1986年11月にディスクシステムでリリースされた『ムービング・パズルゲーム』の『きね子』。 絵が動くジグソーパズルとも言える斬新なゲームシステムがパズルファンの支持を得て一躍人気作となった。
開発元のアイレムはその成功を予期していたのか、リリース前から既に続編の開発は進んでいたようです。 続編『きね子U』の存在は1作目のリリースから数日を開けずに行われました。
1作目の発売日から3日後に発売された雑誌に掲載されていた広告より。
あまりにも早い続編発表にファンは驚いた。
『きね子』は面白いゲームで飽きずに遊んでいたけど、ステージ数が10個っていうのは若干物足りなくも感じていたのよね。 早いタイミングで続編をリリースしてくれたのは素直に嬉しいわ。
注意すべきは販売形態の違いだな。1作目はパッケージ販売専用だったが、Uは逆に書き換え専用となっていた。 存在しないUのパッケージ版を探してショップを彷徨ったという話は当時よく聞いたものだ。
ステージ1:レーダー
こちらが新ステージ1の『レーダー』です。 あまり動かない部分が多く、中心のレーダー波も規則的な動きをしているため向きが判別しやすいですね。 初めてプレイする人はまずこのステージでシステムに慣れてみましょう。
ステージ2:ミルク・クラウン
ステージ2はミルクの一滴が作り出す王冠が美しい『ミルク・クラウン』よ。 遠近法で表現されていて、大きい粒は手前で大きなクラウンに、小さい粒は遠くで小さなクラウンになることを意識すればいいわ。
ステージ3:アスタロス
ステージ3は巨大な宇宙要塞『アスタロス』だ。 下部から触手のようなものが伸びていてなんだか気色悪いな。 左から右にゆっくり移動するが、出現するたびに高度が変わるため惑わされないようにしよう。
ステージ4:ハタオリ
ステージ4は『ハタオリ』(機織り)です。 経糸と緯糸が紡ぎだす美しい模様に目を奪われますね。 カラフルなおかげでピースを置く場所の目安はつけやすいと思います。
ステージ5:スペース・アンリミテッド
ステージ5は『スペース・アンリミテッド』。 まるで3Dシューティングみたいな奥行きのある映像ね。 上下の縞模様の色が逆になっていることに気が付いたかしら? それがわかればどちらかに割り振れるわ。
ステージ6:トマト
ステージ6の『トマト』。その名の通りトマトがただただ落ちてくるシュールなステージである。 ピースの方向を合わせやすいため比較的易しめとなっている。
ステージ7:ビリヤード
赤白3個ずつの球が転がり続ける『ビリヤード』です。 球が壁際で反射するので、どのピースが壁際なのか見分けてから組み立てるといいでしょう。
ステージ8:ポリゴン
ステージ8は『ポリゴン』。多角形を意味する英単語ね。 画面がどんどん三角形や四角形や八角形やらで覆われていくわ。 難易度はともかく原色の点滅が目に優しくないから、あまり根を詰めずに休憩を多めに取りましょうね。
ステージ9:ヨーチエン
ステージ9は『ヨーチエン』だ。 これを初めて見たときは唖然とした…。 なにせ姿かたちの同じ子供たちがマスゲームをしているんだからな(´Д`;)
みんな同じような動きをするから、どこから手を付けていいか困るのよね。 まずは上下の向きを整えるところか始めるといいわ。
面食らうこと必至の48ピースモード
次に左右の向きですが、園児の左右の幅が違うことを利用して揃えていきましょう。 しかし向きを整えてもパーツの繋がりを見つけるのは地道で根気のいる作業です。おそらく前作と今作を通じての最難関ステージですね。
ステージ10:レーザー・ファイター
さて、Uもいよいよ最後のステージね。 タイトルは『レーザー・ファイター』。レトロな横スクロールシューティングのような画面よ。 このステージには最終面に相応しく特別なギミックが施されているわ。
このステージでは十字キーで自機を移動し、ボタンでレーザーを撃てるんだ。 つまり本当にシューティングゲームとして遊べるわけだな。
自分で操作することで各ピースの繋がりを把握しやすくなるので、攻略するうえでも重要な要素になっていますね。 2プレイヤー側のコントローラーでも操作できるので、ゲームオーバーにならないようにパズルを完成させるという遊び方もできますよ。
は?(´Д`;)
フィールドがバラバラに分かたれて、自機の位置も向きもわかんない状態でパズルを組み立てながらシューティングしろっていうの?
そんなの流石に無理がすぎるんじゃない?
確かに超絶な難易度になるし、無理にチャレンジする必要はない。 本作における究極のやり込み要素になるだろうから、もし達成できたら自慢していいぞ。
う、うーん…確かにそんなことができたら凄いだろうけど…。
史上最難関のシューティングゲーム。
いや無理無理!(゜Д゜;)
以上、全10ステージを紹介しました。 前作と同じゲームシステム・操作性ではあるものの絵が一新されたことでフレッシュな気持ちで遊べますね。
バリエーションが豊富なのもそうだけど、Uでは『レーダー』や『トマト』みたいな易しめのステージが増えた半面、とっっっても難しい『ヨーチエン』があったりして難易度の幅が広いのも特徴ね。
1作目がパッケージ専用だったために安価に書き換えできるUを先にプレイしたというプレイヤーも一定数いたようだから、Uが初心者でも入りやすいようなバランスになっているのは評価点だな。
安価に書き換えできるのはディスクシステムの利点ですものね。 願わくばこの後もこのような形で続編が続いてほしかったのですが、この2作だけで終わってしまったことが残念です。
絵が動くジグソーパズルっていうゲームシステムは面白いからもっと遊びたかったんだけどね。 まあ他ハードでは続編が出ているんだけど、コンセプト的にディスクシステムに向いてる作品だったからとりわけ惜しいと感じてしまうわ。
しかし本作のフォーマットは優秀であり、後の時代では他社からも似たゲームが数多くリリースされるようになって一大ジャンルを築いていく。 この功績が色褪せることはないだろう。
初稿:2020年6月23日
改訂1:2024年07月04日