◆プロローグ◆
今も大人気のリラックマがOLのカオルさんの家に居ついたのは2003年のことよ。 ぬいぐるみや文具などの商品化をはじめた当初はそれほど人気が出なかったけど、大人の女性に支持を得たことをきっかけにマーケットを拡大してやがては全世代に受け入れられるようになっていくわ。
社会に進出した女性のストレスを癒したいという欲求にマッチしていたんだろうね。 なんたってそこにいるだけで心安らぐ可愛さだよー♪
だねえ。子供の頃は、私の家にも来てくれないかなぁなんて思ってたよ。
私は家を乗っ取って寄生するタイプの怖い妖怪だと思ってたよ(^^;)
なんでさ!Σ(^^;)
無表情だし、初めて見た時は何か怖かったんだよな。 こういう、意思を持った呪いを振りまく人形ってあるじゃん? リラックマもそういう類なのかなあって。
そ、それはホラー漫画の読みすぎなんじゃないかなー(^^;)
だけどリラックマは着ぐるみで、背中のファスナーの中から水玉模様の布地がのぞいてるっていう設定もあるわよね。 押し入れには着替えがたくさん仕舞ってあるそうよ。
え、それならやっぱり妖…。
妖怪じゃないから!(^^;)
こういう正体不明でミステリアスなところもリラックマの魅力の一つだよね。
可愛いだけじゃない個性がファンを惹きつけるんだよ。
中身の正体はファンの間でも色々な考察がされてるね。
その視線は何を訴えかけるのか。
だいぶ脱線したけど、今回取り上げるのはゲームボーイアドバンスの『リラックマなまいにち』。 家主のカオルさんの立場になってリラックマを写真に収めるゲームよ。
ごろごろだらだらしてるリラックマを観察して、シャッターチャンスが来たらパシャッと撮るんだよ。
こちらの意図を知らずにいつもどおりだらけるリラックマ。
特定のシャッターチャンスをフレームの中央にしっかり収めるのよ。 撮影に成功すると『○』、失敗すると『×』マークが出て知らせてくれるわ。
さっそく横になってゴロゴロし始めたみたいだね。
ここがシャッターチャンスだな。それっ。
赤いフレームの中に至高の瞬間を収めよう。
見事に撮影成功だね。撮った写真はタイトル付きでアルバムに登録されるんだ。あとで何度でも見返すことができるよ。
カオルさんから奪ったというビーズクッションがお気に入りだそう。
そうそう、言い忘れたけどこのゲームには季節があるんだ。 春夏秋冬、好きな季節を選んで始められるよ。
左から順に春夏秋冬。リラックマはインドア派だが、窓の外の風景で僅かに季節感を感じられる。
少ないながら季節限定のシチュエーションもあるのよ。 全部の季節をプレイしないと全部の写真は揃わないようになっているわ。
できればコンプリートを目指してみたいな。
ヘッドバンギングしながらにじり寄ってくるコリラックマ。
リラックマの耳を引っ張るコリラックマ。
くっついてこちらにお尻を向けるリラックマとコリラックマ。
リラックマたちがドットアニメーションで動くのを見られるのは嬉しいねー♪ これだけでもプレイする甲斐があるってものだよ(^^)
リラックマは給仕待ち。
だけど昼過ぎから空腹のシーンばっかり繰り返されるようになっちゃったな。 さすがに可哀想になってきたんだけど、何か食事を与えたりはできるのか?
アイテムの一例。
リラックマにあげられるアイテムの中に幾つか食べ物があるわね。 それじゃあ大好物のホットケーキでも与えてみましょうか。
コリラックマと仲良く分け合って。
アイテムを与えるとこんな風に新しいシャッターチャンスが生まれるよ。 アイテムは全部で20種類あるんだけど、ミニゲームをクリアしないと使えないんだ。 だから次はミニゲームについて説明するね。
4つのミニゲームからそれぞれ5種類、計20種類のアイテムが入手できるんだ。 撮れる写真の総数が40だから、半分はアイテムを使わないと撮れないってことになるね。しっかり集めないとだよ♪
キイロイトリを操作して○か×を選ぼう。
最初に紹介するのは『ダラダラクイズ』。2分以内に○×クイズを5問正解すればクリアだよ。
わりと簡単な問題ばかりだし、制限時間以内なら何回間違えても大丈夫だからこれは簡単だな(^^)
ジャンプの勢いで鍵盤を弾く。
次はお手本通りにピアノを演奏する『ほっこりサウンド』。 間違わずに5回弾けたらクリアだよ。
5回はちょっと多く感じるかもしれないけど、楽譜は常に見えているし事前に実演もしてくれるから易しいね♪
意中の食べ物を狙え。
『たべものルーレット』はルーレットのように回転する5つの食べ物をAボタンで止めるゲームよ。 キイロイトリの所で止まったところの食べ物がもらえるわ。
どれが手に入るかは運次第…と見せかけて、実は欲しいアイテムの2個分手前でボタンを押すと必ず成功するんだよね。 全部のアイテムを取るのに最も時間のかからないミニゲームだと思うよ(^^;)
ゴミの散乱した部屋を綺麗にしよう。
最後は『のんびりおかたづけ』。散らかっているゴミを全部ゴミ箱に入れればクリアだよー。
このゲームはちょっと操作が複雑なのよね。 ここにはリラックマもいるけど操作するのはキイロイトリの方よ。 まずは十字ボタンの左右でキイロイトリを捨てたいゴミの真下まで動かすの。
リラックマは自動的に上下を往復しているから、そのゴミの真横に来た時にAボタンを押すんだ。 うまく縦横の軸が合わさるとマジックハンドが伸びてゴミを掴むよ。 そうしたら今度はゴミ箱の横でもう一度Aボタンを押せば捨てることができるってわけ。
マジックハンドの名手。
1,2回タイミングを間違えるだけで時間制限が危なくなるなあ。 ここだけは練習しておいた方が良さそうだ。
と言うか、それよりも片手でマジックハンドを扱うリラックマのことが気になってしょうがないんだが…。 なんだか表情も虚無だし、謎の往復運動も相俟って言い知れないシュールさがあるぞ(^^;)
まあ、気持ちはわかるよ(^^;)
だけど絵素材がこうなっているからしょうがないところもあるんだよね。
絵素材?
実はこのゲームでリラックマが見せてくれるシチュエーションはどれも、既存のグッズなどで発表済みのものなのよ。 もちろんさっきのマジックハンドもそうよ。
参考画像:リラックマおきらく扇子(おうちゃく)
ゲーム内と同じイラストが使われている。
どのイラストをどう活用するかは制作者のセンスが問われるところだけど、マジックハンドに関しては相当悩んだんじゃないかなあ。想像だけどね(^^;)
へえ、そういうことだったのか。でもなんでそんな作り方にしたんだろ? 別に新しいイラストを用意してもよかったんじゃないか?
そうだね、うーん…このゲームは冒頭でカオルさんのところにリラックマがやってきて、共同生活をしていく中で見つけた仕草を記録に残していくんだよね。私たちはカオルさんを通してリラックマのことを知ることができるから、カオルさんが知らない仕草をは私たちも知らない、つまり商品化されていないっていう解釈はどうかな。
なるほど、そういう狙いならわからないこともないかな。でもいくら既存のイラストとはいえ、全部を知り尽くしてる人なんてそうはいなさそうな気もするけど。
もちろん、全てのイラストを知り尽くしたうえでプレイする人ばかりではないでしょうね。 だけど、このゲームで新しくイラストを使ったグッズをファンシーショップなんかで見つけたら気にならないかしら?
気になるし、買っちゃうかもしれないね。お宝探し的な感覚が味わえてショッピングが楽しくなっちゃうかも(^^)
あえて言うけれど、リラックマに興味がないなら本作を楽しむのは難しいと思うわ。 シャッターチャンスを待つ時間が長いし、ゲーム慣れしていないファンを考慮してかミニゲームの難易度は低め。 写真のコンプリートも効率を優先すれば時間はかからないから、ボリューム不足で退屈に感じてしまうかもね。
だけど興味がある人、すでにファンになっている人には楽しめるゲームだよ。 まったり観察しながらリラックマたちとのふれあいを楽しまなきゃね。(^^)
あのグッズのイラストはカオルさんがこうやって撮ったものを使ったのかなあ…なんて思いを馳せちゃうよ♪
なんだか、このゲームをプレイすればするほどリラックマのことが好きになっていきそうだ。 初めはあんなに妖怪みたいに思ってたはずなのに不思議なもんだな(^^;)
初稿:2020年7月4日
最終更新:2024年09月22日