今回紹介するのはゲームボーイ版『倉庫番2』。その名の通り先にリリースされた『倉庫番』の続編になります。
『倉庫番2』っていうタイトルのゲームは他機種でも出てるんだけど、本作は純粋にゲームボーイ版『倉庫番』の続きっていう意味合いだからそれとは別物なのよね。
まず目を引くのはパッケージに描かれた宇宙空間だろう。 これまでの倉庫番では有り得なかった光景であり、新しい何かを予感させてくれる。
倉庫番と宇宙の取り合わせは意外性が強くて、どんなゲームになるか予想がつかないですね。
その謎はストーリーを始めればすぐに解けるわよ。
デートを楽しむ二人。
ストーリーは前作エンディングから直接の続きとなっている。 一目惚れした女性と晴れて恋人になりデートを楽しんでいたところに、突如怪しい男が現れた。
白昼の誘拐事件。
怪人は女性を攫い、UFOで逃げ去ってしまいます。 これを追いかけるためにはこちらもロケットが必要ですが…。
残された主人公が取った手は…。
ロケットを手に入れるには金が要る、金を稼ぐにはアルバイトだ! …という少々強引な理論で主人公は再び倉庫番のアルバイトを始めることになるわけだ。
ほんの数十秒のデモなんだけど、何度見てもツッコミどころがあまりにも多いわね!(´Д`;)
前作の小さな恋の物語から一転して、いきなり恋人が誘拐されたりUFOが登場したり、次々と想像していないことが起きてビックリしますよね(^^;)
それで主人公はロケットを買うって言うでしょ? 倉庫番の時給がいくらか知らないけど、普通ならそんなもの買えるわけないじゃない!(´Д`;)
まあ、一刻一秒を争う事態なのに悠長すぎるだろうとは思ったな(´Д`;) UFOが存在する世界観なのは良いとして、これは警察などに届け出る案件じゃないかという気はする。
ですが、彼に対してそんなことを言うのは野暮なんですよ。 だって私たちは知っているはずなんです。彼が決して諦めないということを。
会いたい…。
それを言われると確かにそうなのよね。 思えば前作の頃から失敗しても最後まで挫けることのない姿を見てきたのよ。 恋人ができたのも実直なアプローチが功を奏したからだし。
ついにロケットを手に入れた。
終いには本当にロケットを買い付けてしまうからな。 女性への想いが本物であることは伝わるし、ここまで真っ直ぐだと応援したくなるよ。
破天荒なストーリーラインですが先が見たくて進めてしまいますね。 どうして女性が攫われたのか、無事に助け出すことができるのか、最後に待ち受けている意外な結末を見届けてほしいです(^^)
ってことで、パッケージイラストの意味がわかったわね。 まさかストーリー上宇宙に飛び出すことになるなんて思いもしなかったわ。
ですが、舞台は変わってもゲームシステムには些かの変更もありません。 荷物を指定場所まで押して運ぶ、ただそれだけのシンプルなルールです。
黒い点が打たれた場所に荷物を運ぶ。荷物は押して運べるが引くことはできない。
他機種版では例としてディスクシステムの『涙の倉庫番スペシャル』などのようにアイテムの要素が加わって荷物を引っ張ったり2個同時に運ぶことが出来る作品も出てきていたが、本作においてはそのような新要素は取り入れられていない。前作と全く同じルールだ。
グラフィックは僅かに進歩してるけどあんまり変わりないし、パッと見ただけじゃ前作との違いはわからないかもね。
基本的なシステムは既に完成しているので、敢えてそこには手を付けずに新しいステージを楽しんでもらおうということなんでしょうね。ステージ数は前作の108から増量して120となっています。
難易度は前作経験者を意識してか、序盤からやや難し目のステージが続く印象よ。 これは続編ってことで敢えて難易度を高めたんだと思うわ。 前作プレイヤーに向けた挑戦状として受け取ったわよ!
本作は前作からおよそ9か月後というスピード感のあるリリースとなった。 これは余談だが、ゲームボーイ初の続編タイトルでもあるぞ。
リリースが速いのはファンからすると嬉しいですね。 私の場合は前作をおおよそプレイし尽くしたタイミングだったので、そのまま『2』も購入してプレイしていました(^^)
ゲームシステムは一緒だから『2』の方から始めても大丈夫よ。 ストーリーは連続しているけど、単独でプレイしても問題ない範囲だと思うわ。
むしろ、お値段が一緒でステージが多いこちらの方がお得かもしれないですね(^^)
当時の倉庫番シリーズはパソコン版にて大きなネームバリューを確立していたものの、家庭用においては発売されたハードの普及率などの理由によりプレイしたことのない人がまだまだ多いという状況だった。
そこに登場したゲームボーイ版は手軽なハンディマシンとの相性の良さもあり、シンプルで奥深いゲーム性に魅せられた人々が続出しました。
初期のゲームボーイの人気を支えた立役者だったのは疑いようがないわ。 欲を言えばもっと遊びたかったけど、残念ながらゲームボーイでのシリーズ展開はこれでいったん終わってしまうのよね。
その点は他ハードで数えきれないくらいの新作をリリースしてくれたから良しとしよう。 ゲームボーイ版は新たな倉庫番のファンを数多生み出したことに大きな意義のある作品だった。
初稿:2024年05月31日