眠り薬と赤い水

ブロックくずしGB ゲームボーイ|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

ブロック崩し

肴倉もろみ

今回取り上げるのはゲームボーイのブロック崩しゲーム、その名も『ブロックくずしGB』です。

更科みどりこ

ずいぶんと飾り気のないタイトルね。あまりにもそのままと言うか…。

ピータン

俺も初めて雑誌の発売予定で見た時は仮題なんだろうと思っていたな。 ビデオゲーム黎明期の作品であればジャンル名がそのままタイトルとなる作品は珍しくなかったが…。

肴倉もろみ

本作が発売された1995年の年末になると市場の成熟も進み、各メーカーは自社の作品が埋もれてしまわないよう個性を立てることに心を砕いていました。 独自性のある凝ったタイトルが並ぶ中、極めてシンプルなこのタイトルは却って目立っていましたよ(^^)

基本ルール

反射するボールを打ち返してブロックを破壊せよ。

更科みどりこ

ジャンル名をタイトルに冠するくらいだし、画面を見る限りは至ってオーソドックスなブロック崩しみたいね。

ピータン

うむ。自機であるリフレクターを操作して飛び回るボールを跳ね返し、画面内のブロックを全て破壊するとステージクリアとなる。

肴倉もろみ

ボールを打ち返し損ねて画面下に落としてしまうとリフレクターの残機が減ります。 残機は最初は3機あり、スコアが1万になると1UP、その後は2万点増えるごとに1UPします。

ピータン

リフレクターのどの箇所でボールを受けるかによって跳ね返りの角度が変わる。 中央付近で受けると入射角と反射角が同じになるが、端で受けると反射角が大きくなる。 これを意識してボールの挙動をコントロールするんだ。

ブロックの種類

更科みどりこ

そういえば文字が書かれたブロックがあったけど、これはどんな意味があるのかしら?

肴倉もろみ

ブロックはその外観に応じて様々な特殊効果を持っています。 せっかくなので全種類並べてみましょうか。

更科みどりこ

14種類もあるの…これはまた多いわね(´Д`;)

ピータン

一度に覚えようとすれば大変だが、見分けやすく特徴的なものが多いから実際にプレイしてみれば覚えるのはさほど苦ではないはずだ。 あまり身構えずに遊んでみるといい。

アイテム

ピータン

アイテムについてもここで説明しておこう。 アイテムブロックを破壊すると7種類あるアイテムカプセルのいずれかが現れ、リフレクターでキャッチすれば規定の効果が得られる仕組みだ。

ピータン

便利なものも多いが、中には取らない方がいいものもある。 それぞれの効果をしっかり覚えておくことが肝要だ。

更科みどりこ

ふむふむ、個人的にマルチプルやレーザーは欠かさず取りたいところだわ。 一気に壊せるのは気持ちいいもんね(^^)

肴倉もろみ

タイミングによってはアイテムカプセルとボールが同時に落ちてくることもありますが、そのような時は迷わずボールを優先するようにしましょう。ボールを受け損なってミスになるとせっかく手に入れたアイテムの効果も失われてしまいますからね。

ストーリー

肴倉もろみ

さて、本作の最大の見どころは何と言ってもストーリーです。 ステージの合間にビジュアルシーンが挟まれる形で進行していくのですが、メインとなるキャラクターがとても個性的なんですよ。

顔は見せないハードボイルドな『ジョン・高橋』。

ピータン

主人公は賞金稼ぎの『ジョン・高橋』。 ある日彼の前に現れた依頼人はロボットの頭だった。 ロボットは『クワー』と名乗り、奪われた体を取り戻してほしいという。

依頼人のロボット『クワー』。

更科みどりこ

なんだか独特な世界観ね(^^;) セリフから受けるジョンの印象はハードボイルドで事務所の佇まいも現代っぽいのに、突然とぼけたロボットが登場したりしてどことなく妙だわ。

ボスバトル

最初のボスはクラゲの『ヌルー』。

肴倉もろみ

5ステージごとにクワーのパーツを持ったボスが待ち受けており、倒せば取り返すことができます。 ボスには直接ボールをぶつけることでダメージを与えていきます。

ピータン

ボスたちはリフレクターに向けて攻撃を仕掛けてくるので通常ステージではあまり意識しない避けるという動作も必要になってくる。 気を引き締めて挑もう。

更科みどりこ

ボスが撃ってくる弾とボールの見た目が同じなのね。 見分けがつかなくて自分から当たりに行きそうになるわ…(^^;)

肴倉もろみ

それは本当にやってしまいがちなんですよね。 ボールを見失わないように注意していないといけません。

セーブ不可&無限コンティニュー制

タコの”ピエール”とゴーストの”ヒュードロ”。

更科みどりこ

しかしクラゲやらタコやら幽霊やら…ボスにもいろんなやつがいて、ますます世界観が混迷してきたわ。 だけどこうなると次はどんなのが出てくるか楽しみになっちゃう。早く続きが見たいわね。

ピータン

そうだ、言い忘れていたが途中セーブやパスワードのような中断機能はないからクリアを目指すならあらかじめそのつもりでな。

更科みどりこ

えっ、中断して再開できないの?(´Д`;)

肴倉もろみ

はい、電源を入れる度に初めからやりなおしになります(^^;) その代わりコンティニューは無限にできますので地道にプレイすればクリアは可能ですよ。時間はかかりますけどね。

エンドレスモード

ピータン

ストーリーモードの他にはエンドレスモードというものも存在する。 これはステージクリアの概念がなく、一定時間ごとに画面上部からブロックが供給され続けるというものだ。

徐々にせり上がってくるブロック。

肴倉もろみ

ゲームオーバーになるまでどれだけスコアを稼げるか、ストイックな自分との勝負となります。

更科みどりこ

上から新しいブロックがどんどん迫ってきて、だんだん猶予がなくなっていく緊張感が強いわね(^^;)

ピータン

気持ちはわかるが焦ってはいけないぞ。 なにせ自機とブロックの距離が近くなればなるほど比例して難易度は上がっていく。ピンチの時こそ動じない精神が肝要だ。

肴倉もろみ

経験から積み上げた実力がそのままスコアに出るゲームですからね。 だから次はもっと上手くできるかも…と思って何度でもプレイしちゃうんです。

極めてオーソドックスに

肴倉もろみ

日本国内においてブロック崩しというジャンルは1970年代後半から1980年代にかけてアーケード市場を席巻しました。 ブロック崩しゲームの製作を通して得た技術と資金を基に会社を拡大させていったメーカーも多いんですよ。

ピータン

それだけにブロック崩しのゲームは有名どころが多数存在する。 同じゲームボーイでも任天堂がローンチとして『アレイウェイ』を出していたし、このタイミングであえて『ブロックくずし』というタイトルを名乗ったのには少々驚いたものだ。

更科みどりこ

原点回帰ってやつかしら? だんだんとタイトルから内容が想像しにくいゲームも増えてきていたから、敢えてこんなネーミングにしたのかもしれないわね。

肴倉もろみ

変に凝ったタイトルをつけるよりストレートに伝わりやすいのは確かですね。 内容もブロック崩しをやりたくて手に取ったユーザーなら満足できる完成度だと思います。

ピータン

ゲーム性に大きな特徴はないが手堅い作りとなっており、シンプルなブロック崩しの良さが存分に出ている作品だと言えよう。

更科みどりこ

本質がオーソドックスな分、ストーリーモードは世界観で個性を出してきたってことかしら。 主人公のジョン・高橋は格好いいんだけど隙もあるし独白は面白いし、私もなんだかすっかりファンになっちゃったみたい(^^;)

依頼人クワーを巡り深まっていく謎…ジョンが辿り着く結末とは。

初稿:2021年05月16日

改訂1:2024年05月11日

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