〜♪
やったぁ、10万点♪
あー、やっぱりこんなところにいたよ。
またグンペイか?
そうだよ、わんだーすわーん、だよ♪
『グンペイ』は1999年にバンダイが発売したワンダースワンのローンチタイトルだね。
モノクロ画面のゲーム機だな。確か値段がすごく安かった記憶があるぞ。
ゲームハードとしては破格の4,800円だね。 スマートでおしゃれなイメージがあって、携帯ゲーム機として先発のゲームボーイと並び立っていたよ。
わんだーすわん、小さくて軽くてかわいいよー。
そんな白黒画面のワンダースワンで、グンペイは3番目に多く売れたソフトだったんだ。 新規のオリジナルタイトルがロンチでキラーソフトになるなんてちょっと珍しいね。
グンペイは一言でいうと、『線を繋げて消す』パズルゲームだよー。 下からせり上がってくるパネルの上下を入れ替えて左右の画面端をラインで結ぶと、ラインが爆発して消えるのね。
右端の列の途切れたラインを揃えてみると…。
爆発して消えた!
このときラインを分岐させて複数同時につなぐとボーナスで高得点が入るんだ。 爆発が終わる前なら追加でラインを後付けすることもできるよ。
このまとめて消す感覚がやみつきなのよねー。
後付けがポイントだね。 どんどん点数が増えていくのはやってて楽しいよ。 聞いただけだと理解しにくいかもしれないけど、やってみると確かにわかる中毒性があるね。
簡単なルールでここまで熱中できるのはすごいよねー。
ところでさー、さっきからしゃべらない子がいるんだけど。
ざらめちゃーん?
あああゴメン、ちょと借りてやってみたらすっかりのめり込んだみたいだ(´Д`;)
もう、ミイラ取りがミイラになったらだめだよ?(^^;)
だめだよー?
元はと言えば、昼休みが終わっても戻ってこないひゅるるを探しに来たんだぞ!
え…あー、わたし、またやっちゃった?
とっとと行くぞもう!
はーい(><)
『グンペイ』、この一見個性的なタイトルの由来となったのは『横井軍平』という名の人物だ。
横井さんは任天堂で開発部長を務め、ビデオゲーム以前から多くのヒット作を生み出して任天堂の屋台骨を支えました。
ファミコンにはあまり深く関わらなかったみたいだけど、私の好きなゲーム&ウォッチやゲームボーイもこの人が企画したものよ。
その横井さんが50歳になり任天堂を退社、新たに設立した株式会社コトでバンダイと共に立ち上げたのがワンダースワンでした。
しかし、まもなく横井氏は交通事故で亡くなる。 ワンダースワンが発売される1年半前のことであり、実際の製品にどこまで氏の意向が反映されているかはわからない。 だが単3乾電池1本で30時間という燃費の良さ、縦横自在の画面でゲームフィールドの使い方を広げるなど、幾つか氏の開発哲学を垣間見ることができる。
最後に監修したこのゲームのタイトルが『グンペイ』と名付けられたのは横井さんの死後だったそうよ。 横井さんは自分の名前を表に出すのをあまり好まなかったけど、言わば本作が墓標になったんだわ。
シンプルな点と線だけで奥の深さを生み出した本作はまさに氏の集大成と言えるだろう。 それだけに早すぎる死が残念でならない。もし健在ならワンダースワンは、いやゲーム業界はどのような道を辿っただろうか…。 考えずにはいられないな。
グンペイはワンダースワンのみならず、後の数々のハードでも発売されて高評価を得ます。 2017年を最後に新作が途絶えていますが、願わくばいつでも遊べる定番ソフトとしてそこにあり続けてほしいゲームです。
初稿:2019年6月4日
最終更新:----年--月--日