眠り薬と赤い水

アルル漫遊記Windows95|ゲームレビュー

本誌表紙

本誌裏表紙

CD-ROM

タイトル画面

異空転送

まだアルルそのものには執着してない時期のサタン。

肴倉もろみ

いつものようにカーバンクルの奪還を狙ってアルルにつきまとうサタン。 迂闊に発言した「ちんちくりん」という言葉に激昂したアルルはいきなり最大ダイアキュートからのファイヤーを放ち、冒頭から激しい決戦模様となりました!

三者の必殺技が激突!!

更科みどりこ

その渾身のファイヤーをサタンクロスで迎撃するサタン! そして額からビームを放つカーバンクル!…えっ!?

ピータン

なんと、2人の魔法とカーバンクルビームの衝撃で空間に歪みができてしまった! そのことにひとり気付いたサタンは戦いをやめるよう申し入れるが、もはやアルルは聞く耳を持たないようだぞ!

時空の歪みに呑み込まれていく…。

肴倉もろみ

あえなく2人と1匹は空間の歪みに呑み込まれてしまいました。 やがて気を失ったアルルが目覚めた場所、それは…。

着替えもばっちり。

肴倉もろみ

平安時代の日本だったのです!Σ(゜д゜;)

更科みどりこ

ええーーっ!!?Σ(゜д゜;)

シリーズでは珍しいアドベンチャーゲーム

ピータン

という衝撃的なオープニングから始まるのが今回紹介する『アルル漫遊記』だ。

肴倉もろみ

ぷよ・魔導シリーズでは数少ないアドベンチャーゲームですね。

更科みどりこ

漫遊記ってどうも日本的な響きだなと思ったけど、本当に日本が舞台になるとはねー。

飛ばされたのは平安時代

肴倉もろみ

アルルは魔導力をほぼ失ってしまっており、魔法を使うことが出来なくなってしまったようです。 ただでさえ見知らぬ世界で心許ない道行きをいっそう不安にさせますね。これはなかなか不憫です(^^;)

魑魅魍魎との戦い。

ピータン

しかし、いつものように事件は向こうからやってくる。 平安京には魑魅魍魎が跋扈しているからな。 たまたま拾った不動明王の呪符の力で撃退すると、その様子を見ていた安部晴明が現れた!

おそらく最も名を知られた陰陽師・安部晴明。

更科みどりこ

有名な陰陽師ね!
アルルの魔法はここじゃ陰陽師の術みたいな扱いになるのねえ。

肴倉もろみ

晴明によると、主である藤原道長が何者かの術によって鬼をけしかけられ何度も襲われているので主を守るために協力してほしいということです。 犯人の目星はついているみたいですが証拠がないようですね。ひと眠りしたら道長のもとに向かいましょう。

コンパイル式スターシステム

ペンギン王子あらわる。

ピータン

すでに晴明から話が通っているらしく、道長は快く迎えてくれる。

更科みどりこ

ちょ、ちょっと待って。
道長っていうかこのペンギン、イヴァンじゃないの!?

肴倉もろみ

そうなんです。
このゲームに登場するキャラクターは、ディスクステーションのキャラコンヒットチャート(人気投票)で 上位のキャラクターが成り代わって登場しているんですね〜。

ピータン

晴明もイヴァンと同じジャンプヒーローからのゲストなんだが、気付かなかったか? 3丁目の爺だぞあれ。

更科みどりこ

言われてみればって感じだけど、3丁目の爺は衣装込みでのインパクトの強さが特徴だから こんなフツーの格好してたら気付きにくいわよ…(´д`;)

肴倉もろみ

どのキャラが誰に扮しているか確認するのもまた楽しみの一つですね(^^)

サタン襲来

ピータン

話を戻そう。
アルルが道長を守ることを約束した刹那、あの男が現れる。

道長を襲撃しようとするサタン。一体なぜ?

更科みどりこ

サタンじゃない!サタンもこの世界に!?

肴倉もろみ

同じ時空の歪みに呑み込まれたのですから、考えてみれば自然なことですね。 サタンもやはり魔力を全部失っており、魔力を回復する代わりに道長を殺害するよう何者かに頼まれたようです。 サタンが明かしたその者の名は…道満!

更科みどりこ

道満!
晴明とはライバル関係にあったと言われているあの道満ね。 サタン、道満の式紙にでもなっちゃったのかしら(´д`;)

ピータン

アルルが呪符の力で、晴明が九字の呪文で撃退を試みるが全魔力を失ってるはずのサタンにさえまるで通用しない。 となるとここは、あれの出番しかないな。

肴倉もろみ

2度目のカーバンクルビームですね(^^;)
これでサタンはこの場を退きますが、去り際に明日またやってくると言い残します。

ピータン

ここからのイベントは少し省略するが、サタンの力を封印するために平安京全体に結界を張ることになった。 アルルはそのための協力者を探し出し、準備が整った夜にサタンを封印の中央までおびき出すことに成功する。

肴倉もろみ

あとは封印が発動するまでの時間稼ぎです。さあ、戦闘開始ですよ!

サタンが放つ光弾をクリックして撃ち消せ!

更科みどりこ

アドベンチャーゲームなのに戦闘があるの?(´д`;)

ピータン

戦闘とは言うが、RPG的なコマンドバトルじゃあない。 サタンが放つ光弾を炎で迎撃し、一定時間耐えるだけだ。 以前紹介した『白熱!ぷよりんぴっく』の射撃と同じタイプだな。

肴倉もろみ

この戦闘ですが、光弾のスピードがとっても速くってかなりの難しさなんですよね(^^;)
あくまで噂なんですが、当時のPCの処理落ちを考慮してこのスピードにしたのではないかと言われてました。 その説も頷けるほどの速さですよ。

黒幕のご登場。

ピータン

なんとかサタンの攻撃に耐えきって封印を成功させると、ついに道満がその姿を現す。 道満は晴明の失脚を狙って道長の殺害に加担することにしたようだな。

肴倉もろみ

晴明は最後の力で道満を倒すため、集中するための時間を稼いでほしいとアルルに頼みます。

更科みどりこ

え、この展開はまさか(´д`;)

まさかの連戦。

更科みどりこ

また戦闘なのおおおお!?Σ(゜д゜;)
さっきの3回コンティニューしたからもう腕が限界だっていうのにいいいい!

ライバル対決を制して。

更科みどりこ

腕が、腕がああ…(TдT;)

肴倉もろみ

追加で5回のコンティニュー、お疲れさまでした(^^;)
この術の衝撃で空間の歪みができたらしく、アルルとサタンと1匹は元の世界に帰るべく飛び込みます。 皆との挨拶もそこそこに、それは慌ただしい別れとなりました。

ピータン

しかし目論見通りとはいかず、また別の時代に飛ばされてしまうんだがな…。

異色作

更科みどりこ

アルルの受難はまだ続くのね…。 まだ全然漫遊してないから、そうだろうとは思ったけどさ。

ピータン

この後は源平編、そして幕末編と続いていくんだが紹介としてはここらでそろそろ畳もう。 率直な感想だが、とにかく異色尽くしの作品だったと思う。

肴倉もろみ

アドベンチャーゲームというジャンルを選んだこともそうですが、 その異色さはシナリオ面に起因している部分が大きいと思います。 アルル達は日本史の裏で色々な事件に巻き込まれ、その度に出来る限りのことを頑張るのですが、 その結末は私たちが知るものと変わりがないのです。

ピータン

そうだな、アルルがいくら頑張っても結末としては宇治川の合戦で源義仲は死に、 壇の浦の戦いで安徳天皇は自害し、新撰組は池田屋事件を起こしてしまう。 そのシリアスさに憂鬱な気持ちになる局面もあるだろう。

平家の最期。必死の説得も、安徳天皇達の自害を止めることは叶わなかった。

更科みどりこ

切ないわあ(´д`;)
ぷよ・魔導シリーズでこんな気持ちになるなんて…。

肴倉もろみ

屋外の背景が実写取り込みになっているのには気がついたでしょうか? これもぷよ・魔導シリーズでは他に例がありません。 実写を使うとどうしても雰囲気が暗くなってしまうのですが、 この作品に関しては違和感なく物語に合っているんですよね。

更科みどりこ

見慣れたキャラクター達のおかげで重苦しさが軽減されてるみたい。うまくバランス取れてるんじゃない?

肴倉もろみ

多くの実験的要素が盛り込まれた作品ですが、それゆえにプレイした人の記憶に強く残るものになったのでしょう。 今でもぷよ・魔導シリーズの話題になるとこの作品がよく取り上げられるのはその証左ではないでしょうか。

おまけ:キャラクター表

肴倉もろみ

今回おまけとして、登場するキャラクターのリストを作成してみました。

更科みどりこ

まとめてみると圧巻ねー!
やっぱりぷよ・魔導士シリーズのキャラが一番多いけど、他のゲームからもたくさん出張してるのがわかるわ。

ピータン

実はこれでも脇役を拾いきれてないんだよ(´д`;)
もう出し方を忘れちゃってるキャラもいるしな。だから本当にオマケ程度に思ってくれな。

初稿:2018年9月16日

最終更新:----年--月--日

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