今回はましきさんからリクエストをいただいて、ファミコンの『落っことしパズル とんじゃん!?』を紹介していくよ(^^)
ましきさん、いつもありがとねー♪
『とんじゃん』は1989年9月29日にジャレコから発売された、麻雀牌を使うパズルゲームよ。 誰でも楽しめるニューパズルゲームというのが触れ込みで、その独自性からファンも多い作品ね。
この時代って『上海』とか『四川省』とか『紫禁城』とか『香港』とか、麻雀牌を使ったパズルゲームが多いんだよなー。
そんなに色々出ていた中でもちゃんと独自のファンが付いてるってことは、埋もれないだけの個性があるってことだよね?どんなゲームなのか気になっちゃうね♪
ゲーム内容は指定された麻雀牌を穴に落としていくというものなんだけど、この説明だけじゃわからないだろうからこれから詳しいルールを説明していくね。
ステージ1。
これがゲーム画面ね。 プレイヤーはぶたさんを操作して、麻雀牌で構成されたステージを歩き回りながら指定の牌を動かして穴に落としていくのよ。
このぶたさん、てちてち歩く仕草がかわいいねー♪
ぶたさんの動きのパターンが豊富なところもアピールポイントだね。 ポーズ中や操作していないときは寝たり踊ったりもするよ(^^)
操作放置時のぶたさんのアクション4選。
ぶたさんを操作していない時だけのアクションにこれだけ手間をかけてるのはなかなか凄いんじゃないか?見てるだけで楽しくなるぞ。
このぶたさんは同じジャレコのアーケードゲーム『ぶたさん』からの客演なのよ。 そっちは時限爆弾を投げ合うちょっと過激なバトルロイヤルだったけど、こちらは平和的で可愛さが強調されているわね。
ば…爆弾?
ぶたさんの過去に何があったの…?(゜□゜;)
改めてゲーム内容の説明に戻るね。ぶたさんを動かして、クリア牌を穴に落とせばステージクリアだよ。 穴は白くて丸い形をしているところで、ぶたさんは穴の上でも落ちずに通りぬけることができるんだ。
丸で囲ったのがクリア牌。
フィールドの上部に表示されているのがクリア牌よ。 牌の動かし方は2種類あって、Bボタンを押すと『プッシュ』で牌を1マス分、 Aボタンを押すと『パンチ』で複数まとめて壁にぶつかるまで押すことができるわ。
プッシュ。
パンチ。
ドカンとまとめて動かす手段があるのは爽快で嬉しいところだな。どうもちまちま動かすのは苦手なんだ。
だけど本作には一手戻す機能がないから、無暗に動かしちゃダメだよ。 それに牌を押すことはできるけど引くことはできないんだ。ちゃんと道筋を考えて進めないとすぐに行き詰まっちゃうよ。
これ、クリア牌以外の牌を穴に落としたらどうなっちゃうのかな?
いい質問ね。右側に『イン数』と書かれた数字があるのだけど、これはその面で穴に落としてもいい牌の規定数を表しているの。 これがゼロになる前にクリア牌を落とせれば問題ないわ。
丸で囲った規定数が穴に落とせる牌の数。
規定数を使い切るとミスになって残機が減るんだ。
クリア牌も穴も一つじゃなくて複数出ることもあるみたいだし、どの穴に落とすかも考えないといけないなら結構奥が深いんだね。
このゲームの奥の深さはまだまだこんなものじゃないんだよ。 後でまた説明するけど、規定数の内ならむしろたくさん落とした方がスコアが増えるからそのあたりも意識してプレイするといいね。 このゲームはスコアが重要な要素なんだ。
ミスの条件は全部で3つある。さっきも説明した規定数を超えてしまった場合、セレクトボタンを押して降参した場合、それと 『失牌』という魚の絵が描かれた牌を穴に落としてしまうとぶたさんのストックが減ってしまうぞ。ミスを繰り返してストックがなくなるとゲームオーバーだ。
穴に落としてはいけない『失牌』。
『失牌』ってネーミングが面白いね(^^)
ユニークな見た目と名前だけど、この牌が盤面にあるかないかでゲーム性が全然変わってくるんだよね。 クリア牌をどう落とすかだけじゃなくて失牌をどう落とさないかも考えなきゃいけなくなって、ルート構築の難度が上がるんだ。
失牌の登場する面としない面が適度にまぜられていることが、全99面の長さにも飽きずに遊び続けられる理由にもなっているわね。 本作は面構成も秀逸よ。
ところでゲームオーバーになったら再開はどうなるの?まさか最初からやり直し…とかじゃないよね。
ゲームオーバーになってもすぐにその面から再開できるぞ。 スコアはゼロに戻されるけどな。それに5面以降は1面クリアするごとにパスワードがもらえるから、控えておけば電源を切ってもその面から再開できる。良心的な作りだな。
パスワードは牌の種類で表されている。
さっきも少し触れたけど、本作はハイスコア狙いが重要視されているんだ。 実際のところクリアするだけなら簡単な面も多いんだけど、いい評価をもらおうと思ったら途端に歯応えが増すんだよ。
面クリア時にクリア方法に応じて★の数で1〜5段階の評価がなされるわ。 評価の目安として高いスコアを得ることは大事なのよ。
リザルト画面。
スコアを狙い出すと考えることが一気に増えるんだ。そのひとつはフィーチャー牌だな。 これは穴に落とすと絵柄に応じたスコアがもらえる牌なんだ。
ファミコン時代のゲームらしくフルーツ系がボーナスなのはいいねー♪ アップルパイとかミートパイとか、やっぱりネーミングは駄洒落なんだね。
チャンス牌とボーナス牌。
次はチャンス牌とボーナス牌の説明をするね。 チャンス牌は各面ごとに設定された普通牌で、落とすと5000点もらえる牌だよ。
チャンス牌はボーナス牌と同じように各面ごとに設定される普通牌で、落とすと以後そのステージの得点加算が2倍になる牌なの。 2個落とすと4倍、3個なら8倍よ。影響が大きいからできるだけ早めに落としておきたいわね。
それと忘れちゃいけない、残り規定数もスコアに直結する大事な要素だ。クリア時に残った規定数が1回分につき500点加算されるんだ。 さらに残り規定数が0の状態でクリアすると特別に5,000点のボーナス点がもらえるぞ。
おまけに特定のステージに限られるけど、落とした牌で役満の条件を満たせばクリア時にその分の得点がもらえる隠しボーナスもあるんだよ。
気付いて獲得できたら嬉しいボーナスだけど、機会があまりないからわざわざ1から覚える必要はないと思うわ。 せっかく麻雀牌を使っているんだから特殊な仕掛けを入れたかったんじゃないかしら。
なるほどねー。色々なボーナス要素が組み合わさって、ハイスコア狙いを極めるとずいぶん奥深いんだ。
これが面白いところなんだが、ハイスコア狙いを極めれば極めるほどに綺麗な解法が見つかるんだ。 面構成がよく練られている証拠だよな。
これだという解法でクリアできると嬉しいね。その瞬間が楽しくて何度もプレイしちゃうところがあるよ。
ところで、さっきパスワードの画面に出てきてた女の子は誰だったのかな。 マスコット的な可愛さのぶたさんと等身大の女の子との取り合わせはミスマッチな気もするけれど、可愛いかったね♪
ラウンドガールみたいなものなのかな? ステージの幕間に登場して応援メッセージをくれたりパスワードを教えてくれたりするんだ。ステージが進むと定期的に新しい子が出てくるよ。
他にもたくさんいる。
少々時代は感じるけど、ファッション誌のグラビア写真のように洗練されたスタイルだよな。ぶたさんもそうだったけど、本作はグラフィックに拘りがあるみたいだ。
この女の子たちが登場するのはもともと本作がアーケード用として開発が進められていた名残かもしれないわね。 可愛い女の子がいるとインカムが増えるから、アピールポイントとして用意されたんじゃないかしら。
へえ、元はアーケード用だったんだ。言われてみれば固定画面のパズルってアーケード向きだもんね。
ちなみに本作はアーケード化されなかったけど、後に韓国のドゥヨン社からグラフィックを差し替えた『YAM! YAM!?』というゲームがアーケードでリリースされているよ。 こっちはタヌキがダイヤモンドをドアに入れるっていう形式になってるんだ。
ドゥヨン社の『YAM! YAM!?』。
こちらはアーケードらしく難度の向上が図られているわ。 『とんじゃん!?』と比べてステージの構造が複雑になっているし、制限時間も付いているからあまり悠長に考えていられないの。 攻略のためには何度もコインを入れることになるでしょうね。
うーん、難しそうだけどタヌキさんは可愛いし、こっちもいつかやってみたいねー♪
まあ、こっちはどういうわけか女の子は出てこないんだけどな…。ちょっともったいないところだ。
『とんじゃん!?』の方に話を戻すけど、女の子たちが出てくるのは87面までで次の88面からは雰囲気が一変するんだ。
製作者登場。
なんだか怖そうなお兄さんが出てきたよー!?
(^^;)
この人は本作のプログラマーかしらね。 ここからのストーリーはこの人との対決という形で進行していくわ。もっともやることは変わらないのだけどね。
ここからは最終ステージの99面までずっとこの人との勝負になるよ。 パスワードも教えてくれないから、一気にクリアまでの長丁場を駆け抜けないといけないんだ。
もう終盤だから難しいステージばかりなのに、パスワードが取れないのは大変だよー(^^;)
『これまではクリアするだけなら簡単だけどハイスコアを狙うと難しい』という構成が主だったが、 この辺りからクリアまでの道筋が1つしかなくて実質スコアアタック要素がないステージも増えるんだ。 製作者の発言からも簡単にはクリアさせまいという感情が見えるな(^^;)
対抗心を燃やす製作者。
99面をクリアするとエンディングよ。 ぶたさんと女の子たちの集合写真が拝めるわ。
想い出の詰まった集合写真。
最後までグラフィックには力が入っているね。 この絵を見られただけでも頑張った甲斐があるよー♪
ところが、このゲームはまだ終わらないんだよな。 エンディングはもう少し続くから見ていよう。
夕焼けに染まる海への咆哮。
逆襲の誓い。
…あらら、なんだか、まだ諦めてないみたいだねー?(^^;)
というわけでタイトル画面に戻ってみよう。すると…
裏面登場。
『うらとんじゃん!? ぐぬぬの逆襲』が始まるという寸法ね。 さらに難しくなったステージをパスワードなしのノンストップで40面プレイすることができるわよ。
ははあ、諦めが悪いというか、しつこいというか…。でも追加で40面も用意してくれるサービス精神は凄いね♪
表面99面+裏面40面の計139面が本作の本当のボリュームということだね。 遊び甲斐はかなりあると思うよ。大変だけどここまできたら完走してほしいな。
初めはぶたさんの可愛さに目が行ったけど、中身もしっかりやり応えのあるパズルゲームだったね♪ クリアするだけならそうでもないけど、ハイスコアを目指すとぐっと難しくなるバランスも絶妙だったよ。
1画面で構成されたパズルにこれだけのバリエーションを持たせたことに感服するわ。 静かな夜長に頭を絞ってじっくりとプレイしてみてもいいかもしれないね。
本作に注目した人は可愛い物好きの人かパズルゲーム好きの人だろうけど、どちらも満足できると思う。両方好きだったらなおのことな。
基本はシンプルなルールで麻雀を知らなくても楽しめるから、ぶたさんに惹かれたのなら試してみてほしいね。 きっと楽しんでもらえると思うんだ(^^)
初稿:2025年10月13日