あの『イエロー・ブリック・ロード』の続編…。本当にやるの?(´Д`;)
気持ちは分かるがまあ聞け。 はじめに結論から言うが、この2作目は贔屓目なしに良作なんだ。 前作のことは水に流してプレイする価値があると思ってる。
ウソー(´Д`;) にわかには信じがたいんだけど。
よほど不信が募ってるようですね(^^;) ならなおのこと、本当かどうか確かめてみたくはないですか。
しょうがない、こうなったら覚悟を決めるわ!
気球でやってきたオズ。
ストーリーはオズの来訪から始まります。 前作で行方不明だったグリンダ姫ですが、実はエメラルドの国を滅ぼそうとする西の魔女に囚われていることが判明し、 救出のために力を借りたいと言うのです。
銀の靴を履いてもう一度エメラルドの国を訪ねて欲しい。 オズはそう言うと慌てた様子で帰って行ってしまう。
こんな簡単に行き来できるなら銀の靴なんていらないんじゃ。て言うか一緒に連れて行きなさいよ!(´Д`;)
吊るされたかかし男。
エメラルドの国に着くと、早速かかし男が吊るされてる現場に出くわす。 ノーム兵にやられたらしいな。助けてやると仲間になってくれるぞ。
かかし男は前作だと最後の最後で仲間になるからロクに出番がなかったのよね、思い出したわ。
しかし今作では主人公といってもいいくらいの扱いになっています。 脳味噌がないので少し思慮が足りず忘れっぽいところもありますが、明るく正義感溢れるキャラクターとして物語を引っ張りますよ。
こんなにいいキャラしてたなんて、前作のパートだけじゃ到底わからなかったよな。
カブ王とノーム兵。
少し進むと、道の向こうからノーム兵がやってくる。 脱走したかかし男を再び捕えようとして戦闘になるが、初戦ということもあって楽に倒せるな。
それより何よカブ王って(´Д`;)原作にはいないわよね?
覚えてませんか?カブ族は前作にも登場していましたよ。 物語に全く絡まなかったので紹介は割愛しましたけどね。
あー!タンスの中に詰まってたりしたわね。 何のためにいるんだって思ってたけど。王なんていたのね。
カブ族はエメラルドの国に古くから住んでいる種族らしい。 そしてカブ王はノーム王に攫われた3人の息子を探していたところをノーム兵に捕えられたようだぞ。
せっかく助けてあげたのに、王様だからって偉そうにしてるわね(^^;)
傲慢なところのあるカブ王と、やや礼儀を欠くかかし男との掛け合いは見ものです。 本作は個性的なキャラクターが織りなす会話が面白いんですよ。
ニヒルな相棒ヒキノバシ。
次に仲間になるのがこのヒキノバシだ。
ひ、引き延ばし?(´Д`;)
ヒキノバシな(´Д`;)カエルのような見た目をした音楽家で、彼の能力が冒険で役に立つ。 自分がどこから来たのか覚えていないというミステリアスさも持っているぞ。
ヒキノバシはニヒルで皮肉屋。皮肉が通じないかかし男とのズレたやりとりはある意味で本作最大の見どころです。 しばらくこのコンビで進むうちにすっかり愛着が湧いてしまったので、中盤でのヒキノバシの負傷リタイヤは非常に残念でした(TT)
なおストーリーはダイジェストで紹介しています。 カブ族の里では、大樹の精霊からこれまで考えもしなかったこの世界の成り立ちを知らされます。
大地の精霊は静かに世界の真実を明かす。
かかし男はピンときてないみたいだけど、これってかなり衝撃的な話よね。 この世界は天界と人間界をつなぐ広場のようなもので、天使が人間に生まれ変わるために記憶をを洗い流す場所だって。 じゃあこの世界の住人は…。
天使は人間界に降りる前、一番大事にしているものを天界に預けておくのだと言う。 『脳みそ』『心』『勇気』を求めていた彼らも…つまりそういうことなんだろう。 昔の記憶がない人々が多い理由がまさかこんなことだったなんてな。
グリンダ姫は最も大事にしていた魔法の力を失っているため、西の魔女の侵攻に太刀打ちできなかったのです。
敵に回ったティンマン。
ようやくティンマンと再開するが、どうやらノーム兵に洗脳されているようだ。 ここは肉体言語で分かり合うことにしようじゃないか。
仮にも友達相手に戦うんだから少しくらい葛藤があってもいいと思うんだけど、すんなり戦闘に入るところはこのゲームらしいわね。
檻に入れられていたライオン。
一方、ライオンもまたノーム兵に囚われていました。 正気に戻ったティンマンと協力して助け出してあげましょう。
ライオンは前回と同じ役回りなのね(^^;) まあ臆病な性格だし、登場人物の中で唯一喋らないし、扱いにくいのかもしれないけど。
おっと、今回ライオンは喋れるようになるんだ。 言葉を取り戻すと共に失われた記憶も戻ったようで、物語を引っ張る存在になる。 見違えたように性格も積極的になるぞ。
人の変わりようにもびっくりだけど、思いのほかハスキーでいい声なのがまたびっくりよ!Σ(^^;)
エメラルド城を目の前にして語り合う3人。
西の魔女との対決を前に3人が語らいます。 自分たちの正体を知り、役割を果たそうと決意する…思わず胸がぎゅっとなるシーンです(TT)
あのかかし男も闘志を燃やしている。 序盤の掴みどころがなく飄々としていた姿を思い起こすとその成長が頼もしいな。
なによ、かかし男のくせに格好いいじゃない…。
とうとう姿を現した西の魔女。
ついに相対した西の魔女は自分の正体を明かします。 グリンダが天界から離れる際に置いてきたのは魔法の力だけじゃありませんでした。 一緒に醜い心も置いてきていたのです。その魔法の力と醜い心が合わさって誕生したのが西の魔女だったのです。
西の魔女は強く、3人は立ち向かうが歯が立たない。 そこに助っ人として現れたのはヒキノバシら、かつて出会い志を同じくする仲間たちだった。
絆の力で助っ人参戦!
もうこれで本当に最後よ、頑張って!
戦いを終えて。
西の魔女は倒れ、エメラルドの国には平和が戻った。 皆は喜びの声を上げ感謝の意を告げる。しかしそこのあの3人の姿はなかった。
かかし男、ティンマン、ライオンは一足先に下界へと向かったようです。 代わりにヒキノバシがメッセージを預かってくれていました。
3人は地上へ向かい飛び立っていた。
そんな、何も言わずに行っちゃうなんて…。 お別れだっていうのに寂しいじゃない。
お別れじゃないさ、彼らは地上で生まれ変わるんだ。 いつかまたきっと会えるさ。
そうですよ、ほら、彼らが向かった先は…。
あっ、あの家…!
さて、これでイエロー・ブリック・ロードの物語は完結だ。 プレイ前の想像と比べてどうだった?
いやもう、驚いたわ(^^;) ストーリーは丁寧に語られるし、ボリュームもたっぷりで盛り上がりもあるし、最後は思わず感動しちゃったもの。 良質な童話を読み終えたような気分よ。音楽もいいし。
ストーリー自体はオズの魔法使いとはあんまり関係ないオリジナルになってますが、うまく新しいひとつの物語に仕立て上げています。この原作とは違うということにまた味付けが隠されているんです。
原作のオズの魔法使いの主人公はドロシーという女の子だが、本作の主人公は名前はおろか姿も見せず、さらには台詞をしゃべることもない。これは主人公=プレイヤーという図式だからだ。
ああそういうこと! だからプレイしていて自分がこの物語を体験したかのような気持ちになれたのね。
そういう意味では全編フルボイスというのも没入感に一役買っています。
前作ではストーリーが短すぎてそのあたりの試みが上手くいっていなかったが、今作では十分に奏功しているな。
これだけ良質なソフトを作ったんですから、やはりプレイステーションやセガサターンでもUを出してほしかったですね(^^;)
このUは家庭用では何故かピピンアットマークにしか移植されていないからな…(´Д`;)
世界で最も売れなかったっていうゲーム機じゃない(^^;)
大人も子供も楽しめるというキャッチコピーなのに、価格や普及率の面で子供に届きにくいパソコンとピピンアットマークでしか発売されなかったというのは返す返す残念です。
今となってはプレイ環境を整えるのは難しいけど、1作目しかプレイしてない人には是非Uもやってほしいと思うわ。 私みたいに印象が全然変わるはずだから。
初稿:2019年9月14日
最終更新:----年--月--日