眠り薬と赤い水

カコマ☆ナイトスーパーファミコン|ゲームレビュー

パッケージ表

パッケージ裏

ROMカセット

タイトル画面

亜流クイックス

ピータン

『クイックス』から発展した陣取りゲームは『ヴォルフィード』でひとつの到達点を迎えた。

肴倉もろみ

いっぽうヒット作の宿命か、他社より類似したゲームもいくつか発売されました。

ピータン

有名なところではカネコの『ギャルズパニック』やナムコの『ダンシングアイ』だろう。

更科みどりこ

囲ったところに女の子のイラストが出たり、さらに服が脱げたりするやつね(^^;) まあそりゃ一部で流行るわよねそんなの。

肴倉もろみ

地味なところではWiiで『陣取りアクション! 太閤検地 〜からくり城のナゾ〜』(ペルペトゥーム)というタイトルもありました。

農業×SF×アドベンチャー×陣取りゲーム。

ピータン

今回紹介するSFCの『カコマ☆ナイト』もタイトー以外から出た亜流クイックスと言えるだろう。

肴倉もろみ

製作はデータム・ポリスター。同じSFCでは『負けるな!魔剣道』や『コットン100%』で知られるメーカーです。

ストーリー

◆ストーリー◆

平和で豊かな国、フィールドランド。フィールドランドの人々は働き者で、幸せでした。
しかし、隣りの国のハタラカンの女王ワガママーは、魔法の鏡を使って豊かなフィールドランドの土地と
荒れすさんだハタラカン国の土地を交換してしまいました。
また、ワガママーは国民に愛されているお姫様も人質としてさらい、フィールドランドの金銀財宝を手中に納め、
満足していました。
その時、魔法の鏡が「自分の望みも叶えさせろ」とお姫様を鏡のかけらにしてどこかに隠してしまったのです。
その頃フィールドランドの王様は勇者を探していました。
しかし、見つかったのは遊び人ばかり。しかたなくワガママーの呪いを打ち破ることができる魔法のチョークを
彼らにわたし、フィールドランドとお姫様を救ってくれるように頼んだのでした。

(取扱説明書より)
肴倉もろみ

基本的なルールは『クイックス』と同じです。 フィールド上の敵に当たらないようにラインを引き、エリアを占領していきましょう。

荒廃し赤茶けた土地を魔法のチョークで囲い…。

ピータン

すると囲った部分の背景が変る。 こうやって元の豊かな土地を取り戻していこうというわけだ。

元の緑豊かな大地に。

更科みどりこ

あら、すごく綺麗な景色(^^)
これを見るために頑張りたくなるわね。

ピータン

うむ、緻密に描かれた荒野と絶景の対比は美しい。 奪われたものを取り返したいという動機付けがしっかりできていて、クリアへのモチベーションにつなげているのは上手いな。

キャラ性能

肴倉もろみ

3人のプレイヤーキャラはそれぞれ性能が異なります。 それぞれの特徴を把握しておきましょう。

更科みどりこ

いくら他にいないったって、国の行く末を託すには不安しかないメンツだわね(;'∀')

ピータン

まずはバランスのとれたヒーを使い、慣れたら速度の速いジンに切り替えるのがセオリーだ。 この手のゲームはラインを引くスピードが物を言うからな。

肴倉もろみ

とは言えジンの動きには癖がありますので、詰まるところ自分が使いやすい方を選んでしまえばそれで構わないと思います(^^)

更科みどりこ

カコマルはハイスコア狙いの上級者向けって位置付けかしら。 『クイックス』みたいにボタンで速度を切り替えるんじゃなくて、常に遅いままで固定されるなら使いこなすのは大変そうよ(^^;)

スパークスとボス

ピータン

『ヴォルフィード』で姿を消したスパークスが本作では採用しているところは見逃せないところだ。

更科みどりこ

あら、『クイックス』寄りなのね?

肴倉もろみ

いっぽうラウンドの最後ではボスが登場し、ボスごとに行動や攻略法が違う『ヴォルフィード』らしい特徴も残っています。

様々なボスが待ち受ける。

ピータン

その結果どうなると思う? こちらがボスの動きを見極めながら動きたいが、スパークスがいるから座して待つことができなくなるんだ。

肴倉もろみ

初代『クイックス』におけるボスのクイックスはフィールドを動き回るだけだったのでその動きにさえ注意すれば良かったのですが、 本作のボスは色んな攻撃パターンを持っていて弾を吐いてくるものも多くいます。

更科みどりこ

凄く忙しいゲームになっちゃったのね…(´Д`;)

ピータン

差別化を図ろうとしたんだろう。 この調整が悪いとは言わないが、『クイックス』や『ヴォルフィード』にあった中毒性はだいぶ薄れてしまっている。

アイテム

宝箱の中には何が入っている?

肴倉もろみ

魔法のチョークで取り戻したエリアからは時折アイテムが出現することがあります。 その効果は以下の表のとおりです。

ピータン

どれも便利な効果だが、このシステムにはとんでもない欠陥がある。 何だかわかるか?

更科みどりこ

え?えーと…(´Д`;)
アイテムがどこにあるかわかんない、とか?

肴倉もろみ

それも正しいですね(^^) アイテムは最初は画面上に見えておらず、エリアを占領してはじめてそこにあったことがわかります。 加えて出現するアイテムもランダムなので攻略上当てにすることが難しいんです(^^;)

ピータン

しかし不便になるわけではないから問題としては些細だ。本当の問題点はこのアイテムにある。

魔法の鏡

肴倉もろみ

覚えていますか?助けるべきお姫様は鏡の欠片にされてどこかに隠されてしまっていることを。

更科みどりこ

そういえばそんなストーリーだったわ…。 このアイテムがそうなのね。

ピータン

具体的には16個の欠片に分けられて各ラウンドの宝箱に一つずつ隠されているんだ。

欠片を集めて姫の姿を取り戻そう?

更科みどりこ

…ん、16個ですって? ん、各ステージに一枚ずつ…(−−) 確かこのゲームは全部で18ラウンドだったわよね。 それで16個も集めなきゃいけないですって!?

肴倉もろみ

なかなか難しそうですよね? アイテムは画面上のどこにあるか分からないので、入手確率を上げるために陣地を広く取る必要があります。 それでも入手できるかは最終的に運次第ですから…。

ピータン

また、最初の方のステージは占領すべき面積も少なく、宝箱を一個も開けずにクリアすることも珍しくないんだ。

更科みどりこ

これ、かなりシビアじゃない? 鏡が出なかったら即リセットするくらいの覚悟でやらないとクリアは難しそうよ(^^;)

衝撃の発言

ピータン

いや、それがな・・・。 最後の敵が鏡の欠片を全部持ってるとか言い出すんだよ!(´Д`;)

それまでの頑張りとゲームシステムを否定する衝撃の発言

更科みどりこ

何それ!Σ(゜Д゜;)
それならキーアイテムでも何でもないわあ!

肴倉もろみ

せっかく頑張って集めても、それが無駄と知らされるんですよ…(TДT;) 初めて見た時は放心してその後のプレイに身が入りませんでした。

更科みどりこ

ご愁傷様としか言いようがないわ…(´Д`;)

総評

肴倉もろみ

『クイックス』や『ヴォルフィード』の後を受けて作られた本作ですが、本家との差別化を図りながらも完成度では今一歩及ばずという印象です。

ピータン

完成度の高いものに手を加えるにはよほどのセンスが必要だと言うが、『ヴォルフィード』があまりにも高い壁になっていたことも事実だ。 この難しい試みに挑戦したことに対しては賛辞を贈りたいと思う。

更科みどりこ

深くのめり込むほどではないけど、逆に言えば手軽にプレイできる陣取りゲームということだし需要はあるんじゃないかしら。

初稿:2019年12月14日

最終更新:----年--月--日

← 前の記事へ | 一覧へ | 次の記事へ →

PAGE TOP