ゲームセンターで『ぷよぷよ』が猛威を奮ったのは1992年も暮れのことだった。
すでに人気ジャンルとして定着していた落ち物パズルでしたが、それまでは『テトリス』や『コラムス』に代表されるように1人用のスコアアタックものが主流で、対戦を主眼として打ち出したぷよぷよは新機軸でした。
『ドクターマリオ』とかゲームボーイの『テトリス』みたいに対戦できる落ち物パズルはいくつかあったけど、対人戦だけだったのよね〜。 CPUと戦えるモードがあるのは嬉しかったわ。
『ぷよぷよ』はゲームルールの分かり易さと奥深さ、またキャラクターや音楽面でも受けがよかった。 公式大会も小学生以下の部から女性限定の部、さらには60歳以上の部まで用意され、世代や性別を問わずその人気は拡大していった。 ここまで老若男女に広く受け入れられたゲームはなかなかあるまい。
アーケード版で人気に火がついたぷよぷよですが、コンシューマにも順次移植されていきました。 当時の主要なゲームハードやパソコンのほとんどで発売されたんじゃないでしょうか?
あまりに数が多いからこのリストでは続編のアーケード版『ぷよぷよ通』稼働までに発売されたものに限定させてもらったが、その手広さはわかってもらえるだろう。
今回紹介するのは、その『ぷよぷよ通』が稼動する僅か2か月前のタイミングで発売された、わりと後発のゲームボーイ版よっ!
左上のぷよを落としています。
ではでは基本的は遊び方のおさらいです。 2匹1組で降ってくるぷよを移動・回転させて積み上げていき、同じ色のぷよが4匹以上連なるとあら不思議、魔法の力でぷよは消え去ってしまいます。
青ぷよが消えると、その上にいた赤ぷよが落ちてきてまた消える。これが連鎖消しだ。
ぷよを消すと、相手のフィールドに透明な『おじゃまぷよ』が降る。 おじゃまぷよは連なることがなく、並べても消せない。 消すためには通常のぷよを消すときに上下左右のどこかにくっついていなければならないんだ。
連鎖消しにより一度に消した数が多いほど、たくさん降り注ぐ。
おじゃまぷよを送り合って、先に相手を窒息させると勝ち!というわけね。 文字にすると難しいかもだけど、実際にやってみればすぐに覚えられると思うわ。
YOU WIN。
じゃー次は『ひとりでぷよぷよ』モードについて。 これはCPUと対戦して勝ち抜いていくストーリーモードよ。 まあ、ストーリーなんてないようなものだけどさ(´д`;)
『ドラコケンタウロス』との会話シーンより。どいつもこいつもノリがよい。
戦いの前には、相手キャラクターとの会話が挟まれます。 通称『漫才デモ』と呼ばれていますね。 キャラクター人気の高いゲームですが、この会話シーンによるところも大きいですね。
同じ携帯機で発売されたゲームギア版では漫才デモが省略されていて残念な思いをしたが、こちらではしっかり収録されているな。 容量の関係なのか微妙に台詞が変わっているところもあるが、会話の流れや内容は概ね同じだから安心していいぞ。
どうしてもこの話題は避けて通れないわね…。 実は、今まで紹介してた画面はスーパーゲームボーイで起動したときのものなのよ。 ぷよぷよは緑・赤・青・黄・紫の5種類がいるんだけど、ゲームボーイだとモノクロの濃淡と形の違いで種類を表しているわ。 だけどさあ…。
白黒ゲームボーイでの画面。種類の判別が難しい…。
これな…最初は戸惑うよな。 慣れれば多少なんとかなるんだが、なかなか集中力を使う。 俺なんかは今でも間違えることはしょっちゅうだ(´д`;)
それをわかっていてスーパーゲームボーイ対応にしたんでしょうね。 やはりぷよぷよは色付きがいいと実感します。
スーパーファミコンにもぷよぷよは移植されているんだから、それならそっち遊べばをいいじゃない…(´・3・`)
…なんてことは言わないわよ! ゲームボーイでぷよぷよを遊べることそのものに意義があるんだからさ!
誰もがハードを複数持っているわけではありませんし、ゲームボーイしか持ってないという人も当然いますからね。 どのユーザーも平等にぷよぷよを楽しめるように、出来る限りのマルチプラットフォーム展開をしてくれたんです。
実際、他機種版と比べて劣るところはまだあるの。 オリジナルでは登場キャラは独自の思考ルーチンを持ってて、例えば『スケルトンT』ならぷよの回転ができなかったり、『ハーピー』ならまず両端の1列ににぷよを積み上げていくんだけど、そういうのは一切ないのよね。
スーパーファミコン版より。左右両端の列から積んでいくのが『ハーピー積み』の極意。
一方、ゲームボーイ版では普通の積み方をするように。
ぷよの挙動がちょっと独特というか、素早い操作に反応してくれないのも気になるな。 ボタンを押しても回転しないということがたびたびあるんだ(´д`;)
このようにハードスペックとの相性もあって、ぷよぷよは決してゲームボーイに向いているゲームとは言えません。
だけど、他機種版と比較しなければ普通に遊べる出来よね。 うん、先入観を捨てれば楽しいわよ、これ。
見劣りはすれど世間で大人気となっていたゲームを普及率の高いハードで出す意義は大きく、ぷよぷよの長い人気を支える一助となったのは間違いない。 これからぷよぷよをプレイするのにわざわざ本作を選ぶことはないだろうが、歴史的には必要な移植だったと言えまいか。
初稿:2019年4月10日
最終更新:----年--月--日