ファミリーコンピュータ ディスクシステムで展開していたファミマガディスクシリーズの一作、『香港』がゲームボーイ用となって帰ってきました。
ファミマガディスクシリーズはシンプルでのめり込めるというコンセプトを掲げており、ゲームボーイとの相性は良さそうに思える。本作は徳間書店のゲームボーイ参入第1弾のソフトなのだが、選定にあたってはその辺りも考慮されたのではないだろうか。
ルールがわかりやすくて1プレイ当たりの時間もさほどかからない、手軽で携帯機に向きのゲームだものね。 それに字牌しか使わないから、白黒画面でも特に不都合はないし、はじめからゲームボーイ用に作られたのかと思うくらい設計がしっくりくわ。
では『香港』の基本ルールをおさらいしてみましょう。 積み上げられた麻雀牌を『東→南→西→北→白→發→中』の順で取っていき、全ての牌を取ったらクリアとなります。
積まれた牌を崩さないように東→南→西→北→白→發→中の順で取っていく。
その際、牌を崩してしまわないように注意しなければならない。 牌は最下段のものを除き、他の一つ以上の牌に支えられていないと崩落してゲームオーバーになってしまうんだ。
取れそうな牌が見つからないときはBボタンを押せばどれが取れるか教えてくれるから、どうしても困ったら使うといいわ。
手順を戻すバックコマンド。
また、画面左上の次にとる牌を表示したウインドウにカーソルを合わせると手順を一手戻すコマンドが使えます。 1回のプレイあたり10回までの使用制限がありますが、手順を間違えた時に活用するといいでしょう。
クリアすると女の子が祝福してくれる。
このゲームボーイ版はディスクシステム版と異なり、ゲームモードがA〜Cの3種類に分けられている。
モードA。
モードAは積み上げ方のパターンがこの山形の1種類だけとなっています。 制限時間はなく、至って普通にプレイするための練習的なモードですね。
モードBは積み方のフィールドが9つ用意されていて、制限時間を設けることもできるわ。 フィールドはディスクシステム版を踏襲してるけど、あちらは10個あったから1つ減ってるのよね。軽く紹介しとくわ。
モードCはモードBと基本的には同じだが、規定時間内に牌を取れないと新しい牌がどんどん足されてしまうギミックが付与されている。のんびりしているといつまでも終わらなくなってしまうぞ。
プレイに疲れたら『ブロックくずし』で息抜きしてはどうでしょう。 タイトル画面でABボタンを押しながらスタートボタンを押すと隠しゲームのブロック崩しが遊べるようになりますよ。
麻雀牌を破壊していく、ごくシンプルなブロック崩し。
ほんのオマケみたいなものだから作りは至ってシンプルなんだけど、その分余計なことを考えずにすむから気楽に遊べていい気分転換になるわよね。
頭を使うゲームと反射神経を使うゲームでタイプは異なるが、案外相性が良いんだよな。 交互に遊んでいるといつまでも遊べてしまいそうだ。
『香港』はこの後、1999年頃になって原作者の西山鯛介(TAI)さんの手で Macintoshに移植され、フリーソフト『Xian-Gang』として再び甦ることになります。
あいにく御本人のWebサイトは既に閉鎖されてしまったが、ソフトウェアダウンロードサイト『Vector』にはゲームが残っているからリンクを貼っておく。遊べる環境があるなら試してみて欲しい。
動かすために必要な古いMacintoshとHyperCardアプリケーションが必要だから、今となっては難しいだろうけどね…。 西山さんはゲームを作るのが趣味だったみたいで、2024年現在では他に『Wonder-Castle』というゲームが公開されているわ。 これもアドベンチャーとパズルを融合させた解きごたえのあるゲームよ。
城から脱出するためにドラゴン退治をするアドベンチャーゲーム『Wonder-Castle』。
就職されてからはお忙しかったらしく、サイト閉鎖後の消息は残念ながら不明です。 市販されたゲームを考えたということで憧れる存在でしたし、しばらく後にインターネットを通じてまだ活動していることを知り嬉しかったです。 面白いゲームをありがとうございました。
初稿:2019年04月25日
改訂1:2024年07月20日