今回はファミコンのパズルゲーム”ヨッシーのたまご”を取り上げよう。 マリオファミリーのヨッシーを初めて主演に起用した作品だ。
ヨッシーは前年1990年に発売されたスーパーファミコンのローンチソフト、”スーパーマリオワールド”で初登場したキャラクターです。
デビュー作のパッケージで中央を飾るヨッシーの雄姿。
スーパードラゴンを自称して、マリオ達を背中に乗せて邪魔する敵を食べたり、トゲの上を平気で歩くことができる強力なサポートキャラだったわ。
実はドラゴンじゃなくてカメ族らしいがな。 近年の公式設定によれば、背中にあるのは鞍じゃなくて甲羅なんだそうだ。
そうそう、それを聞いたときはビックリしたわ! わりと知らない人もいるんじゃないかしら。
スーパーマリオワールドの取説では確かにドラゴンと呼ばれていたのだが。
可愛らしい外見と強力なサポート性能で親しまれ、この後マリオシリーズを代表するマスコットキャラクターに成長していきました(^^)
初登場した次の作品である本作でいきなり主演に抜擢されたことが当時からの人気の高さを示しているな。
積み上がる敵キャラ。
こちらが本作のゲームフィールドです。 クリボーやゲッソー達のお馴染みの敵キャラがトレイに積み上がっていますね。
キャラは上から落ちてきて、同じキャラを縦に2匹重ねると消えるわ。 いわゆる落ちもの系のパズルゲームね。
一般的な落ちもの系と違うのは、落ちてくるキャラを動かすことができないというところだ。 下でマリオがトレイを支えているだろ?プレイヤーが操作するのはこのマリオの方なんだ。
マリオを操作してトレイを入れ替えよう。
マリオが隣り合ったトレイを入れ替え、降ってくる敵キャラを受け止めて消していきます。 ラインより上まで敵キャラが積み上がるとゲームオーバーです。
”上たまご”と”下たまご”。
それで肝心のヨッシー要素なんだけど、ただ右下の方で立ってるだけじゃないのよ。 落ちてくるキャラクターの中に卵のかけらが含まれているのがわかるかしら。
卵の中からヨッシー誕生。
下たまごの上にキャラを乗せて、上たまごで挟んでみましょう。 組み合わさってひとつの卵となり、中からヨッシーが誕生します(^^)
挟んだ数によって生まれるヨッシーの種類が変わり、多いほど高得点になるぞ。
ただキャラを2体重ねて消しただけでは5点しか入らないので、得点の高いヨッシーを生み出すことがハイスコアを目指す要点になってきます。
モード選択画面。
本作のゲームモードは1人用と2人用に、1人用はさらにAタイプとBタイプに分かれている。 まずはスタンダードなAタイプを見てみるとしようか。
Aタイプはゲームオーバーになるまで続くエンドレスモードよ。
孵した卵の数をカウントしている。
ヨッシーの吹き出し内に表示されている数字は孵した卵の数です。 10個以上孵すとゲームオーバー後にボーナス画面が現れるので、まずはそこを目標にするといいでしょう。
キャラが40回落ちるごとにレベルが上がり、落下速度がどんどん速くなっていく。 到達できたレベルが実力の目安だ。
アイテムが孵化するボーナスデモ。
100個以上孵すと右下のヨッシーが踊りだす仕掛けもあるわ。 ここまで来るのは難しいけど、とっても可愛いから一度は見てほしいわね。
大台到達の興奮で踊りだすヨッシー。
しかし急いで卵を作ることとハイスコア狙いは相反する要素だから、目的を持ってプレイするといいだろう。
スターヨッシー狙いに取り付かれたプレイスタイル。
ハイスコア狙いだとスターヨッシーを狙って極限まで積み上げるプレイに走りやすいですからね(^^;) このスタイルで長時間プレイするのは大変なので、100個孵すことを目的とするなら積み上げる数は程々にするのが良いでしょう。
高得点を狙うとゲームオーバーの危険が高まるルールだからな。 リスクを冒して大きなリターンを得る楽しさがシンプルに凝縮されているんだ。
スタート時からキャラが積まれている。
Bタイプは面クリア型のモードだわ。 画面内にはじめからキャラが積まれてるから、それらを一掃すればクリアよ。
Bタイプでは面クリアごとに、ヨッシーが何かを食べるデモシーンを見られます。 26面を最後に食べるものが変化しなくなるので、そこまでがひと区切りになりますね。
スーパーキノコを食べるヨッシー。クリアボーナスとしてスコアも増える。
しかしこのBタイプは人によって好き嫌いが分かれる。 システム上、最後は残ったキャラと降ってくるキャラがたまたま一致するまでクリアすることができないからだ。
どのキャラは降ってくるかはランダムですから、運が悪いと最後のところで長い時間待ち続けることになってしまうんですよね(^^;)
実際のところ、Bタイプのプレイ時間の半分くらいは最後の待ち時間だもんね…。 それがもどかしく感じることもあるし、人を選ぶってのは間違いないわ。
待っている間はじりじりとした気持ちになるが、欲しかった組み合わせのキャラが出てきたときの嬉しさは格別だ。 そこに楽しみを見出せるかどうかだな。
マリオVSルイージの争い。
2Pゲームはプレイヤー対戦用のモードです。 Bタイプのルールをもとに、どちらかが先に全てのキャラを消すかライン上まで積み上げて負けるまでプレイし、3ゲーム先取した方が勝利となります。
特殊ルールとして、卵に挟んだキャラの数だけ相手に追加で降り注ぐようになっているぞ。
卵で挟んでキャラを送り込め。
これをやられて全部の列で一度に降ってくるのが怖いのよ。 だからあまり多く積んでおきたくないのよね(^^;)
そこは駆け引きだな。 多く積んでおかないと相手に送り込める数も減ってしまう。 相手が卵を作れる状態になければ問題ないし、むやみに消すのではなく勝負所を見極めつつ消していかないといけない。
初期配置も降ってくるキャラもランダムで、さらに1P側と2P側でも一致しないのでわりと運に左右されるところもありますね。
稀にだけど、たまたま初期配置のキャラと降ってくるキャラが一致しちゃってすぐに決着がつくこともあるしね。
ある程度の偶然性を取り込んだことで、単に上手い方が勝つのではなく、実力差があっても時には勝てるような調整がなされているようだ。これも人を選ぶ要因かも知れないな。
最後にBGMについても触れておきましょう。 1人用のゲームではプレイ中のBGMを3つのうちから選択できるようになっています。
好きなBGMを選曲しよう。
オーソドックスなキノコ、静かな雰囲気のフラワー、アップテンポなスターの3曲だ。 その時の気分次第で使い分けるといい。
BGMをオフにすることもできるわよ。 BGMは鳴らないけど効果音は鳴るから、これはこれで趣があるわよね。 何よりヨッシーの鳴き声がはっきり聞きたいならこれだわ。
対戦モードではまた別の専用曲が流れます。 集中力を高めてくれる1人用の音楽とは違い、いかにもバトルという感じで盛り上げてくれますよ(^^)
基本的には降ってくるキャラをただ消していくシンプルなゲームなのに、不思議に夢中になっちゃうのよね。
ルールがシンプルであまり複雑なことを考えなくていいしな。 ちょっとした時に軽く遊ぶにはもってこいだろう。
演出の力も大きいと思います。 トレイを回転させる際のねじれる動きや卵ができるときの効果音が心地よくて、それを味わいたくなるんですよ(^^)
そのねじれる動きだが、実はCPUの処理落ちなんだ。 ファミコンの性能では2つの列を同時に入れ替えることができずゆっくりねじれるような動きになってしまうのだが、この言わば欠陥のような処理を敢えて利用し他にない面白さを生みだしたところは見事だな。
意味もなくクルクル回したくなるもんね。 ルールがわかりやすくて操作感が面白いんだから、つい手を伸ばしたくなっちゃう傑作よ。
初稿:2020年11月12日
改訂1:2024年05月11日