したときにランダムで出るようになっているわ。

ピータン

出るか出ないかは運次第か。 これだけ密集してる場所ならたくさん出そうだが、少ない場所で何も出てくれないと厳しいかもな。

肴倉もろみ

12種類もあるんですね。 便利そうなものも多いですが、パドルハーフやパドルリバースは取ったら逆に損をしてしまいそうです。 アイテムボールに書かれている略称をしっかり覚えておきたいですね。

紫手織ガマズミ

もし不要なアイテムを取ってしまったら、パドルを入れ替えて回避することができるわよ。

2つのパドル

自機の前後に装備された、緑とオレンジのパドル。

紫手織ガマズミ

自機には前後にパドルが付いているのが見えるかしら? 実はL・Rボタンで前後を切り替えることができるのよ。 そしてアイテムの効果は前方のパドルでキャッチしたものだけ発動するの。

更科みどりこ

ええと、それじゃマイナスアイテムを取っちゃってもパドルを切り替えれば効果が出なくてすむってこと?

紫手織ガマズミ

ご明察よ。 それに、一つのパドルに同じアイテムは一つしか持てないようになっているんだけど、切り替えればストックできるわ。

ピータン

貯めておけるならボールボムのような1回使い切りのアイテムの有用性が上がるな。 そういうことを考える戦略性もあるわけだ。

全100ステージ

紫手織ガマズミ

それじゃあ気になるストーリーよ。

◆ストーリー◆


その通信は突然だった。
「私は…、たすけ…、デデンの塔に…、とじこめられ…、…かもしれません…、お願い…」
とぎれとぎれの通信は、救助を求めるプリンセスからのものだった。ボクはすぐに親友のポンに連絡した。
「プリンセスが『塔』に捕らわれているらしい。すぐに行くぞっ!」「わかったポン!」
その塔というのはボクも知っていた。大昔に建てられたブキミな形をした石造りの塔だ。
38階建てで、100の部屋に区切られている。うわさでは、突然別の階に抜けられる不思議な『穴』もあるという。
でも、ただの石の塔じゃないか!こいつは楽勝だぜっ!
「あ、でも塔の中には、いっぱい石のブロックがおきざりにされているらしいポンよ?」
「石のブロック?そんなものじゃ何もできやしないさ!いくぜ、ポン!」
石のブロックか… でも、デデンって何者だ?
ボクはまだ見ぬ敵の脅威を感じつつ、プリンセスを救い出すために愛機『リフレクター』に乗り込み、プリンセスが幽閉されている『塔』へと向かった。

(取扱説明書より)
更科みどりこ

捕らわれのお姫様を救い出すって、冒険活劇みたいなプロローグね。 どんなものが出てくるか楽しみだわ。

ピータン

100の部屋というのが気になるが…。これはステージ数なのか?

紫手織ガマズミ

ご明察。 本作のステージ数は100あるの。 なかなかのボリューム感ね。

肴倉もろみ

それだけあるんでしたら、セーブやパスワードのような中断機能があるといいんですが…。

紫手織ガマズミ

ないわね。 電源を入れ直したらまた1からやり直さなきゃならないわ。

更科みどりこ

ないの?(´Д`;) ゲームボーイ版にもなかったけど、あっちは48ステージなのに対してこっちは100でしょ、倍以上もあるのに。

紫手織ガマズミ

100ステージあるとは言ったけど、1回で全てをプレイする必要はないのよ。 ところどころで分岐があって、選択次第で進路が変化するの。 クリアまでに通過するステージはだいたい40ってところね。

塔の構造は複雑だ。

ピータン

選択を変えれば毎回違うステージで遊べるというわけか。 新しいルートを開拓する楽しみもあって面白いな。

誘拐犯デデン

待ち受けるは塔の主デデン。

紫手織ガマズミ

節目のステージではボスとの戦いが待っているわ。 相手はデデン、姫を攫った犯人よ。

更科みどりこ

こいつがデデン? どんな厳ついのが出てくるかと思ったんだけど、想像してたより愛嬌のある顔してるわ(^^;)

肴倉もろみ

丸っこくてちょっと可愛いです(^^)

デデンは油顔らしい。

ピータン

主人公たちには執拗に顔のことを馬鹿にされてるようだがな…(´Д`;)

紫手織ガマズミ

デデンは毎回違うメカに乗って戦いを挑んでくるわ。 メカによって爆弾や鉄球など攻撃方法が変わるんだけど、 動きを見極めて攻撃をかわしながらボールを跳ね返してぶつけていくのよ。

肴倉もろみ

デデンとは何度も戦うことになるんですね。 次に出てくる時はどんなメカに乗っているのか楽しみです(^^)

更科みどりこ

何回出てきても返り討ちにしてあげるんだから!(^^)

対戦プレイ

紫手織ガマズミ

本作では対戦プレイもできるわ。 いずれもボールを打ち返し損ねるかブロックラインが自機のところまで下がってきたら負けになるルールよ。

テーブルテニス風ゲーム。パドルは上下にしか動かせない。

ピータン

選べるステージは3つだな。 ひとつ目は左右に分かれてボールを打ち合うタイプだ。 こいつは世界初のビデオゲーム『ポン』を髣髴とさせる。

壁の反射をコントロールしよう。

肴倉もろみ

2つ目はお互いの自機の間に壁を挟んだステージですね。 相手のフィールドに送り込むための角度調整が大事になります。

どちらかがミスするまで続く持久戦。

更科みどりこ

最後の3つ目は完全にプレイフィールドが分かれたノーマルなブロック崩しね。 時間経過でブロックがどんどん降りてくるわ。 お互いに邪魔したり干渉できないから、純粋に腕を競うタイプなのね。

紫手織ガマズミ

どのステージも違った趣向で熱が入るわね。 対人戦だけじゃなくてCPUとのプレイもできるようになってるから練習しておくといいわ。

まとめ

ピータン

タイトルが『ブロックくずし』とジャンル名をストレートに表したゲームだが、その名付けに相応しいオーソドックスなブロック崩しゲームという印象だ。

肴倉もろみ

ブロック崩しゲームに必要なものが必要なだけ入っている安定感があります。 パドルの使い分けという新機軸もよく馴染んでいて、特に不満に思うところはありませんでした(^^)

紫手織ガマズミ

当時のスーパーファミコンソフトは価格が1万円前後のものも少なくなかったけど、本作は5,980円と破格なところも見逃せないわ。 セーブ機能を積んでいないのも低価格に抑えるためなんでしょうね。

更科みどりこ

手堅い内容といい安価な価格設定といい、定番ソフトの位置づけを狙っていたのかしら。 一本持っておきたいと思わせてくれる渋い魅力を感じるわ(^^)

初稿:2021年6月5日

最終更新:----年--月--日

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