1993年に海外のメガドライブとスーパーファミコンでリリースされ、日本でも発売される予定があったにもかかわらず敢え無く立ち消えたゲームがあった。
そのゲームは『エアロ・ザ・アクロバット』。 日本で陽の目を見なかった当ゲームが新たな名称を与えられゲームボーイアドバンスでリメイクされました。 その名も『アクロバットキッズ』です。
へえ、知らないゲームだけどパッケージのキャラクターが可愛くて目を引くじゃない。
いいところに目を付けましたね!(^^)
私もこのイラストに興味を持って買うことにしたんですよ。
この元気そうなコウモリの少年が主人公のエアロです。
コウモリ(bat)とアクロバットを掛けたキャラクターだ。 名前の通りアクロバットの名人でサーカスのスターをやっている。
こんなに可愛いんですから、すぐにでも動くところを見てみたいでしょう?そうでしょう?
え?ええ…そりゃ…。
ではさっそく電源を入れましょう、そうしましょう。
なんでそんなに急かすの?(´Д`;)
……(´Д`;)
いいですか、入れますよー。
よーく見ててくださいね。
誰だこいつは。
きゃあああああああ!
何よこの怖いのは!?Σ(゜Д゜;)
言いにくいことに、これがパッケージに描かれているのと同じキャラクターのエアロです。
狼狽する心中は深くお察ししますよ(-_-;)
さあ、見比べてみよう!
ほとんど面影がないじゃない!(´Д`;)
一応言っておくと、ゲーム上のイラストがオリジナルだぞ。 1990年代の海外のゲームのキャラだからな。この方向性で正しいし、現地の人気はあったようだ。
もちろん、現代の日本で受け入れられるかというと大いに疑問符がつきます。 そこで取った手段がパッケージイラストの差し替えだったんですね。
それをやるならゲームのグラフィックも差し替えなきゃダメでしょ。 こんなの騙し討ちよ!子供が泣いちゃうわよ!(´Д`;)
大人ですけど泣きましたよ!(つДT)
はじめは何が起きてるのか理解できませんでしたし!
これな、雑誌広告でもエアロのイラストを前面に押し出してゲーム画面は一切出してなかったから質が悪いんだよな…。 ちなみにキャッチコピーは『ハイパーアクションヒーローが衝撃的にデビュー!!』だ。
別の意味で衝撃的でしたよ!あうあう(つДT)
しかし意外と言ってはなんだが、本作のゲームとしての出来は良い。 この際きっちりと紹介しておこう。
エドガーの手からサーカスを取り戻せ。
サーカスを憎むエドガーの手によってエアロのガールフレンドとサーカスの仲間が攫われた。 テーマパークに平和を取り戻すため、エアロは打倒エドガーのために動き出す。
このエドガーは典型的なヴィランって感じね。 気持ちいいくらいの悪人面だわ。
子供の頃にイタズラでサーカスの動物に大怪我をさせそうになって、サーカスから出入り禁止になったのを根に持って復讐を誓ってるんですよ(^^;)
とんだ逆恨み!小悪党だわあ!Σ(´Д`;)
本作はステージクリア型のアクションゲームだ。 3つあるステージは4〜5のアクトに区切られており、アクトごとに決められたクリア条件がある。
アクト開始前にはクリア条件が提示される。
クリア条件はアクト内に捕らわれた仲間を助けたり、魔法の輪を規定数くぐったりするなど様々です。
最初のステージはサーカス、アクト1の条件は『7つのスタープラットフォームを壊せ!』だ。
これがスタープラットフォームだ。
背景はバルーンも飛んでサーカスっぽい賑やかさね。 この☆が描かれた青い足場がスタープラットフォーム?
はい、上に乗ってジャンプすると壊れます。下から叩いても壊れないので、乗る方法を見つけることも過程のひとつですね。
エアロの羽根は伊達ではない。短時間だがホバリングでき、遠くまで飛ぶことができる。 どうすれば乗れるかを探るためにまずは探索して地形を把握するんだ。
飛んで距離を稼ごう。
なるほど、探索型アクションだったのね。 アクロバットが得意なエアロのアクションを活かすことになりそう。
天を衝くドリルで敵を貫け。
エアロの攻撃手段はジャンプの状態から放つドリル・アタックです。
ステージ内にはサーカスらしいギミックが多数登場する。 トランポリンや一輪車、大砲やシーソーなどだな。攻略にはこれらを活用することも必要だ。
サーカスに使われるアイテムの数々。
たくさんの種類のアクションが楽しめるのが本作の特長です。 新しいギミックを見つけたら積極的に試してみてください(^^)
最初のボス『スティルト・ブラザーズ』。炎を投げて攻撃してくる。
ステージの最後にはボスとの戦いが待っているぞ。
この手のボスは顔が弱点だと思ったんだけどダメージが通ってないみたい。 うーん、どうやって倒すのかしら?(^^;)
サーカステントを飛び出して。
サーカスステージをクリアしたら、次は屋外に出てテーマパーク全体がステージになります。 ローラーコースターやローターなどのアトラクションを舞台にしたアクションを繰り広げますよ。 最後はエドガーの屋敷で直接対決が待っています。
面白かったわ。 90年代の海外製アクションゲームだから難しいんだろうなって思ってたけど、程よい難易度で楽しめたわね。
そこはしっかりと現代向けに調整されているからな。 何よりオリジナル版では触れると即死だったトゲがリメイク版では1ダメージに改められたことが大きい。
あちこちにトゲが配置されてますから、オリジナル版は大変な難易度だったんでしょうね(^^;) ライフは5もありますし、回復アイテムがたくさん置かれているので無茶してもわりと取り返しがつくようになっています。
エアロは移動の時のブレーキングにちょっと癖があるけど、慣れちゃえば平気だしね。 そうなると問題点はやっぱりあのパッケージイラストが…(^^;)
実はな、俺はもろみからこのソフトを貰ったんだ。 発売日の翌日にな…。
え!てことは、発売日にこれ…買ったんだ…。
あうあう(つДT)
もちろんまるでプレイはしていなかったようだ。 だが、今回このゲームを取り上げるにあたり改めてプレイしてもらったところ、わりと楽しんでいたようでな。
まあ当時はショックでしたけど、元々がこういうグラフィックだと知ってプレイすれば良くできていることはわかりましたよ(^^;) よく見ればオリジナルのエアロも濃いですがいいデザインですしね。
このようにパッケージイラストに惹かれたユーザーはゲーム本編との落差にショックを受けて遊び込まず、 この手の骨太なアクションを好むユーザーは子供向けを意識したイラストのために敬遠してしまった。 むろん全員がそうだとは言わないが、当時こういう事態が発生してしまっていたんだ。
それって誰が得するのよ…(´Д`;)
取説も直訳なのか読みづらいし、全体的にローカライズが雑すぎるわ。
オリジナル版は人気を博し、続編も発売されるに至った。 当初日本への進出が敵わず、9年の時を経て最良のバランス調整を施し、満を持してリメイクされたはずのゲームがこんな扱いを受けてしまったのでは開発者も報われないだろうな(´Д`;)
ゲーム内容は良かっただけに、それ以外のところで良くない印象がついてしまったのは非常にもったいないですね。 ローカライズの大切さを考えさせる教訓となる一作でした。
初稿:2020年10月18日
最終更新:----年--月--日