むむむ〜…(・3・)
やあ、今日もゲームボーイに夢中のようだね。何やってるの?
やあおはよー、今は『ソリテア』に一意専心、無我夢中だよー(^^)
ソリティア…って聞いたことあるな。確かこんなやつだっけ?
ソリティア?
あー、そうじゃなくて、それもソリティアなんだけど、でも違うのー(><)
ソリティアという言葉は本来、ボードゲームやカードゲームのうち一人で遊ぶゲーム全般を指すのよ。
ああ、そういえばそういう話をどこかで耳にしたような気がするよ。 例えば麻雀牌を使った『上海』とか『四川省』なんかもソリティアにあたるんだってね。
そうそう。それで、さっきざらめちゃんが見せてくれたのは正式名称を『クロンダイク』っていうんだよ。
そうなのか、クロンダイクって名前は初耳だなー。
Windowsに標準でバンドルされてるクロンダイクがの名前がなぜかソリティアになっていたから、 日本ではソリティア=クロンダイクだと思ってる人が多いんだよね…(^^;)
近年はきちんとクロンダイクと表記しているケースが増えているから、じきに知識の置き換えが進むんじゃないかしらね。
ええと話が逸れたけど、それじゃあひゅるるちゃんがプレイしてるソリティアは何なのかな?
うん、『ペグ・ソリティア』っていうゲームなんだ。『ペグ・ソリティール』と呼ばれることもあるね。とっても面白いんだよ。
んん…、ソリティールってなんかフランス語っぽい響きだけど。
いいところに気が付くわね、これはフランス発祥のゲームなの。
ざらめちゃん冴えてるー♪
もっともこのゲームボーイ版はイギリス式を採用しているんだけどね。
へえ、フランスとイギリスでは違うんだ?
うん、そのあたりは後で説明してあげちゃうよー。
十字型の盤がペグ・ソリティアの舞台だ。
十字型に張り巡らされた網目の上に黒い丸が置かれているでしょう。 この黒い丸がペグよ。ペグは元々、釘や杭という意味があるの。
ペグは隣り合っている場合に限り、ひとつだけ飛び越して動かすことができるんだ。
ペグを選んで移動させると、頭上を跳び越されたペグは消える。
あ、飛び越されたペグが消えたぞ!
なるほど、こうやってペグを消していくゲームなんだね。
ご明察。ただし、最後のひとつは必ず盤の中央に持ってくる必要があるわ。
最後のペグは中央へ。
終わり方が決まっているんだね。ということはゴールから逆算して考えた方がいい場面も出てくるかも。
結構難しいなあ(^^;)
真っ向から脳みそを使うタイプのパズルだ。
そこが面白いんだよ。 運要素はないから自力で答えを詰めていくことになるけど、そのぶん解けた時の達成感が心地良いよ(^^)
行き詰ったらバックステップ機能で手順を遡ることもできるから、あまり考えすぎないでとにかく攻めてみるのも手よ。
問題数は100ラウンドもあるんだね。なかなか遊び甲斐がありそうだよ。
各ラウンドは順番通りに解かなくてもいいわ。 どこからでも好きなところを選んでプレイできるわよ。
画面左下にある『PAR』の数字はクリアまでの目安にある手数だよ。 これを参考に手順を組み立ててみてね。
このラウンドは5手以内でクリアできることを示している。
ってことはPARが少ないラウンドは簡単なのかな?
それがそうとも限らないのよ。 実は同じペグを連続して動かす場合は合わせて1手としてカウントされるの。 だからPARが少なくても動かす回数が多くなることもあるわ。
そうなんだ、動かす順番も考え抜かなきゃいけないんだね。思ってたよりずいぶんと奥が深いなあ…。
そういえばこのゲームは発売当時ちょっと盛り上がったのよね。 というのも賞金総額1000万円のキャンペーンを展開していたの。
取扱説明書より、懸賞の告知。
い、いっせんまんえん!?Σ(゜Д゜;)
それはまた随分と豪勢だねえ。
うん。PARより少ない手数でクリアすることが出来たら、1問あたり先着10名に1万円をプレゼントするっていう企画だったんだ。 1つでも達成できたらゲーム代を差し引いても大儲けできちゃうねー♪
もっとも問題製作者としてはこれが最小手数のつもりで出題していたようだから、現実的にどこまで懸賞として成立していたのかはわからないわ。もしかすると1問だって達成不可能だったのかもしれないしね。
へえ、でも製作者の意図を超えてクリアするっていうのは意欲を駆り立てられるし、賞金も出るんならなおさらチャレンジしてみたかったな。
こういうお祭り的な企画は楽しいよね(^^)
実際にどれくらい応募があったのか気になるなあ。
そろそろイギリス式とフランス式の違いを説明するよー。 この2つは盤の形が少し違うんだ。フランス式は十字型じゃなくて、この赤丸をつけたところにもペグを置けるようになってるんだよ。
赤く示した箇所を追加するとフランス式になる。
フランス式はペグを置ける場所が4つも多いんだね。 そのぶん問題にバリエーションが作れそうだけど、どうしてイギリス式の方がポピュラーになったのかな?
日本では1907年に出版された『世界遊戯法大全』がペグ・ソリティアを紹介した最初期の書物と言われているのだけど、そこで掲載されているものイギリス式なのよね。これが広まったんじゃないかしら。
『世界遊戯法大全』より引用。当初は本物の釘を使っていたようだ。
置ける場所が多いってことはそれだけ難しくなるってことだろ。 イギリスの人はこれくらいの難易度でちょうどいいって思ったのかもな。
フランス式も難しいなりにやりがいはあるんだけどねー。 このゲームボーイ版はイギリス式の問題しか収録されてないけど、別途フランス式の問題が収録されてるゲームも出てるから興味があったら探してみてね。
わかりやすいルールと奥の深さを併せ持ったペグ・ソリティアはいつの時代でも誰が遊んでも変わらない普遍性が大きな魅力よ。 今回のデジタルゲーム化はその魅力をさらに深める方に作用したわ。
もともと面白いゲームなんだと思うけど、デジタルゲームになるとゲームフィールが向上するからね。ペグを並べる手間も要らないし。
手順を戻すバックステップ機能や最小手数を記録するセーブ機能が搭載されているのも嬉しいところだよ♪
何より多くの問題を手軽に遊べるところがいいな。携帯ゲーム機で遊べるようになった恩恵は大きいと思うよ。
初稿:2022年6月21日
最終更新:2024年09月22日