◆クイズ日本昔話 アテナのハテナ?◆
-Game Boy-



パッケージ表
パッケージ裏
ROMカセット
タイトル画面


タイトルクイズ日本昔話 アテナのハテナ?
ジャンル新感覚クエスチョンAVG
対応機種ゲームボーイ
発売元アテナ
価格3,980円(税込)
発売日1992年12月18日




@クイズゲームの流行


1990年代の初め頃だけど、クイズゲームが世間のブームに
なっていたことがあったのよ。

そのブームの先駆けとなったのがカプコンの
『アドベンチャークイズ カプコンワールド』だ。
それまでは単にクイズを出題するだけの無機質な
ゲームが多かったこのジャンルに世界観を与え、
また『すごろく形式のマップ』『ノルマ制』などの新機軸を
を取り入れたこの作品は実に新鮮に感じられた。

その人気は普段ゲームをやらない人達にまで拡大したんですよね。
ソフトメーカーから見ても、プログラム的に作りやすいわりに
インカムが大きいクイズゲームは魅力的だったようで、
この時期は主要なメーカーの大半から立て続けに
リリースされていました。

今回取り上げる『アテナのハテナ?』もそんな時期に
発売された1作だ。ゲームボーイでのリリースだが、
前述の『カプコンワールド』の影響を色濃く受けた
作りになっているぞ。




Aストーリー




◆ストーリー◆



ある日、サトルくんとミキちゃんがいつものように絵本を読んでいると、突然本から得体の知れない生き物が

飛び出してきました。



サトル「わーっ!」

ペロン「とつぜんゴメンね!ぼくの名前はペロン、絵本に宿る妖精さ!

・・・・・・だけど、こうしてキミたちの前にあらわれたのは、頼みごとがあるからなんだ。

じつは、この本はいま、悪い悪魔によって秩序が失われているんだ。昔話の主人公たちが、

悪にそまって悪いコトばかりしているんだよ!!ボクは、なんとか彼らを元に戻したいんだ!」


サトル「そんなコトを言われても・・・・・・」

ペロン「だいじょうぶ!本の世界に通じる穴はボクが作るから、そこへ飛び込んでくれ!」

サトル・ミキ「ええっ!!そんなあ!!」

ペロン「本の世界は、いま悪い妖怪でいっぱいだから、気をつけてねェー!」

サトル・ミキ「うわーっ!たすけてーっ!」



ペロンに言われるまま、ついに絵本の中に入ってしまったふたり。はたして、サトルくんとミキちゃんは絵本を

元の楽しい世界にすることができるのでしょうか!?小さなふたりの冒険の、はじまりはじまり・・・・・・。







B和風のクイズゲーム





地蔵があるだけで和風に見えちゃう不思議。




泡を吹かされるように絵本の中に連れて来られた2人。
ここは『花さか爺さん』の世界なんだって。

システムは基本的に『カプコンワールド』のものを
踏襲しています。サイコロを振り、出た数字の数だけ
すごろく型のマップを進み、停まったマスに応じたイベントが
発生するという仕組みですね。

このゲームの場合はサイコロじゃなくて地蔵の笠を
めくるんだけどな。なんだか罰が当たりそうだが・・・。




笠地蔵の世界をモチーフにしている。




妖怪とクイズで戦うノーマルマス、
地蔵とジャンケンして勝つとアイテムがもらえるマス、
3つのつづらから1つだけ開けるつづらのマス、
クイズに正解するとすずめのおやどで体力を全回復できるマス、
これらを掻い潜ってステージのボスを目指しましょう。


 

強力な日本妖怪たちが行く手を阻む。




クイズはノルマ制で、規定の正解数に達するまで問題が出されるわ。
間違えると体力が減っていって、HPがなくなるとゲームオーバーよ。
設問も幅広く、芸能、理科、漫画アニメ、車などのジャンルから
幅広く約2,100もの問題が用意されているわ。

全体的にマニアックになりすぎておらず、一般常識を問うような
問題が多いので敷居は低めといえますね。
ただし車に関する問題だけは製作者の趣味が反映されたのか
難度は高めで、このゲームのターゲットであろう低年齢層には
難しいものになってしまっているのですが・・・(^^;)

当時はF1レースが流行ってたからねえ。
ある種、世相を反映したともいえるけど。
それと、タイトルである『日本昔話』がクイズの内容には全く
関係ないのも少し残念ね。
うまく問題に組み込めばもっと世界観が活きたかもしれないのに。




Cボスとの対決




『お前もカレキのようになるがいい!』




さて、各ステージの最後ではアクマに心を奪われてしまった
昔話の主役たちと対峙することになる。
・・・しっかし、悪い顔してるよなー(´д`;)
この悪魔化した彼らの姿はある意味見所かも知れん。
彼らは雑魚妖怪よりもノルマが高く勝つのが大変だが、
直前のすずめのお宿でしっかり体力を回復しておけば
なんとかなるだろう。




すっかり毒気が抜けた花咲かじいさん。




クイズに勝利すると彼らは正気に戻り、
次に行くべき道を指し示してくれます。
こうして絵本の世界を元通りにしていくんですね。

ところどころ惜しいところもあるけど、身近な題材を
使ったりクイズの難度を低めに設定したり、子供
向けにしようという意図はわかるのよね。
このゲームを子供のときにプレイして、いまだに
内容を覚えてるっていう話もよく聞くし。
じゃあそういうわけで今回はここまで。またね〜。ノシ




D語り継がれるトラウマ

ちょっと待ってください!
なになんとなくいい形で締めようとしてるんですか!
このゲームが人々の記憶に残るのはそんな理由じゃ
ないでしょう!?(゜□゜メ)

このゲームを語る上では終盤の圧倒的な展開は外せないぞ!
多くの子供達に悲壮なトラウマを植え付けたあの結末を
お前は忘れてしまったのか!?

いや、だから忘れたいんだってば・・・(´Д`;)
あーもう、わかった、わかったわよ!


 

悪魔の力で竜変化している竜の子太郎を正気に戻すと・・・。




さて、花咲かじいさんに続き浦島太郎、かぐや姫、
桃太郎、金太郎、竜の子太郎らを正気に戻すと、
2人は突如不思議な穴に吸い込まれてしまいます。




絵本の世界とは違う、異質な冷たい機械の感触。




気づくと、そこは今までいた世界とは明らかに違う、
機械仕掛けの無機質な空間だった。一体ここはどこなのか?
一体何が起こったのか?疑問の答えは一番奥の部屋で待っていた。




どうして、ペロンが…?




そこにいたのは、なんとあのペロンだったの!
こちらは状況に混乱するばかりだけど、ペロンは構わず
襲い掛かってくるわ!その目はつり上がり口は
裂け、まるで悪魔化してしまったみたい・・・!




ペロンが醜悪な化け物に!?




なんとかペロンに勝利することができると、ペロンは衝撃の真実を
明らかにする。悪魔の正体はペロン自身であったということ、
ペロンは実は宇宙人であり、彼らの星は文明が発達して
自らの体を全て機械化していること・・・。

そして生身の体が恋しくなったペロンは地球で子供たちを攫って
脳を分離し、体を奪うことにしたこと、絵本の世界は
子供たちを誘い込むためにペロンが作り出した偽りの世界だった
ということを・・・。なんてことなの・・・。




敗北し、機械の体から煙を噴き上げるペロン。




この後、2人は無事にもとの世界に帰ることができ、
そこでエンディングを迎えることになるのですが、
プレイヤーにとってはそんなことはどうでもよくなる
くらいの虚脱感が残ります(´Д`;)

あまりに予想外な展開に頭がついていかないこともそうだけど、
あの可愛いかったペロンが醜悪な姿になることや、
挙句に皮が剥げて中身の機械が剥き出しになったり、
誘拐して脳と体を分離するなんて生々しくてエグい
表現を使ったり、純粋な気持ちでプレイしていると
心に傷を負うことは間違いないわよ!((((゜Д゜;))))

この脚本のすごいところは、主人公の2人とプレイヤーの境遇を
うまく重ねたことだ。
彼らは絵本の世界という子供が気に入りそうなエサを撒かれ、
(半ば強引にだが)誘い込まれた。
一方プレイヤーはパッケージなどの印象から、このゲームを
子供向けのほのぼのとしたゲームだと思い手に取ったことだろう。

そりゃあ油断もするでしょうけどね…。
このあたりのシンクロ感が感情移入しやすくさせているのよね。
・・・そのおかげでトラウマも倍増したんだけど(´Д`;)

でも、ペロンがあんなことになるなんて誰も
思わなかったはずですよ!だってペロンは
アテナのイメージキャラクターなんですから!




プレイステーション『デザエモンKids!』でゲームの作り方をレクチャーしてくれるペロン。
プレイヤーはいつ裏切るかヒヤヒヤした。




アテナはイメージキャラクターをこんな風に
扱うことに抵抗はなかったのかしら?
かえって悪いイメージを持たれてしまいそうなものだけど・・・。

知恵の女神の名を社名に冠するアテナ。
しかしその正体は子供たちの心を惑わす
悪魔だったのかもしれないな・・・。








(c)1992 Athena CO.,LTD