◆プロローグ◆
今回はme2oさんよりリクエストをいただいて、ファミコン版の『ツインビー』を紹介します(^^)
ツインビーなら、もろみの得意分野じゃないか?
得意かどうかは置いておいて大好きなゲームですね。 初めにテレビコマーシャルを見て魅せられました。 背景に描かれた青空や島が綺麗で、キャラクター達も野菜や果物がいっぱいいたのがとても印象的で。
青い海と緑の島の対比が輝く。
当時のシューティングって宇宙で気色悪いエイリアンと戦うようなシリアスなSFが主流だったけど、ツインビーは全く違ったもんね。 パステルカラーが鮮やかに映えるグラフィックスは本当によく目立っていたわ。
TVCMは人気番組の合間に流されたため視聴の機会が多かった。『イチゴだカニだピーマンだ。負けるなツインビー、どんぶり島を取り戻せ!』というフレーズを覚えている人もいるだろう。知名度向上にも大いに貢献したようだ。
当時はファンシーなゲームが少なかったのでそれはもう期待しまして。 もらったばかりのお年玉を握りしめて買いに行きましたよ(^^)
そういえば発売日は1月4日でお正月中だったのよね。私も冬休み中に一緒に遊ばせてもらったっけ。
まずは基本仕様の説明からいきましょう。 本作は縦スクロールのシューティングゲームです。 プレイヤーは腕の生えた戦闘機『ツインビー』を操作し、全5ステージをクリアするのが目的となります。
各ステージの最奥にはボスが待ち構えており、倒すことでステージクリアとなる。 もちろん最後はスパイス大王との直接対決だ。
ツインビーの基本武器はAボタンでの対地ボム、Bボタンでの対空ショット。 敵の編成は空中と地上で分かれていてそれぞれ倒し方が違うのよ。
対対地ボム。
対空ショット。
この対地ボムですが、面白いことにツインビーは両腕でポイっと投げているんです。 戦闘機に腕を生やすなんて奇抜で可愛いデザインですよね(^^)
腕は敵弾を受けると消失してしまう。 腕を失ったツインビーはなかなかの哀愁を感じるな…(´Д`;)
腕なしツインビーと救急車。
腕がなくなるのはただの演出じゃなくて、対地ボムが使えなくなる実害が生まれてしまうの。 これじゃ地上物を破壊できないから急いで救急車で処置しないとね。
救急車は1プレイにつき1度だけ発生する救済措置ですね。 腕を失うとすぐさま画面上に現れて、重なると腕が修復できます。
戦闘機の修理に駆け付けるのが救急車っていうのも妙な話なんだけど、ユニークな世界観に合っているわよね(^^)
本作は残機制を採用しており、ミス後は残機がある限りはその場で復活し再開できるようになっている。
ただし、ミスした時点でそれまでに得ていたパワーアップは失われてしまいます。 できるだけ無理はしないようにしたいですね。
今回はリクエストに従ってファミコン版を取り上げることとするが、ツインビーが最初にリリースされたのは1985年のアーケード版だ。 先述のファンシーなグラフィックはもとより、特殊なパワーアップ法や2人同時プレイが可能ということで注目を集めたんだ。
まずはパワーアップシステムから見ていくわね。 本作では空中の雲を撃つと現れるベルの色に応じた効果が得られるわ。
雲から出現するベルに撃ち込むと色が変わる。
ベルの色は始めは黄色で、ショットを5発当てるごとに変化します。 目当ての色になるまで育てる必要がありますが、撃ち過ぎると最終的には蜂に変化してこちらに攻撃をしてくるようになってしまいます。
分身装着中は赤ベルが、バリア装着中は緑ベルがそれぞれ出現しなくなるため、基本的には分身とバリアの併用は不可能だ。 どちらを使うか好みで選ぶと良いだろう。
同時プレイはファミコン版でも健在です。 ツインビーとウインビーが力を合わせて攻略できるようになっていますよ。
これもただ単に同時に遊べるというだけじゃないのよね。 目玉は何と言っても合体攻撃!縦に並べば巨大な弾を撃つファイヤー攻撃、横に並べば4方向に拡散するスター攻撃を繰り出せるようになるわ。
縦に並んでスター攻撃(散弾)。
横に並んでファイヤー攻撃(攻撃力UP)。
息があったもの同士でプレイすれば断然攻略が楽になる。 …まあ、その逆もまた然りではあるのだが。
有用なベルを奪い合ったり、相手の取りたいベルの色を間違えて変えちゃったりしたというのは聞きますね(^^;)
それと片方がゲームオーバーになっても生き残っている方から残機をもらうことができるわ。 あくまでも合意の上で仲良くね。
ああ、残機を取られるのはよくやられましたね。ね?(¬_¬。)
悪かったわね(´Д`;) でも所有者と腕前の差が出るのはしょうがないし、そこは大目に見てほしいわ。 このゲーム、見かけによらず難しいんだしさ。
確かにこのゲーム、見かけの印象に反してなかなか難しいところがある。 雰囲気に惹かれてきたプレイヤーは戸惑ったのではないだろうか。
まずパワーアップが難しいわ。 ベルにショットを当てるって言っても、敵や敵弾を捌きながらやるのは大変なのよね。 撃ったベルは放物線を描いて跳ねるから連続して当てるのが難しいし、連射しすぎて余分に当てすぎることもあるしね。
目当ての効果を得るにはそれなりの数を当てないといけませんし、ベルは撃ち続けないと画面外に落ちていきます。 ベルと敵を同時に捌かないといけないので忙しく、特に初心者は苦労するところですね。
敵の動きは編隊飛行が基本となっており、出会い頭をスムーズに迎え撃てるといいのだが動きがトリッキーだからあらかじめ覚えていないと対処できないことも多いな。
それと、敵弾は全て自機狙いなのも特徴ね。 敵が多くなってくると物量で押されて逃げ場を封じられえるケースが増えるわ。
その状態でミスしてしまうとパワーアップを失ってからの再開となるため、場所によっては立て直しが困難となります。 先述のパワーアップのしづらさもあって、一度のミスがそのままゲームオーバーに繋がることも多いですね。
一見してのんびり楽しく空を飛ぶゲームかなと思ったのに、実際はかなり激しいゲームだったからギャップに驚いたものだわよ。
もっとも、本作が当時の他のシューティングゲームと比較して特に難しいというわけではなく、特徴的なシステムが多いため慣れが必要ではあるがコツを掴むと少しずつ対処できるようになるだろう。
せっかくなので各ステージの情景も簡単に見てみましょう。 どんぶり島は山あり谷あり砂漠あり、豊富なロケーションで目を楽しませてくれます。
どんぶり島の近海。
ステージ1は海上が舞台となる。 ここを率いるのはオニオンヘッド将軍が率いる野菜軍団だ。 イチゴ、ナス、ピーマン、大根などを模した敵が襲ってくるぞ。
画面右の方には陸が見えているわ。 だから地上物は右側にしか出ないってことを念頭に置いとくといいわよ。
強力なバリアーで身を守るオニオンヘッド将軍。
オニオンヘッド将軍は周囲に回転するバリアーを張り巡らせています。 隙間を縫ってショットを当てることになるのですが回転が速いため狙うのが難しく、連射による弾の物量で押し切りたいですね。
ここでパワーアップ状態を失うとショットを1発ずつしか撃てなくなり、攻撃をかき消される確率が高くなり長期戦を強いられることになる。1ミスが生死を分ける分水嶺だ。
ステージ2は緑鮮やかな平原地帯、ここを占領しているのはパラレルディッシュ将軍の台所用品軍団よ。 敵キャラはお皿、フォーク、包丁、鍋なんかがモチーフになっているわ。
襲い来るのは空飛ぶ鍋の群れ。
内陸ということでステージ1よりも地上物が増えています。 ボムの使用機会も増えますので撃ち分けをしっかり意識していきましょう。
無数の円盤を繰り出すパラレルディッシュ将軍。
パラレルディッシュ将軍の攻撃は実にトリッキーだ。 中に十字の入った円盤のような形状の武器『スピン』で攻撃してくるのだが、こいつが画面の至る所から無数に現れるんだ。
スピンは地上から浮き上がってくるんだけど、同一高度になるまでは接触扱いにならないわ。 高度は大きさと色で見分けるの。緑のうちは大丈夫、白になったら接触厳禁。しっかり見極めてね。
荒廃した火山地帯。地面の色が保護色となり地上物のタケノコが視認しづらい。
ステージ3はタイガーシャーク将軍の生物軍団が支配する火山地帯です。 敵モチーフはエビ、カニ、タコ、ゲジゲジ、象などですね。
ひいい、ここのゲジゲジの動きが苦手なのよ!
Σ((((゜Д゜;))))
カサカサと這いまわるように飛ぶゲジゲジ。
ジグザグにゾロゾロ動くからなあ。 こういう虫みたいなのが苦手な人は辛いかもな。 ここまでくると敵の動きが複雑かつ対処が難しいものになってくる。
タイガーシャーク将軍はカエルと共に。
タイガーシャーク将軍は4体のカエルを引き連れて体当たり攻撃を仕掛けてきます。 これまでのボスとは違い、画面下の方まで降りてくるのでぶつからないように注意しましょう。 奥に引っ込んだ時が狙い目ですよ。
美しい丘陵地帯を見下ろして。
ステージ4は丘陵地帯ね。クローデバイス将軍が文房具軍団を引き連れているわ。 ペン先、スタンプ、ビーズ、ハサミ、鎌の化身が襲ってくるわよ。でも鎌って文房具?(´Д`;)
明らかな異物だが、鎌らしく鋭い角度で迫ってくる油断ならないやつだ。 こいつもそうだが、このステージの敵は画面外に去ったと見せかけて戻ってくることがあるため軌道には気を配ろう。
クローデバイス将軍は画面端ワープが特技。
ボスのクローデバイス将軍は画面端でワープする能力を持っています。 左端に行くと右端から、右端に行くと左端から現れて目先を惑わせてきます。
このボスは小型のオプションを引き連れていて、こいつらが体当たり攻撃を仕掛けてくる。 だが本体は移動するだけで何もしてこないので、オプションを迎撃しつつ本体もついでに狙うくらいで十分対抗できるだろう。
占拠された空港を超えて魔の巣の峡谷へ。
いよいよやってきた最終ステージ、敵の総帥スパイス大王のお膝元です。 ここは2部構成になっていて前半は空港、後半は川の流れる谷間が舞台となっています。
ステージ5では電気部品軍団が襲い来る。 ここまでくると敵の物量もこれまでの比ではない。ステージの長さもこれまでの2倍以上あるから気持ちを切らさないようにしよう。
これだけ数で押されたらもうベルパワーアップどころじゃないのよ。 攻撃が激しい地帯でやられたら立て直しは不可能に近いわ(´Д`;)
ラッシュを乗り切るために残機は多めに確保しておきたいですね。 生き残ってさえいればチャンスはあります。
侵略の主『スパイス大王』。
さて、激しい撃ち合いの末にまみえるスパイス大王だが、画面全体を一定速度で時計回りに円運動を続けながら地上から大量のズームヒマワリを撃ち込んでくるのが行動パターンだ。
なんだろう…ここまでの道程が苛烈だった反動なのかしら? 拍子抜けしそうなほど簡単に感じちゃうわ(^^;)
まあこれまでのボスも特段強いというわけじゃなかったが、スパイス大王はとりわけ倒しやすいと思うぞ。
動きがわかりやすいのに加え、安全地帯が多いんですよね。 画面左下と右下のあたりには攻撃が飛んでこないので、ここでショットを撃ち続ければミスなく倒せます。
ここにいれば絶対にダメージを受けない。
ええー、そこ安全地帯だったのね…。 言われてみれば確かにその周辺に位置取ることが多かったけど、全く攻撃を受けないとまでは思わなくて普通に動き回っていたわ(^^;)
もしかすると、初期状態でも倒せるように敢えて弱くしておいたのかもしれないな。 何しろここまで到達すること自体が難関極まる。この戦いこそがエンディングのようなものだと捉えることもできるだろう。
本作は当時のゲームらしくエンディングのようなものありませんからね。 スパイス大王撃破後は余韻を感じる暇もなく、すぐさま2週目が始まります。
2週目と言ってもステージ表記は加算されて6から続いていくがな。 内容も全く同じというわけではなく、敵キャラクターがスピードアップしており更に難しさが増している。どこまで進めるか、どこまでスコアを伸ばせるか。好きなだけ遊び込んでくれ。
本作を語るうえでは音楽面も外せません。 明るくてポップなBGMが実にマッチしてプレイ意欲を掻き立ててくれます。
なかなかクリアできずに同じところばかりプレイすることも多いんだけど、何度もリスタートしちゃうのは音楽の力が大きいわね。 時には音楽を聴きたいがためにプレイしたくなることもあるくらいよ。
音色の良さはもとより、音楽の使い方が凝っている点が多いんだ。 BGMは始めは穏やかだがパワーアップにより勇ましいものに変化したり、ボス戦では途中で残機を1つ失うとテンポアップして緊張感を一層高める仕掛けが施されていたりする。
色んな工夫が本作ならではの心地よい没入感につながっているんですね(^^)
本作は二人プレイができる可愛いシューティングとして話題となり、約100万本を売り上げる大成功を収めました。
当時のシューティングってゲームマニア向けっぽいものが多くて精神的な敷居の高さがあったわよね。だけど本作をきっかけに少しずつプレイするようになったのよ。そういうこともあってわりと思い出深いわね。
もちろんライト層の取り込みは狙っていたのだろう。それにしては難しめの難易度設定ではあるのだが…、アーケードゲームは敢えて難しくすることで集金していたから、その移植であるファミコン版でおいそれと簡単にすることはできなかったのかもな。
制作側としても思うところがあったのでしょう。ファミコン版のヒットによりツインビ―はアーケードよりファミコンの印象が強まったことで2作目と3作目はファミコンで展開されることになるのですが、難易度面では徐々に緩和が図られています。
家庭用だと敢えて難易度を上げる必要はないもんね。遊びやすさを考えた嬉しい配慮だと思うわ。
とは言えこの難しさもこれはこれでいいんですよ。 決して理不尽ではないので練習すればやがては安定的に進めるようになりましたし、初めてクリアできた時の感激は今でも忘れられません。
大切なのはクリアできるかどうかじゃなくて、楽しいかどうかだもんね。 そういう意味での満足度は高かったと思うわよ(^^)
本作ならではの面白さは随一と言えるものだ。現在まで移植・リメイク作品が20作以上も出ていることはその証左だろう。
初稿:2024年05月12日