◆クインティ◆
-Family Computer-





タイトルクインティ
ジャンルアクションゲーム
対応機種ファミリーコンピュータ
発売元ナムコ
開発元ゲームフリーク
価格4,900円(税別)
発売日1989年6月27日




@ゲームフリーク物語


後に『ポケットモンスター』で世界に名を馳せるクリエイター集団、
『ゲームフリーク』の処女作がこの『クインティ』だ。

当時のゲームフリークはまだ企業体ではありませんでした。
任天堂からライセンスを得ることなく自前で開発環境を構築し、
3年にも及ぶ長い期間かけ苦労の末に完成させたのです。

完成したゲームはナムコに持ち込まれ、そちらの要請で少々
手直しをしたようだが無事に発売されることとなった。
ファミコンでは唯一、市場流通したインディーズ作品なんだ。

そしてクインティは約20万本を売り上げて莫大な印税が入って…。
このお金を使ってゲームフリークは正式に会社として立ち上がるのよ。
このあたりの経緯は色々エピソードがあって面白いんだけど、
今回は割愛するわ。興味があったら調べてみてね。




A仲良し5兄妹の対立


では、気になるストーリーを紹介します。



◆ストーリー◆


プラム・セカム・トライ・カートンそしてクインティたちは、いつも仲良しの5人兄妹。

ところがある日、四男のカートンがガールフレンドのジェニーを連れてきたから、さあたいへん。

クインティは、大好きなお兄ちゃんをジェニーに取られてしまうと思い、また、3人の兄たちは

弟のガールフレンドを好きになってしまう始末。

クインティたちはイタズラ心を起こして、ジェニーをどこかに連れていってしまいました。

そうして困りはてたカートンは……。





登場人物の関係を図にするとこうなるわけだ。




一目で分かる人物関係。




ドッロドロだわあ!(´Д`;)
果てしなくドロドロでぐっちゃぐちゃの愛憎劇だわあ!
特に兄妹間ってとこがエグイわあ!

強烈な設定でつかみはバッチリですね!(^^)

バッチリなことあるか!Σ(゜Д゜;)
むしろひくわ!

つかみが欲しいんなら可愛らしい絵柄をアピールしなさいよ…。
パッケージもこんなに目を引くんだからさー。




クインティのパッケージ。カワイイデスヨ?







B「めくる」アクションゲーム


クインティは固定画面のアクションゲーム(全100面)です。
各ステージに配置されている敵を全滅させていくのですが、
その倒し方が少々変わっています。

床に敷き詰められたパネルをめくって敵を転ばせ、
壁にぶつけて爆発させるんだ。
敵に直接触れるとすぐミスになってしまうのが少しシビアだが、
パネルをシャカシャカめくるのは思いのほか楽しいぞ。




床のパネルをめくって転ばそう。




ゲームフリーク主宰の田尻智さんは『新しいゲームは新しい動詞から
生まれる』と考え、『めくる』という動詞を選び抜きました。
その発想がこの斬新さにつながっているんです。

……(゜3゜)




C特殊パネル


確かにめくるというアイディアは秀逸だが、それだけでは
単調すぎて長く遊ばせるのは難しい。
この単純なルールをどう活かしているか、だが。

工夫の一つが『特殊パネル』ね。
まだまだ種類はあるけど、こーんな感じよ。


★クロスパネル

4方向にパネルがめくれていく。
★スターパネル

100枚集めれば1UP&スピードUP。
★エナミーパネル

敵が出現するパネル。
★タイムパネル

制限時間を5秒増やす。
★メタルパネル

この上は通過できない。
★サンパネル

全パネルがめくれていく。


これらのパネルはあちこちに配置されているから、
どのように活用していくかが攻略の鍵になるわ。
めくったパネルの下に他のパネルが配置されていることもあるし、
たった1画面だけど奥の深いステージ構成になってるのよ。

私のお気に入りはサンパネルです。
一発で敵を全滅させるのが気持ちいいですよね〜(^^)

しかし、めくれたパネルの下にエネミーパネルがあって
涙目になったりするんだぜ?

あるあるわあ!(´Д`;)




D個性豊かな敵キャラクター


さらに、個性豊かな敵キャラクター達が世界観に
華を添えています。下に一部を紹介しますね。


★ウォークマン
その名の通りただ歩くだけ。
★プランプ

重くて弾き飛ばしづらい。
四股を踏んでパネルを一直線にめくる。

★バレリーナ

踊りながら向かってくる。
★アーティスト

パネルに絵を描いてめくれなくする。
描いた敵キャラが動き出すこともある。

★ジャンパー

常に跳ね回る。ジャンプ中は
転ばすことができない。

★スイマー

泳ぎながら蹴り足でパネルをめくる。
★ミミー

主人公の動きをそっくり真似る。
★アクロバット

足元のパネルをめくろうとすると
真上に高く跳ぶ。



見た目で特徴が分かりやすく、愛嬌のあるデザインが光るな。
豊富な行動パターンと思考ルーチンも秀逸だ。




E音楽


ポップな音楽による演出も巧みよねー。
BGMもいいんだけど、とにかくSEが鳴らしていて気持ちいいのよ。

こちらのマネをして動くミミーのステージでは操作を止めると
音楽も止まり、直感的なプレイ感覚を向上させてくれる。
ゲーム音楽の役割というものを改めて気付かされたもんだ。

長い開発期間をかけただけあって、制作者の
強いこだわりが感じられますね。もちろん音楽に限らず。




Fボリューム満点セーブ不可


ゲームバランスの調整も絶妙の一言。
一見難しそうなステージにも一定の解法があり、
頭をひねれば簡単にクリアできるようになってます。
もちろんアクションの腕を磨けば
普通にクリアすることできちゃいますよ。

唯一難を挙げるなら、セーブ機能がないことかしらね…。
コンティニューは無限に出来るけど、100面クリアしようとすると
裕に2時間はかかっちゃうし(´Д`;)

そのための対策か、最初の8つの家は自由に入れるようになってる。
でもそれを全部クリアしないと終盤の20ステージは
遊べないからな…。
せめてパスワードコンティニューは欲しかったところだ。

その100面をクリアすると、エンディングでエキストラモードの
存在が明かされます。こちらも全100面!
表面とは比較にならない難しさですが、腕に自身を覚えたら
是非チャレンジしてみてください。




タイトル画面であるコマンドを入力するとエキストラモードに。




ステージ数・難度を総合してもやり応えは充分だ。
息抜きに軽くプレイするも良し、やり込んで
速攻クリアやハイスコアを目指すも良しだ。
100面制覇は時間がある時にじっくり挑むのがいいな。




G漫画版


ここからは余談になりますが、クインティは漫画化もされていました。
『ファミコン必勝本』で1990年から1995年の長期にわたって全57話が
掲載されていたんです。この漫画はゲームフリークの一員であり
ゲームのデザインも担当した杉森建さんが自ら描いていたため、
公式としての位置付けがより強調されていました。

そうそう、私もこの漫画がきっかけでゲームの方に
手を出してみたのよ。
制作に関わった人が直に描いてるだけあって
ゲームと漫画が本当に違和感ないのよね。
いい宣伝にもなってたんじゃないかしら。




足掛け6年の長期連載だった。




単行本化されなかったのが残念だったなあ。
未だに権利関係が整理されてなくて、
ゲームのリメイクさえ難しいらしい…悲しいな。

クインティはシリーズ化こそされませんでしたが
多くの人の心に残り、ゲームフリークの代表作となりました。
そしてこの漫画が惜しまれつつ終了した数ヵ月後、
あのポケットモンスターが発売されることになります。
まるでその成功を予感していたかのような
絶妙なタイミングでの幕引きでした。








(c)1989 GAME FREAK/NAMCO LTD.





















H「めくる」の先駆者




あ、最後にちょっとだけいいかしら?


何だどうした?

さっきは口を挟み損ねたんだけど、
『めくる』アクションゲームは別に
クインティが最初じゃないの。

えっ!?Σ(゜□゜;)

クインティが『新しい動詞』として『めくる』を選んだっていうのは
有名なエピソードだけど、実はアーケードではすでに
同じようなコンセプトのゲームが出てたのよ。コレなんだけどさ。




ゲームセンターの端っこで密かに稼働していた。




『キャンバスクロッキー』。
1985年にSNKから発表されたものよ。
オセロの要領で床面全部のパネルをひっくり返して
隠された絵を出すの。

おお、これは…。
クリア条件の違いはあるが確かに似てる。
ひっくり返るパネルに敵を巻き込んで倒すあたりも似てるな。

でしょ?
まあ別にこっちが先だからどうってわけじゃないんだけどね。
どっちも差別化できてて遊んでみると違った面白さがあるし、
クインティが好きならキャンバスクロッキーも楽しめるんじゃ
ないかと思っただけだから。

でもこれ、脱衣ゲームじゃないですか!(´□`;)
出回りも多くないでしょうし、こんな昔の筺体を
見つけて遊ぶのはいくらなんでも難しいんじゃ…?








(c)1989 GAME FREAK/NAMCO LTD.