エポック社が送るドラえもんのゲームボーイタイトル第2弾がこの『アニマル惑星伝説』だ。
オリジナルストーリーだった前作とは違い、今作は原作付きで『ドラえもん のび太とアニマル惑星』を題材としています。 大長編シリーズ第10作目であり映画シリーズ第11作目にあたる作品ですね。
てんとう虫コミックス版。
でもゲーム化第一報の記事を読んだらアクションゲームだっていうじゃない? この作品にはアクションシーンが少ないからどうやってアクションゲームにするんだろって思ったわ。
そこで開発陣は大胆な解決策を採る。 物語の序盤から中盤に掛けてのドラえもんたちがアニマル惑星に行くきっかけやそこに住む動物たちとの出会い、交流して絆を深めていくシーンをなんと丸ごとカットしたんだ。
ダイジェストのみで語られるアニマル惑星での冒険前半部。
ゲームでは物語の終盤、犬のチッポくんが地球にいるドラちゃんたちに助けを求め、それに応えて再びアニマル惑星に到着したところから始まります。
ずいぶん強引な方法を採ったものね(^^;)
不測の事態。
しかし早々にロケットは不時着し、ジャイアンとスネ夫は行方不明になってしまう。 チッポやロミも探さねばならないというのに前途は多難だ(´Д`;)
話の流れから、まずはチッポくんの街を目指すことになりました。
侵略の傷跡。
あんなに美しかったアニマル星が廃墟のようになっているわ…。
本作では見下ろし画面での探索と、どこかに入り口が隠されている横スクロールステージの攻略によって道が開けるようになっている。
横スクロールステージでは最奥にあるゴールを目指す。
初期装備は前作と同じチャンピオングローブです。 性能的には物足りないですが、使い慣れた感覚が今は頼もしいですね(^^)
住人たちを探して。
探索を進めると静香が反応を示すぞ。どうやらこのあたりに誰かがいるようだ。
ここ、原作だと『動物ごっこぼうし』のウサギの耳で聴力がパワーアップしたから見つけられたっていうような説明があったけど、ゲームだとただの勘ってことになってて笑っちゃうわ(^^;)
女の勘にはドラえもんの道具も形無し。
そこにいたのはチッポくんのお父さんでした。 チッポくんは都会の瓦礫の中に閉じ込められていること、しかしそこには侵略者ニムゲのロボットがいて助けに行くことができないことを教えてくれます。
お約束のやり取り。
だからって放っておくことなんてできないわ。 すぐに助けに行きましょう!
何万回のパンチを繰り出そうと通じない鋼のボディ。
……。
……(´Д`;)
……(^^;)
勝ち誇る最初のボス、環境破壊ロボット『クレーンジャ』。
や、やらかしたわあ!Σ(´Д`;)
本作では各ボスに通用する武器が完全に決められている。 すなわち、その武器を持たずに挑んでも絶対に勝てないようになっているわけだ(´Д`;)
この場合、先にジャイアンを見つけて空気砲をもらってからここに来るべきでした(^^;)
被り物なしでゴリラと間違われるジャイアン。
こういうことがあるから探索はしっかりやっておこう。 どら焼きなどの1UPアイテムも多く落ちているからな。
気を取り直して再戦よっ。
余裕の姿勢が崩れた。
通用する武器を持っていると、ボスは途端に弱気な態度になります(^^;)
これでまともに渡りあえるわ…。
このボスは3方向に弾を撃ちながら体当たりしてくる。 地面にいなければ体当たりは怖くないから上の足場で避けて、後を向いたときに空気砲を撃ち込んでやろう。
撃破。
遠回りしちゃったけど、これで進めるわね。 チッポくんを助け出しましょう。
パワー・オブ・ゴリラ。
これも原作では帽子の力で腕力が上がっている場面なのですが、自力で瓦礫を片付けてしまいましたね(^^;)
次はスネ夫を探しに行こう。ここからは主要な展開を除き大きく省いたダイジェストで紹介するぞ。
スネ夫は川の中で魚たちに保護されていたわ。 水を汚すなんて許せないわね、すぐに止めに行かなきゃ!
ニムゲの侵略行為は川の中にまで及んでいた。
水の中は画面が揺らめいて少し操作が難しいです。 特に着地した際の足場には要注意ですね。
タコ型ロボットの『ヘドロン』。
次はロミが連れ去られたというニムゲの本星に渡る方法を求めて禁断の森に行こう。 そこには霧を出して探索を妨害するロボットが行く手を塞いでいたぞ!
空気を汚す煙を出していたロボット『フロン』。
だけど、やっと見つけた星の船はのび太ひとりだけを乗せてニムゲの星に飛んで行ってしまったわ!Σ(゜Д゜;)
かつてニムゲの星からアニマル星に動物たちを運んだという星の船。
到着したニムゲの星は空気が汚れ、荒廃しきっている死の星でした。 自然の美しいアニマル星を乗っ取って自分たちのものにすることがニムゲの狙いだったのです。
ロミちゃんの運命はのび太の肩にかけられた。
のび太はニムゲの本拠地にただひとり乗り込み、ロミちゃんを助け出さなければならなくなった。 原作ではスパイに変装し運よく救出に成功したが、本作では堂々と正面から戦うことになる。
臆病だったのび太の友情をかけた雄姿。
ロミちゃんを助けることができたけど、これでニムゲの方も本気になったわ! 街を攻撃されないように禁断の森で待ち構えましょう。これが最後の戦いよ!
迫りくる大群。
総長の乗る円盤を撃墜し、ついにニムゲの野望は潰えました。 おめでとうございます、これにてゲームクリアです(^^)
本作は探索要素とアクションのバランスが優れていてファンならずとも楽しめる安定したゲームだと思う。 ライフ制ではなく一撃死の制度を採っているため少々難しいところもあるが、操作性の良さと1UPアイテムが大量に用意されているためにトライ&エラーがしやすいのは評価点だ。
グラフィックの再現度や音楽を見ても質が高くて、雰囲気をうまく出せていると思うわ。 ステージ数も多くて長く遊べるし、ゲームボーイでこれだけのクオリティなら文句なんてないわね。
それだけに話題にされやすいのがストーリーですね。 これまで見た通りオリジナルの環境破壊ボスがいくつも追加されたりしたこともそうですが、原作からのエンディングの変更は特に賛否を呼びました。
なお画像は出さないが、ネタバレになってしまうから自分でエンディングを出したい人はここから先は読まないでほしい。
ニムゲはかつて本星で繁栄した人間たちの子孫でした。 彼らの星は先祖の過ちによって環境破壊が続いたために滅び、それゆえに自然が美しいアニマル星を狙ったのですが、原作のエンディングでそれは一部の過激派によるものだったということが判明します。
大多数のニムゲは過去の過ちを反省して平和主義になっていたんだ。 最後はそのニムゲたちによる治安維持組織の連邦警察が現れて過激派を逮捕し、アニマル惑星の住人に謝罪したうえでニムゲ本星もアニマル星のような美しい星にすると言って去っていく筋書きになっていた。
だけどこのゲーム版は連邦警察が登場しないの。 ニムゲは静香ちゃんの説得と動物たちとの話し合いで反省して、自分たちの科学力でニムゲ本星を人が住める星に戻すことを誓うわ。
環境破壊ロボットたちも自然をきれいにするために改良されて、ニムゲと動物たちは和解しました。 機械も使い方次第では皆のためになる、地球もアニマル星に負けないほどきれいにしていつかチッポくんたちを招待しようという願いで本作のエンディングは結ばれます。
まあこの通り…原作とは異なる結末となったわけだ。もしかすると副題がわずかに違うのはこれが理由なのかもな。 基となる物語があるのにわざわざ改変を加えた意図はわからないが、こうした行為が話題になってしまうのは仕方がないことだろう。
だけど私はこのエンディングも嫌いじゃないのよね。 原作だと逮捕されたニムゲはそのまま連行されちゃって、反省してるかどうかわからないままだったから、こうして救いが描かれたのは嬉しいわ。
どちらのエンディングも本作のテーマである環境破壊への警鐘というメッセージ性は強く出ており、ゲーム版のものもありえた結末として受け止められようになっています。必要性は別としても本質を捉えた良い改変だったのではないかと思います。
初稿:2020年2月24日
最終更新:----年--月--日