眠り薬と赤い水

ドクターマリオ ゲームボーイ|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

ファミコンとの同時発売

ピータン

任天堂のパズルゲーム『ドクターマリオ』が初めてリリースされたのは1990年7月27日のことだ。 この時にはファミコン版とゲームボーイ版が同時発売されている。

『ドクターマリオ』はカプセルとウイルスの色を4つ揃えて殲滅するパズルゲーム(画像はファミコン版)。

更科みどりこ

色を揃えるゲームをモノクロ液晶のゲームボーイで出すっていうんだもんね。発売前はちょっと懐疑的になったものよ(^^;)

肴倉もろみ

そんなことを言って、みどりちゃんはゲームボーイの方を買ってましたよね?

更科みどりこ

まあ…こっちの方が値段が安いからね!
懐事情ってやつよ(^^;)

ピータン

だがわりと重要なことだよな。 同じゲーム内容が楽しめるのならば、安い方が嬉しいに決まってる。 ドクターマリオはファミコン版が4,900円でゲームボーイ版が2,600円と2倍近い差があった。 どちらを購入するか値段で決めるのは真っ当な判断基準だろう。

更科みどりこ

ゲームボーイ版はモノクロで見にくくなるだろうし、値段も安いからそこまで期待してなかったのは事実だけど…。 そんな不安も一回遊んだらさっぱり解消されたわよ。

3色の視認性

肴倉もろみ

結論から言うと視認性は問題ありませんでした。 黄・赤・青のウイルスは黒・白・グレーで鮮明に表示されています。

モノクロだが識別しやすい配色。

ピータン

グレーが色の階調ではなく黒と白の斑となっているのがポイントだな。 こう聞いただけではわかりにくいだろうが、実際に目の当たりにするとこれが存外見やすいんだ。

更科みどりこ

一番の懸念材料が取り払われて、とっても楽しく遊べたわ。 買ってよかったって思うわよ!

ファミコン版との比較

ピータン

なお、他にもファミコン版と違うところはある。 その点の幾つかに注目してみよう。

肴倉もろみ

まずは難易度でしょうか。 ゲームボーイ版はファミコン版よりも少し難しくなっていますよね。

更科みどりこ

厳密にはビンの中のフィールドが1段低くなってるのよ。 そのせいでファミコン版と同じレベルでも窮屈に感じてしまうのよね。 レベルが低いうちはあまり意識しなくていいんだけど。

ピータン

ではウイルスが最大数となるレベル20の画面を見てみよう。 このように余裕が少なく、縦に4つ並べるのがそもそも難しいのがわかるな。

ゲームボーイ版は天井までの距離が短い。

肴倉もろみ

ファミコン版では初期配置でカプセルを3つ縦に並べられるだけの隙間が用意されているのですが、2つしか置けないゲームボーイ版では並べ方を工夫する必要があります。

更科みどりこ

横から消したり下から差し込んだりね。 これが難しいんだけど、色んな消し方を覚えられるから結果的に上達は早いかもしれないわよ?(^^;)

デモ画面

ピータン

デモシーンの出現条件も異なっている。 ファミコン版では速度がMIDかHIのレベル5,10,15,20またはLOWのレベル20をクリアした際に流れたが、 こちらではHIのレベル5,10,15,20またはMIDのレベル20で流れるようになった。

更科みどりこ

ご褒美ともいえるデモシーンの出現条件が厳しくなったのも難易度上昇を印象付けているんじゃないかしら。

肴倉もろみ

デモシーンの内容も一新されています。 ファミコンでは3匹のウイルスがいたのは大きな樹の上でしたが、ゲームボーイ版では海底になりました。

静かな海底でウイルスたちは何を待つ?

ピータン

デモシーンが変化したことで、どちらかの機種でプレイ済みであってももう一方でプレイするモチベーションが生まれている。 最難関であるHIでのレベル20クリア時のデモはファミコン版とは違った意味で意表を突いた内容となっており、こちらも必見だ。

BGM

更科みどりこ

もうひとつ、BGMの変化についても言っておきたいわ。 曲自体は『FEVER』と『CHILL』の2曲で変わりないんだけど、FEVERの方はループ前のフレーズが少し追加になっているの。

肴倉もろみ

とても印象的なフレーズなのですが、ファミコン版では聞けないんですよね。なのでこちらで存分に聞き倒しちゃいましょう。

ピータン

またゲームボーイ版だけの要素として、4連続消しを成功させると特別なBGMに切り替わるという演出もある。 狙って発生させるのは生半ではないが、とても盛り上がる曲なので挑戦したくなってしまうな。

任天堂第1開発部の矜持

肴倉もろみ

ファミコンとゲームボーイで同時発売されたドクターマリオですが、日本国内だけ見ても合わせて約361万本を出荷する大ヒット作となりました。

ピータン

その内訳はファミコン版が約153万本、ゲームボーイ版は約208万本となっている。 つまりゲームボーイの方が良く売れたわけだ。

更科みどりこ

ゲームボーイ版の方が売れたっていうのは意外だったけど、理由はいくつか考えられるわね。最初に話した値段の違いもあるでしょうし。

肴倉もろみ

内容が手軽に楽しめるパズルゲームだったということも大きいでしょうね。 いつでもどこでも遊べるゲームボーイの利点が活きました。

ピータン

ドクターマリオを開発した任天堂第1開発部はゲームボーイを開発した部署でもある。 カラフルにせずとも内容の面白さだけで勝負できるんだという矜持を見せつけてくれた作品だった。

初稿:2024年09月22日

最終更新:----年--月--日

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