◆THE 功夫◆
-PC Engine(HuCARD)-



パッケージ表
パッケージ裏
Huカード
タイトル画面


タイトルTHE 功夫
ジャンルアクションゲーム
対応機種PCエンジン(HuCARD)
発売元ハドソン
価格4,500円(税別)
発売日1987年11月21日




@PCエンジンのローンチソフト?


1987年10月。
飛ぶ鳥落とす勢いで躍進を続けていたファミコンへの対抗馬として
NECホームエレクトロニクスが世に送り出した新ハード、PCエンジン。
その対応ソフト1本目として製作されたのが、今回紹介する
『THE 功夫』なわけだ。

あれ、これロンチだったっけ?
私の記憶だと、本体と同時発売なのは『ビックリマンワールド』と
『上海』の2本だけだと思ったけど。

そのあたりは少し事情がありまして…。
『THE 功夫』はPCエンジンのローンチソフトとなるべく
製作されていたのですが、マスターアップ直前にバグが
見つかってしまい実際の発売は遅れてしまうことになりました。
なのでローンチでこそないのですが、パッケージにはしっかりと
Vol.1の刻印が打たれてありますよ。




燦然と輝く刻印




そうなのね。
あんまり気にしたことなかったけど、
あの番号って発売日順じゃなかったんだ。

そのせいか知らんが、現在の版権元である
コナミデジタルエンタテインメントのWebサイトの説明では
「PCエンジンと同時リリース」なんて平然と書いてあったりする。
もちろん事実誤認だぞ。




A広告塔


ローンチソフトの役割とは何か。
それははハードの性能や魅力を世間に向けてアピールすることだ。
すなわち、既に市場で大きなシェアを得ていたファミコンと比較して
「こんなにすごいんだぞ!」と見せつけて認めさせねばならなかった。
というわけで、まずは画面を見てもらおう。




今までのゲームでは実現できない巨大なキャラクターが目を引いた。


いつ見てもでかい、キャラがでかいわあ!(゜□゜;)

ファミコンでは到底実現し得ない、巨大でリアルなキャラクターが
自分で操作できるというのは衝撃的だったな。
これで一つ目の狙いは成功したと言えるだろう。
PCエンジンというものに期待感を抱かせることができた。

しかしそれはあくまでも第一印象の話。
ここからは、PCエンジンの広告塔として世に送り出された
このゲームソフトが実際にはどのようなものであったのか、
内容について見ていきたいと思います。




B道中面とキャラクター


このゲームの概要を簡単に説明すると、
主人公の“王(ワン)”が邪悪な暗黒大帝に乗っ取られた
中国功夫最大の城“洛陽閣(ルーヤンカク)”の奪還に赴く
…というストーリーの横スクロールアクションだ。

よくあるカンフーもののイメージね。
そのころ流行ってたわよね〜。

中国功夫の使い手である王さんの持ち技はパンチとキック。
内訳は立ちパンチ、しゃがみパンチ、立ちキック、
垂直ジャンプキック、ジャンプキックの5つです。

他に2つの必殺技があるが、ボス戦専用だから
あとで紹介することにしよう。

この王さんを操作して雑魚敵を蹴散らしながら右へ右へと
進んでいき、奥で待ち受けるボスと戦う…というのが
基本的な流れとなります。
これが3×4=12ステージ分あると。

襲い来る雑魚敵とはこいつらのことだ。
画面外から飛んでくる鳥・石・岩・火の玉・扇など多種多様な飛び道具と
フードを纏った戦闘員たちだ。




フード男。





鳥。





石。





岩。





火の玉。


改めて見てもバリエーションに乏しいわねえ。
このフード男が唯一の人型をした雑魚敵って事実が悲しいわ。

そのうえ、フード男は特に攻撃技を持っておらず、
そのまま歩いて突っ込んでくるだけですからね(^^;)

これが唯一の人型とは言ったが、基本色である黒の他に
緑と赤の色違いが存在する。
緑はこちらとぶつかりそうになると一瞬だけしゃがむフェイントをし、
赤は黒と同じ動きだが耐久力が3倍という特徴がある。




しゃがみフェイント緑フード男。





体力3倍赤フード男。


日本には赤は3倍じゃないといけない決まりでもあるのかしらね?(´д`;)

結局のところ、攻撃技らしいものを一切持ってないのが
寂しいですね…(´д`;)

鳥や石などの飛び道具は撃墜するなりしゃがんで
やり過ごすなりしよう。大岩だけは撃破不可だがな。
火の玉は蹴ると逆にダメージを受けそうなもんだが、
問題なく蹴れるぞ。

なんだかなー(´д`;)

ここで注意するのは、地面スレスレで飛んでくる石や岩だな。

先ほど技の説明をしましたが、王さんは下段に当たる攻撃技を
持っていないんです。なのでどうやってもこれらを撃墜する
ことはできず、ジャンプでかわす以外ありません。

なんだかなー!(゜д゜#)




Cボス戦





あんまり功夫っぽくない人。


さて、ようやくボスにたどり着いたな。
ここからは少し功夫らしい戦いにいなるぞ。
とは言ってもリーチの読み合いで打撃を当てていくだけだが。

リーチはパンチよりもキックの方が長いので、覚えておきましょうね。

もったいぶってたわけじゃないけど、そろそろ
必殺技の紹介もしなきゃね。
その名も…。




デカパンチ!







あたた拳!


…なんつーネーミングなのかしら(´д`;)

発動条件だが、デカパンチは2回、あたた拳は3回連続で
攻撃を受けた後にパンチボタンだ。

名前はともなく威力は本物で、デカパンチは相手の体力を3ゲージ、
あたた拳は1発あたり4ゲージ(間合いが良ければ2発当たる)を
一撃で削ることができます。

発動条件がコマンドじゃないのがこの時代らしいわね。

このゲームは残り体力を次のステージに引き継ぐから、
あんまり多用できるものではないけどな。

あくまで逆転の一手として使用するべき技ですね。
決まると気持ちいいのでつい狙いたくなっちゃうんですけど。




Dローンチソフトの使命と代償


さて、こうして進めていくと…いや、とっくに勘づいてるかも
しれんが、このゲーム、容量不足に苦心しているのが
わかるだろう。

まあね、人型の雑魚敵がフード男だけだったしねえ。
それも簡単なデザインだし絵のパターンも少ないし。
それに見て、下は1-1〜1-3までのボスの画像なんだけど。


   

兄弟などという設定ではないようです。


どうよこの使いまわしっぷり!
いきなり3面連続で同じおっさんの相手をさせられるのよ。

さすがにボスキャラとなると色違いを除くと5種類いるんだが、
そのうちう1つは主人公のグラフィックを使いまわしてるしなあ。
台所事情の苦しさがありありと見えて哀しさを覚えたぞ(´д`;)


 

やっぱり兄弟などという設定ではないようです。


容量不足というより、巨大なキャラクターを滑らかに動かすために
多くを注ぎ込んだ結果ですね。そのおかげで初見のユーザーには
多大なインパクトを与えましたが、その分ゲーム内容にしわ寄せが
いってしまいました。




E語り継がれる遺産


まあ、そのインパクトを与えるのが目的のソフトだからな。
こういう技術力をアピールするために生まれたソフトというのは
後世になってその技術が一般化あるいは陳腐化したりすると
その真価を認められにくくなっていくもので、それは仕方のないことだ。

はかないものね…。

だが、『THE 功夫』は幸せだと思う。
既にPCエンジンの時代が終わり、ハードメーカーもソフトメーカーも
消滅して久しいが、今でもプレイする手段が多く残されているんだからな。

バーチャルコンソール(WiiU、Wii、3DS)、ゲームアーカイブス(PS3)、
PC Engine GameBox(iOS)、ひかりTVゲーム、G-clusterと、
2016年現在でも実に様々なサービスの中で配信が行われています。
PCエンジンオリジナルのゲームがここまで展開されているというのは
他に例がなく、なんだかんだで広く愛された証なのではないでしょうか。

あの頃、私たちがPCエンジンという新ハードに見た気概…
PCエンジンが見せようとしてくれたゲームの未来を
今の時代に感じてもらうのは難しいかもしれないけど、
当時の他のゲームと比べてみると存在感の違いは伝わると思うわ。
良くも悪くもPCエンジンの歴史を語る上では欠かせない作品よね。








(c)1987 HUDSON SOFT