任天堂が2003〜2015年にかけて運営していた会員制サービス『クラブニンテンドー』。 任天堂ハードに対応したソフトを購入したりアンケートに答えるとポイントが貰え、そのポイントをオリジナルグッズと交換することができたのじゃ。
グッズの種類は実に多様で、任天堂キャラクターをあしらったピンバッジやハンカチなどの小物をはじめ人気の高いところではサウンドトラックやここでしか手に入らないゲームソフトもありました。
どれも気になって目移りしちゃうんだけど、一人が貰えるポイントなんて限界があるし決めるのにはとても悩んだものだわ。(^^;)
今回はその数あるラインナップから一冊の書籍を取り上げてみようと思う。
オリジナルグッズ唯一の絵本、『スーパーマリオ ひらいて だあれだ』です(^^)
わずかに帽子が見えている。
ページを開くと、読者に対して問い掛けがなされる。 『土管の中にいるのは誰だ?』。 マリオという存在を知っているなら問題なく答えられるじゃろう。
飛び出すマリオ。
右のページを上に開くとマリオ土管の中から飛び出しました。 この本は仕掛け絵本になっているんです(^^)
ヨッシーの舌が狙うのは?
このページはヨッシーね。何かの果物を食べようとしているわ。
ヨッシーの好物はリンゴ。
ふむ、正解はリンゴじゃな。 このように読者に何が起こるのか想像させるのがこの本の作りなのじゃ。
絵本には読み聞かせるタイプのものもありますが、この本に関してはストーリーはありません。 めくって遊ぶものになっています。
対象年齢は2〜3歳くらいかしら? その年齢だとまだゲームで遊ぶのは難しいでしょうし、これくらいでも十分楽しめそうだわ。
実際にこの本を幼児に与える様子を見たことがあるが、実に楽しそうにめくっていたぞ。 めくることで場面が変化するのが面白いようじゃった。 ゲームだとボタンを押して起きるようなことが本のページをめくることで起きているんじゃな。
ゲームの入門編を兼ねているのが任天堂らしいわ。 マリオありきじゃなく、絵本の遊びを通じてマリオについても知ってもらおうっていう魂胆なのかもね。
しかしコンセプトは面白いのだが、残念なことにこの本の出回りはあまり多くないようなのだ。 他にも魅力的な景品が溢れていることもあり、この本を優先して欲しがる加入者は限られてしまったようでな。
大体の加入者はゲームを購入してプレイできる年齢のはずですし、限られたポイントの中で低年齢向けの絵本を優先して引き換えるのは躊躇ったのかもしれませんね。
自分の子供や親戚の子、知り合いの子にあげるくらいかしら。 私も今回のような機会がなきゃ読むことはなかっただろうし。
出回りの悪さは引き換え開始からサービス終了までが近かったことも要因じゃろう。 2014年9月11日に景品としてラインナップされたのじゃが、わずか数か月後の2015年1月20日にクラブニンテンドーのサービス終了決定が告知されたからのう。
その際、2月1日以降発売のゲームソフトにはポイントが付かなくなることも合わせて告知されました。 告知からポイント付与停止までの期間が10日と短かったため、加入者はポイント不足に悩むことになるんですよね。
あくまで新作ソフトに対するポイント付与の話だから、旧作を買えばポイントは付いたんだけどね。 だけど旧作はポイントが少なめになるシステムだし、私は『いつかポイントが貯まったら引き換えよう』って考えてたものはいくつか諦めたわ(^^;)
特に、終盤に追加されたグッズは欲しい人達に十分行き渡ったとは言えないですね。 この本もそのひとつになってしまったのは残念なところです。
任天堂はゲーム人口の拡大を合言葉に広い世代へゲームを受け入れてもらうための施策を打っており、この本の内容からもそうした意図は感じられるな。
この本はちょっとタイミングに恵まれなかったけど、触れた子供たちにはしっかり伝わっているといいわね。
このような施策をいくつも続けていくことが未来に繋がっていくんだと思います。 これからもゲームファンを増やしてくれる様々な取り組みに期待したいですね(^^)
初稿:2021年02月19日
最終更新:2024年09月22日