眠り薬と赤い水

ヘッド−オンゲームボーイ|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

元祖ドットイート

紫手織ガマズミ

1978年にインベーダーブームが起こって、タイトーの『スペースインベーダー』とそのコピーゲームでアーケード市場が席巻されたことは知られているわね。

肴倉もろみ

翌年になるとブームは沈静しますが、拡大した市場の後釜を狙うポスト・インベーダーと呼ばれるヒット作が幾つか出現するようになります。 ナムコの『ギャラクシアン』、ユニバーサルの『ギャラクシーウォーズ』、電気音響の『平安京エイリアン』などですね。

ピータン

その中から今回取り上げるのは、セガの『ヘッド−オン』だ。 世界初のドットイートゲームと言えば衆目が集まるか?

更科みどりこ

ドットイートゲームの代表作と言えば『パックマン』だけど…それ以前にもドットイートがあったのね。

肴倉もろみ

『ヘッド−オン』オリジナルの基板は未所持ゆえ紹介できませんので、ゲームボーイへの移植版を取り上げることにしますがご了承くださいね。

更科みどりこ

え、セガのゲームなのに任天堂のゲームボーイで出てたの?(^^;)

ピータン

セガのゲームはライセンスして他社ハードで発売していることも多いぞ。 件のゲームボーイ版ヘッド−オンはテクモにより移植が行われた。

紫手織ガマズミ

テクモは色んなハードで活躍してるけど、セガ・マークV時代の唯一のサードパーティだったこともあってセガとの繋がりが強かったのよね。 本作もその関わりの中で開発されたものだと思うわ。

ジャマ―マシンに怯えて

サーキットを駆ける2台のマシン

肴倉もろみ

こちらが本作のプレイ画面です。 マイマシンを操作して、サーキット場に敷き詰められたチェックドットを残らず獲得することが目的ですね。

紫手織ガマズミ

背中合わせで発進するジャマ―マシンは自機狙いの特攻機よ。 決して近づいちゃいけないわ。

狙いすました特攻劇。

更科みどりこ

怖っ!Σ(゜Д゜;)
絶対にこっちを殺そうとする鉄の意志を感じるわ…。 ジャマ―マシンにぶつからずにドットを全部取らなきゃいけないのね。

ピータン

残りのチェックドットに気が取られるとジャマ―マシンへの対処が疎かになりがちだ。 どう動かせば良いか、次はマイマシンの操作について見てみよう。

乗りこなせマイマシン

ピータン

マイマシンは反時計回りに走り続け、止まったりUターンすることはできない。 プレイヤーにできるのは低速/高速の切り替えとレーンの変更だけなんだ。

紫手織ガマズミ

高速/低速の使い分けは大事なポイントよ。 マイマシンはジャマ―マシンと同じレーンを走らないようにしないといけないわ。 もし相手が同じレーンに流れてきたら、すぐに離れる必要があるわけ。

肴倉もろみ

ジャマ―マシンは一定のアルゴリズムをもってマイマシンに近づこうとします。 レーン変更はレーンの切れ目でしか行えないので、速度を調整しながらレーンを移動のタイミングを見極めましょう。

ピータン

このとき注意すべきはマイマシンのスピードだ。 低速の場合は2レーン隣まで移動できるが、高速の場合は1レーン隣にしか移動できないからな。

低速時と高速時の比較。

更科みどりこ

確かに、高速時のスピードじゃ2レーン分は曲がり切れそうにないわね(^^;)

紫手織ガマズミ

クリアーしたら次のラウンドに進むわ。 ジャマ―マシンの数が増えたりスピードが上がったり、段々と難しくなっていくわよ。

肴倉もろみ

ですがこちらができることは変わりません。 シンプルにまとめられた操作を用い、どのようにドットを取りどのようにジャマ―マシンを避けるのか判断するのが攻略の楽しさですね(^^)

スペシャルモード

ピータン

ここまでの話はオリジナルのヘッド-オンを基にしたノーマルモードについてだ。 しかし1978年のゲームを1991年になってそのまま移植するのでは物足りないと思ったのだろう、本作には新モードとしてスペシャルモードが搭載されている。

肴倉もろみ

スペシャルモードは新たなギミックがたくさん追加されています(^^) まずは踏むと滑る『オイル』から。

オイルでスリップ。

紫手織ガマズミ

高速で踏むとスピン回数がより多くなるわ。 なるべく踏みたくはないけど、やむなく踏む場合も焦らず低速でね。

ランダムで出現する壁。

ピータン

こいつは進路変更を阻む『ポイント』だ。 設置場所がランダムで入れ替わるからタイミングに気を付けよう。

更科みどりこ

進路が限定されて衝突の危険性が上がるけど、上手くやればジャマ―マシンの回避にも使えそうね。

移動する床。

紫手織ガマズミ

『スクロールロード』では動いている方向に少し流されるわ。 具体的に言うと、流れている方向に対して1レーン分強制的に移動させられるのね。

肴倉もろみ

例えば、低速の場合は流されている方向に3レーン隣まで移動できますが、逆側には1レーンしか移動できなくなります。

ピータン

これらのコースギミックはマイマシンにもジャマ―マシンにも同様に作用する。 それとは別に、スペシャルモードにはマイマシンだけが使えるアイテムというものがあるんだ。

アイテム

紫手織ガマズミ

アイテムはコース上にランダムに現れて、獲得したら任意のタイミングで使うことができるわ。

更科みどりこ

ずいぶん種類が豊富ね。 どれも有利に使えそうなものばかりだわ。

肴倉もろみ

パワーやボムの導入はかなり画期的ですね。 というのも本作のオリジナルのシステムでは仕様上ジャマ―マシンを倒すことができず、逃げ回るしかできなかったんです。 それが閉塞感を生んでいた面もあるんですが、解消してくれました(^^)

ピータン

反撃手段を増やして対戦要素を高めていることがスペシャルモードの特徴だな。 このモードでは通信による2P対戦もできるようになっている。盛り上がることは受けあいだ。

カーチェイスの攻防

ピータン

改めて、本作の面白さはマイマシンとジャマーマシンによるカーチェイスの駆け引きにある。 どうすればジャマ―マシンをぶつからないように誘導できるか、常に考えて実践していくギリギリの攻防が夢中にさせるんだ。

肴倉もろみ

失敗した後も、どうすればよかったのかずっと考えちゃうんですよ(^^;) シンプルゆえに熱中度は高いですね。

更科みどりこ

ドットを全部取るっていうのもわかりやすいし、ルールも操作も明快なのはいいことね!

紫手織ガマズミ

車をモチーフにしたのも一目で何をすればいいかわかりやすくて大した説明が要らないから、という意図だったそうよ。

ヘッドオン

紫手織ガマズミ

そうそう、『HEAD ON』という言葉には頭を前にした真っ向からの正面衝突という意味があるの。

肴倉もろみ

ゲームオーバーの瞬間を切り取ったんですね。 なかなか攻めたネーミングです。

更科みどりこ

ぶつからないようにするゲームなのにね(^^;) だけどインパクトは抜群だわ。

ピータン

本作は難しいゲームだ。 ヘッドオンの瞬間にプレイヤーは何度も遭遇するだろう。 しかしその瞬間は、最も気分が盛り上がる瞬間だとも言える。 本作を象徴する上手いネーミングなんじゃないかな。

初稿:2021年1月15日

最終更新:----年--月--日

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